鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

入社おめでとう!

※「10年前の自分へ」というカテゴリは、10年前の自分に対して、今の自分が送るメッセージです。当時私は大学新卒で大企業に入社したての頃でした。


入社おめでとう!!ONIKUMAよ!


お前はそっこーで終わった新入社員研修に戸惑いつつも、今社会人の第一歩として歩みだした頃だと思う。


電話取るのもドッキドキだよなぁ!!


先輩に1日30回位質問しまくってる最中だよなぁ!!


年上の女性パートがいきなり部下に付いてびっくりしてるよなぁ!!


面接官の人事課長が入社と同時に退社して、それにもびっくりしてるよなぁ!!


そんなお前に鬼人事がレクチャーしてやるからな。よ~く聞いとけ!

就業規則は端から端まで読め!

就業規則、賃金規定、旅費規程、規程、規程、規程、、、


お前はすげー避けてると思う。いわゆる法律系が大嫌いだもんな!!


でもな、就業規則は必ず穴が空くほど読んどけ。


お前は就業規則を「会社の決まり=校則みたいなもの」と勘違いしてると思う。


けどな、実際は就業規則は「会社の決まり=従業員の権利の章典」なんだ。


会社にとって有利な権利や従業員の義務ってのは、皆教えてくれる。


始業時間とか、懲戒規定とかな。


だけどな、会社にとって不利な義務や従業員の権利ってのは、先輩自らは教えてくれん


旅費規程には「泊まり勤務手当」とか「出張手当」とかあるが、先輩は聞かれなければ教えてくれないぞ!


お前は女じゃないから関係ないが、通称「生理休暇(しかも有給!)」なんてものもあるんだぞ。


でもな、お前の居る会社は部門ごとの独立採算だから、経費が掛かることはあまり教えてくれないんだ。


社長が「従業員は働かせてナンボ」な考え方をしていたら、「従業員を休ませる義務」的なものは先輩サラリーマンは教えてくれないんだ!


だから、自分で速攻調べるんだ!!全身全霊全力で自分で調べろ!!


学校じゃないんだから、向こうから自分に有利な権利を教えてくれたりはしない。


っていうか学校ですら生徒に有利で、教師に不利な規則は教えてくれなかっったじゃないか。


だから自分の権利は調べ尽くすんだ!っていうか、自分で調べるしかないんだ!

ナメられない社員になれ!

労働者の権利はだいたい会社の義務と表裏一体だ。


だから、労働者の権利を知らないでいると、会社は平気で義務を怠ってくると心得よ!!


・始業前の朝礼なんか朝飯前だ!
・終業後のサービス残業なんて昼飯前だ!
・有給消化に対するプレッシャーなんて晩飯前だ!


だから、労働者の権利を全力で調べあげ、会社の義務を熟知するんだ!


会社の(従業員に対して果たすべき)義務を全力で調べあげたうえで、ただしこれだけは守れ!


むやみやたらと権利を主張はするな!


むやみやたらと権利を主張する奴で仕事が出来たり尊敬できたりする人間を、俺は一人も見なかった。


恐らくこれからも一人も見ることはないだろう!


だから、むやみやたらと権利を主張する事は控えろ!


そして新人のうちは力を蓄えるのが正しく、たくましい方法だ。


だが、権利は主張しない代わりに


「会社の(従業員に対して果たすべき)義務は知り尽くしていますが何か?」


な態度は決して崩すな!


例えば、「朝礼やるから出てこい!」と言われたら


「その言い方ですと出勤命令となりませんか?^^;」と一言聞いてみるんだ。


「朝礼では私的な要件でなく、業務内容について打ち合わせをするんですよね?^^;」と聞いてみても良い。


要は「こいつは労基法や就業規則を知り尽くしている底知れぬヤツ」と上司に思わせれば正解だ。


だが、何度も言うが、むやみに権利を主張する事だけはするな!


「始業時間は9時なので、朝礼はそれ以降にお願いします。」はNGだ!


ヒヨッ子ぴよぴよな新入社員如きが権利を主張してくる事ほどめんどくさい事はない


めんどくさい奴は先輩にシカトされて終わりだ!


そういう奴に先輩は必要な情報すら与えてくれなくなる。


いちいち権利を主張してくる奴に情報を与える奴は居ない。


そうなると困るのは自分だ!


「知らせてくれなかった」と先輩を責めても良いが、先輩と自分との市場価値を比べると


先輩を責めると断罪されるのは自分だ!


そこは学校ではない。会社だ。利益を出す者のユートピアだ。


逆を言えば、会社とは利益を出さない者にとっては地獄なのだ


だから、自分より利益を出している先輩に不用意に嫌われてはならないのだ。


だから「自分の権利は知ってるけど妥協や配慮は人並み以上にできるヤツ」と先輩に思わせる


そして、好かれないまでも、嫌われない。ナメられない。それが目指すべきゴールだ!!

労基法は気合・鬼合・喜愛で学べ!

就業規則を隅々まで読む事でナメられないお前の人生がスタートするんだ!


「会社(というか先輩)は義務を無視してオレに命令してきてる。けど大人なオレは甘んじて受け入れるぜ!」


そういう境地に立てればもうほぼ完成だ!


そして更に完成させるために、労働基準法を極めろ!


気合・鬼合・喜愛で学べ!


労働基準法、略して労基法は、お前の「権利の章典」だ!


その威力はいかなる企業・いかなる経営者・いかなる先輩より


圧倒的に強いんだ!


就業規則は「なんちゃって従業員代表者*1」の合意で経営者の恣意的に改変する事が出来る。


社内の労働組合があれば別だが、労働組合のない会社の就業規則は経営者の恣意が多分に入っていると心得よ!


そしてその恣意が、善意*2か故意か、この権利の大章典を犯している事がままある


特にワンマン一族経営企業やカリスマ経営者が居る企業、未上場企業、サラリーマン人事*3が居る企業は要注意だ。


就業規則(や賃金規定など諸規定)が労基法を全うしている、なんて甘い考えを棄てるんだ!


権利を侵害されている。そしてそれに気付かない。どころか、後輩の権利も侵害する(経営者による権利侵害に加担する)


そんな人材になりたいのか??嫌だろう?!!


だから全力で勉強して、全力で自分の権利を認識するんだ!


まずは、認識だ!


そして次に、妥協だ!


妥協ラインは自分で決めろ!相手に妥協ラインを決められるな!


主導権を握れ!


労働契約を含め、契約事では主導権を握った方が常に勝つのだ!


「労基署に駆け込めますが何か?」
「当社の規則が労基法○条に違反していることを知ってますが何か?」
「労基法違反による少額損害賠償請求できますが何か?」


これらは交渉の主導権を握るための重要なカードだ!会社に好き勝手やらせないための、言うならば抑止力だ!


だが、何遍も同様なことを言うが、抑止力はチラつかせるからこそ抑止力だ。


お前みたいな専門知識もないぴよぴよな新人が即行使する愚は絶対に控えろよ!


抑止力であるはずの核ミサイルを本当に敵対国にぶっ放してみたらどういう状況になるか。


お前ならそれを想像できるはずだ。






以上だ。


お前は「おっさんの偉そうな説教」と思うかもしれない。


だが、権利を知らない・知っても妥協しない労働者がどういう末路を迎えたか、人事として10年近く見てきたんだ。


お前にはそういう悲惨な末路を迎えてほしくはない。


自分で武装するしか無いんだ。会社に敵対されたら、同期も同僚もだれも助けてくれない!


会社とは「敵対しない」と同時に「ナメられない」、適度な距離感が大切だ。

*1:総務や人事など、経営者に近い立場にある部署が推薦した「経営者に楯突かない気弱で無知な者。」しばしばその立場の意義や権利などのなんの説明のないまま立候補を強制され、これまた何の説明もなく総務や経理から回される各種協定書に自署する事を促される役割を負う。もちろん違法

*2:ここでは「改変者が、当該改変行為を労基法で禁止されてるとは知らなかった」という意味

*3:ことさら経営者に楯突かない総務部や人事部

アリさんマークの問題点を鬼人事が考える

アリさんマークの引越社のブラック企業ぶりが話題を呼んでいますね。
news.careerconnection.jp


記事は労働者側に立った一方的なものなので、真実はどうかは分かりませんので5割引き位で見たほうが良いでしょうが、記事中の小栗さん(仮名)の訴える同社の問題点は、30名からの集団訴訟が起こされているという観点からほぼ間違いないと思います。特に以下の点は人事からすると全く理解できない点です。何でこんな状態を放置した(もしくは意図的に作った)のかよく分かりません。

今回はどこらへんが人事的に見てダメダメなのかを、記事を引用しながら見ていきます。

月の所定労働時間外労働時間数(いわゆる残業時間)が過労死ラインを超えている

カメラに映し出された小栗さんのある月の給与明細には、月の残業が147時間(総労働時間は342.8時間)と記されている。これは国が基準とする過労死ラインの100時間をゆうに超える。

過労死ラインは残業時間が1ヶ月100時間以上、もしくは、6ヶ月平均80時間以上なので、月の残業が147時間の時点でアウトです。

給与明細に労働時間が書かれてしまっていますね。これは「会社がその時間働かせた事を会社が証明している」ということですから、この点は言い逃れできません。なぜ、正直に残業時間を書いてしまったのでしょうか??残業時間を偽って記載し、見かけ上過労死ラインを下回るように細工すらしなかったのは人事としては呆れますね。

いや、違法行為をしなかったというのに呆れてるのではないです。「147時間の残業時間が記された給与明細書」がいかにヤバいのかを認識していない人事部と経営者に呆れます。その程度の認識で人事や経営者をやっていたんでしょうかね。

ちなみに私が人事だった頃には「残業時間が45時間を超えた者」は逐次マークし、恒常的に45時間を超えている者(1年で6ヶ月以上)を出している部署に対しては人事課長が事情聴取をしていました。人事ならばそれくらいやって当たり前です。*1

特別条項付き36協定の限度を超えている可能性が高い

従業員と会社が雇用契約を結んでいる以上、どんな方法を使っても月の残業時間が45時間を超えて良いのは年6ヶ月までです。1月から6月まで、毎月残業時間が46時間以上だったとしたら、7月~12月の毎月の残業時間は45時間以下に抑えなくてはなりません。平均ではなく、超えている月が6回を超えるとNGという事です。

さて、月の残業が147時間というのを平気で給与明細書に印字してくる企業が、1年の内、半年間は月の残業時間を45時間以内に抑えられているかには大きな疑問を残します。その差は100時間です。所定労働日数が21日だとすると、1日あたり5時間弱の労働時間の削減をしなければなりません。これって、作業員も事務員も経営者も人事担当者もメチャクチャ負担ですよ??

例えば引っ越し業界の繁忙期は3月だと思うのですが、3月に342時間も社員を働かせながら、9月のような閑散期に100時間も労働時間を削るんです。法定休日を週1日入れて、所定労働時間を8時間、所定労働時間外で147時間働かせると、大体日曜日~土曜日(木曜日法定休)で毎日8時~23時(休憩1時間)まで働かせていることになります。一方で、労働時間を242時間に削減すると、週休二日で日曜日~土曜日(水曜日所定休日・木曜日法定休日)で毎日8時~20時(休憩1時間)になります。

  • 繁忙期:8時~23時勤務 木曜休 → 30日続く
  • 閑散期:8時~20時勤務 水木曜休 → 30日続く

ね?労働者にとってはかなりの生活スタイルの変化ですよね。そんな働き方を従業員全体にさせるのは、管理上相当無理があります。生活スタイルの変化に体調不良者や遅刻者、欠勤者が続出し、人事や現場責任者も勤怠管理が煩雑になります。バイトを雇うにも彼らを管理する者の残業を45時間以内に抑えないといけない月が半年はあるのです。

一番いいのは、毎月毎日コンスタントに同じ時間だけ働いてもらうです。そうすればシステムは「いち日●時間勤務、ひと月●時間勤務が前提」で組めば良い事になります。さて、どうやら147時間働かせていることは事実なので、ある月は残業を100時間減らす、というよりも「いち日15時間勤務、ひと月340時間勤務が前提」という方が現実性がありますね。実際どうなのかは気になるところですねー。

最低賃金大丈夫か?

しかしこれだけ働いても、手にする給与は27万円余りだ。

給与が27万が手取りだとすると、税引き前給与は35万円前後だったと考えられます(根拠参照)。そこで、これを所定労働時間+残業時間で割り、割増賃金*2を考慮すると、874円で35万円となります。ちなみに、深夜手当、法定休日出勤手当は加味していませんので、それらが加わると874円よりも時給が下がります

東京都の平成26年の最低賃金は888円でしたから、もし小栗さんを東京で雇っていたら最賃法違反に当たる可能性が出てきます。まぁ小栗さんの給与や扶養家族、生命保険や地震保険などの情報を見ていないので、実際には誤差があると思います。ただ確かに言えることは、最低賃金スレスレで酷使されていたのは間違いありません。私見ですが、最低賃金で働かせていたか、「登録料」などの名目で給与から違法な天引きをしていた可能性もあると思います。

【根拠】

  • 所得税8,000円程(扶養家族0、その月の社会保険料等控除後の給与等の金額が280,000~290,000円とする)

https://www.nta.go.jp/shiraberu/ippanjoho/pamph/gensen/zeigakuhyo2013/data/01.pdf

  • 厚生年金保険料が29,705円(標準報酬月額340,000円)

https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20140808.files/00000212326QlC7K0yfd.pdf

  • 健康保険16,949円(標準報酬月額340,000円,介護保険第2号被保険者に該当しない)

https://www.kyoukaikenpo.or.jp/~/media/Files/shared/hokenryouritu/h26/noukokuyou9gatukaitei/13toukyou.pdf

  • 雇用保険料1,750円(報酬350,000円)

http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11600000-Shokugyouanteikyoku/0000042712.pdf

  • 住民税が16,000円程(年収420万、扶養家族無し、生命保険等控除無し)

住民税額の計算方法 | 住民税の解説サイト

就業中の賠償責任を従業員に負担させるのは相当難しい

さらには業務中に車両事故が起きても、個人に高額な弁償金を背負わす有様だ。小栗さんは事故の弁償金48万円を会社から請求され、会社に借金するカタチで負担した。その際、会社が加入しているはずの保険のことなどは何も教えてもらえなかったという。

これは非~~~~~常にアカンです。従業員のミスによる損害を、従業員個人に負わせる事は判例上非常に難しいです。
www.jil.go.jp

労働裁判の基本的なスタンスは「経済的な弱者である労働者の利益に」です。当件では、例え小栗さんの不注意による損害が生じたとしても、月給以上の損害賠償を請求されることはまずありえないと言えます。

労働基準法上の懲戒処分では日給の半分、もしくは、それを積み重ねて月給の10%を超える減給は出来ないとされています(法91条)。その理由は、余りにも大きな額の減給を課してしまうと、労働者の日常生活に支障をきたすことにあります。故に、損害賠償が裁かれる民事裁判上でも、業務上横領などの重大な刑法違反や、自己の利益のために*3顧客情報転売などの行為以外に、従業員に莫大な損害賠償を課す判例は1つもありません。

これは考えてみれば当たり前で、会社に与えた損害を従業員が保証しないといけない事がまかり通れば、会社のパソコンを使用している人は常にパソコンの弁償リスクを負うことになり、営業車を使用している営業担当は常に車の弁償リスクを負うことになり、投資ファンドで働く人は常に投資の損失リスクを負うことになります。しかも一方で、従業員が損害賠償リスクを全て負うことになれば、経営者は何のリスクも負わずに投資した利益を回収することになります。これは法律の考え方の根底にある「弱者保護」の観点に真っ向から対立するものになります。

月給が35万円、手取りが27万円程の小栗さんにとって妥当な制裁が減給だとすれば「減給1ヶ月」で27,000円余りです。これ以上の金額を請求することは、例えかなりの損害が出ていたとしても相当難しいです。

しかも減給が妥当かどうかは別問題です。まず過労死ラインを超えた残業をさせている事から労働安全衛生法第三条の「安全配慮義務違反」に問われる事は確定ですし、「会社が加入しているはずの(損害)保険のことなど何も教えてもらえなかった」とありますから、減給の妥当性もかなり疑問が生じます。私見ですが、例え小栗さんの勤怠が不良でも彼に月給の倍ほどの賠償責任を負わせる事は無理だと断言できます。

突っ込みどころ満載な事を経営者が理解していない

アリさんマークの引越社の人事部はこのようなずさんな労務管理をしている事に対しての訴訟リスクは承知していたと思います。ですが、オーナーが絶対的な権力を持っている企業では、人事部の意見はしばしば封殺され、労基法違反が横行するようになるみたいです。労基法軽視の経営者の下で働く人事部員は本当に可哀想です。お疲れ様です。

*1:まぁ、やり方を間違えればサービス残業が横行するようになりますが・・・。

*2:深夜手当、法定休日手当、などあるが単純化する為に残業時間に一律25%、60時間以上残業分に50%

*3:違法ソフトの使用など、公的な告発であれば話は別

選挙権要らないから、税配分選択権をくれ!

ふるさと納税が大流行ですね!
www.soumu.go.jp


ふるさと納税とは、簡単に言うと税金の一部の支払い先を自分で決められるという事。*1

そこでふと、思ったんです。

全部は無理でも半分くらいの税金は国民が納付先を決められるようになればどうかと。
さらに思ったんです。納付先より配分先を自分たちで決められたらどうだろうと。

つまり、税配分選択権を有権者に与えたらどうかと。

これ、スゲー良いアイデアだと思います。

税配分選択権の要件

  1. 有権者とは、公職選挙法に定義される有権者と同義
  2. 公的機関とは中央省庁の「局」レベルを原則とする
  3. 有権者は日本国内の公的機関に対し、1つを税配分先として指定する権利を持つ
  4. 税配分選択権については、年1回の秘密選挙によって投票とする
  5. 税配分選択権の自由に対しては国が保証し、贈収賄や恐喝など、それを阻害する行為に対しては公職選挙法に準じ罰する
  6. 税配分選択権の得票率に応じて、徴収所得税額の半分を配分する
  7. 税配分選択権は所得税の多寡にかかわらず、有権者が1票を持つとする

つまり、今まで通り所得税は徴収されますが、その配分は国会に任せるのではなく、半分は自分たちで決められるということです。納税額の多寡にかかわらず。

そして、例えば経産省特許庁が「税配分選択権」で10%の得票を獲れば、単純に所得税収の50%の10%、つまり5%を配分していきます。いわゆる死に票もないですね。

税配分選択権のメリット

この税配分選択権のメリットは少なくとも3つあります。いずれも大きい!

1.国民が納税先(政治)を真剣に見ることになります
これが一番効果が高いでしょう。所得税の半分と言えば、月給20万円の人でも毎月4,000円位の配分先を自分で選ぶことになります。

つまり、毎月4,000円程の使い道を選択できるのです。

ワクワクしませんか??

  • 無駄な道路工事をしている国土交通省都市局
  • ブラック企業を放置する厚生労働省労働基準局
  • 巨額の赤字を抱えつつも公務員に高給を与え続ける人事局

※実際にこれらの部局に決定権があるのかは不明です

などなど、あまり効果的に資本を働かせていないと見受けられる部局については、税配分選択権を基に「No!」を叩きつけることも可能です。

ちなみに、個人的には労働基準局か国税局に税配分選択権で一票入れますね(笑)

2.政治が分かりやすくなります
2番目に大きなメリットはこれです。

税金とは「役人のお給料」ではなく「国民からの出資」です。

いや、そうあるべきです(笑)

国民が税金を払う理由は「自分や家族が良い暮らしをする」ためです。もっと言えば「払った金額以上の公的サービスを受け取る事」です。

「払った金額以上の公的サービスが受けられない」のであれば、国民の暮らしを国が邪魔していることになります。


先に「無駄な道路工事をしている国土交通省都市局」と書きました。

が、同時に「※実際にこれらの部局に決定権があるのかは不明です」と付しました。

例えば、東京都新宿区の道路工事を指揮しているのがどこなのか分からないのです。

東京都土木課?それとも、首都の一等地だから国土交通省?

つまり、どこの省庁がどんな決定をしているか分かりにくいんです。


出資者たる国民が、出資先の公的機関が何をやっているのか、誰がどんな判断をしているのか、それが分からないのは大変不健康だとは思いませんか??

株式投資に例えるなら、「100万円投資しなければならないが、どんな会社があるか、どんな事をやっているか、わからない会社だらけ」なのです。異常ですよね??

これって凄く問題だと思います。

しかーし、私達国民が税配分選択権を持てば、嫌でも情報は開示されます。

株式投資の現場を見てみれば、企業は投資家向けの広告(IR)を出して

・「自分たちはこんな事を実施してますよ」
・「自分たちの成果はこれですよ」
・「これからはこんな事をしたいですよ」

と投資家へ訴えかけてくると思います。

現に、ふるさと納税でも国民から選ばれる為、地方が必死にPRをしてきてますよね。

それを、例えば中央省庁の部局全体がするようになるんです。


こんな感じ↓↓

財務省国税局

・「私たちは大企業や金持ちから税金を巻き上げる事業をしてますよ!」
・「私たちは大企業や金持ちからこんなにお金を巻き上げました!」
・「これからは更に大企業や金持ちから税金を巻き上げたいと思います!」
※実際、キチンと巻き上げるかは別として

総務省統計局

・「私たちはどれ位公務員が高給取りか調査してますよ!」
・「私たちは公務員がメッチャクチャ高給取りである事を結論づけました!」
・「これからは国家公務員と地方公務員の格差を調査します!」
※実際、公務員は給与に見合わない仕事をしていますが・・・

防衛省防衛政策局

・「私たちは日米同盟の強化と思いやり予算推進事業をしてますよ!」
・「私たちは海外に派遣するまで自衛隊の軍備を強化させました!」
・「これからは更に蜜月な日米関係を堅持して国際貢献したい思います!」

・・・例を作ってて何ですが。すごく楽しいです(笑)

これが納税配分先選択権選挙前になると各部局から一斉に出るんです!

メッチャ面白いと思いませんか??

え?でも、国民に成果が分かりにくい省庁*2は不利ではないかって??

私に言わせてもらえば、投資家に分かりにくい事業をしている企業が必死に投資家にPRしている状況を少しは見習え!、です。

ブロックチェーンなんて、コアで難解なIT技術を把握していた投資家なんてほとんど居ません。ですが、株式市場ではブロックチェーン関連の投資が非常に盛んです

彼らは事業を市場に評価されなければそれを上手く展開できません。待っていても資金もチャンスも向こうからやっては来てくれません。

だから自らの事業を必死にPRして、こちらから市場評価を取りに行くのです。

ブロックチェーンとはなんぞや。
BitCoinとはなんぞや。
中央管理型から分散管理型のメリットはなんぞや。

そういった、極めて分かりにくい概念を、門外漢でも分かりやすく丁寧に解説して、自分の事業の支持につなげていっています。

一方、中央省庁は自らの事業をPRする市場は、敢えて言えば「国会」なので、出資者の国民に評価されなくても別に困りません。国会の族議員に認めてもらえればOK!

族議員に挨拶回りして、銀座の街に接待して、議員に対して便宜を図りはしても、わざわざ国民に対して評価を求めるような事をする動機付けが全くありません。

だから、国民=投資家となる事で、「国民に対して情報を開示して、評価してもらう」事に強烈な動機付けが生まれ、非常に分かりやすくなるのです。

3.省庁間での競争が激化する
最後はこれです。今の省庁の諸問題の発端は「安定にアグラ」です。

全然競争がないのです。そりゃそうです。公務員志望の理由が「安定性」という人達で運営されてきた訳ですから。

年功序列、身分保障、安定売上の3つが保証されていれば私だって競争をしようなんて考えません。

自ら競争の中に身をおいて、その競争の原理を自組織の業務改善や価値の創出につなげようなどという発想が、自組織からはほとんど起こりません。

そこに無理やり競争の原理を持ち込むわけです。

競争がある場所において、当然ながらその参加者は競争相手を見張る動きをします。見張るとは、不正をした場合にそれを告発する事を意味します。

例えば100人が徒競走で勝負したとしましょう。

皆が一生懸命走っている中、経産省中小企業庁君だけが自動車を使いました。

そうした「ズル」をした経産省中小企業庁君を皆が黙って見ているでしょうか??

当然、告発しますよね。あとは「皆でタクシーに乗らないように」「告発した者を罰しないように」監督すればOKです。参加者間で相互監視してくれます。

色々な告発が出てくると思いますよ~

  • 国土交通省は自動車安全特別会計があるんだから予算は要らないはずby厚労省
  • 総務省は税配分選択権システムに改ざんをしたよ!by国交省
  • 税配分選択権により配分された税金が、厚労省社員の退職金に消えました!by文科省

自分の省庁を管轄する30人にも満たない族議員の評価さえ得れば良い。一方で、1億人の有権者の評価を一定以上得る必要がある。

どちらが公明正大な、激烈苛烈な競争になるか、火を見るより明らかですね!

選挙権は要りません

政治家の持つ強い権限として、「予算案を審議し、承認する事」があります。

税配分選択権はその権限を半減させます。なので、政治家の意義も半減です。

今でさえ「誰がやっても政治は同じ」とか「元アイドル歌手が立候補!」な状況が政治を包んでいるので、いっそのこと、「選挙権」か「税配分選択権」を選べるようにしたら?

  • 被選挙権を行使して、自ら国に影響してみよう!という気概はないが
  • 難しい事は全部国にお任せ!というお人好しでもないし
  • 「誰か国を変えるようなヤツ立候補せーよ!」と思っている

そんな人多いんじゃないかな??

そういう人は「税配分選択権」を行使して、直接行政に影響しましょう!

私は「税配分選択権」を得られるなら、「選挙権」は要りません~(今のとこ笑)

*1:厳密には寄附ですが、所得税控除を目的とした寄附なので、実質所得税の納税先の選択といえます

*2:例えば宮内庁や環境省

女性専用車両を使わない理由は?

※私は痴漢対策には大賛成ですが、女性専用車導入には大反対です

私が通勤電車を利用していて不思議に思うことがあります。

タイトルの通りですが、なぜ女性は積極的に女性専用車両(という名前の誰でも乗れる一般車両)に乗ろうとしないのでしょうか??

男性は女性専用車の何に協力しているのか

男性は喜んで、喜々として通勤電車の一車両を空け、その車両を女性専用車として運用させることに協力しているわけではありません。

スッカスカの女性専用車両運行の為に、より混雑する他の車両に喜んで乗り込むマゾっぷり全開な男性は誰も居ません。(痴漢を除いて)

いやいやながらも、痴漢被害にあう女性が一人でも減ったら!という思いやりから、善意から協力しています。

つまり女性専用車が出来る事によって以下の様な女性が増えれば幸いだと思って、嫌々ながらも自分たちの権利の制限を受け入れているのです。

  1. 昨日電車で痴漢をされた。家を出るのも難しいくらい凹む、落ち込む
  2. ホームに着いた。男がウジャウジャ居る
  3. また痴漢されるかも。恐怖で震える
  4. 女性専用車があった!これで少なくとも電車内で痴漢にあうことはない!
  5. 良かった!乗ろう!

こういう光景を期待しているからこそ、協力しているわけです。

しかし、現実には女性専用車にはまだ乗れるスペースはあるのに、そこに乗っていない若い女性がウジャウジャいます。どゆこと、これ??

なぜ、女性専用車に乗らないの?

永遠の謎です。なぜ、女性専用車に若い女性が乗らないの?女性専用車空いてますけどー

http://girlschannel.net/show_image/117296/71/0/

現実にも、写真にも、空いてる女性専用車(例えば1号車)に乗らず、わざわざ混んでる隣の車両(例えば2号車)に乗り込む若い女性も居ます。

どういう事ですかね、これ??

こんな事言うと大変波紋を呼んでしまうのでしょうけど、痴漢されたいんですか??

そんな女性は一人も居ないはずです。しかし女性専用車に乗れば、痴漢にはほとんど遭わないんですよ?なのになぜ女性専用車に乗らないの??

ほんとーに不思議。

ちなみに、それにズバリ答えてくれているQ&Aもあります。が、これもほんとーに理解出来ません。
detail.chiebukuro.yahoo.co.jp

痴漢の怖さ < 女性専用車の怖さ?

上のQ&Aは色んな意味で非常に良い回答なので、「女性の皆さんが女性専用車両を使いたくないことはありますでしょうか?その理由は何でしょうか?」という質問に対するベストアンサーを全文引用します。

自分は混んでいる時ものりません。
女性ですが、女性車両が嫌いですし、他の女性が乗るのは関係ないですが自分はのりません。化粧臭いし、香水の臭いも強いと聞きました。(のった事ないから知らないけど)
私だけではなく、友人ものりません。

結構、電車通勤、通学してきましたが今まで痴漢にあった事もないし、これからもあうとは思いません
残念ながら痴漢にあうほど美人ではありませんw
それに、女性車両だけを作るのは可笑しいです。
男性車両も作った方がいいのではないですか?最近、痴漢の冤罪が増えていますね。
自分は男性じゃないんですけど、男性の方が可哀想に思えます。
ちなみに女性だけが電車で不愉快な思いをすると考えるのは間違っています。男性だって痴漢にあう人はいるし男性という理由だけで、他の人に痴漢にあったなんて言えません。車椅子で大変な人もいます。年寄りの人だっています。
年寄り車両とか障害者車両はないのに、女性車両だけはある。自分には理解できません。
女性車両はすいていますが、他の男性が混みこみの車両で汗を流しているのに女性の自分は女性車両。
自分は、ちょっとそういった事ができないんです。
それに女性車両にのったからって他の被害にあわれないとは限りませんよ。スリにあうかもしれないし、混んでいる時なんか怪我をする恐れがあります。(私は、混んでいる時、女性に蹴られた事がありました)
外出している以上、どんな危険が外で待ち受けているかわかりません。運が悪かったら基地外に殺されるかもしれない時代です。
痴漢より、私はそっちの方が怖いですね。
自分は、いつも普通車両にのっていますが、スリとか怪しい人は警戒しているつもりです。こんな事は当たり前です。どの車両とか関係ないでしょう?
なので私は女性車両にはのりません。男性と一緒の立場で、同じ場で自分の身は自分で守ります。
女性車両にのりたい人はのればいいし、もちろん批判はしませんが、私は絶対、のりません。

※赤字は著者注

要するに、女性専用車に敢えて乗らない理由は「嫌だから」って言うことでしょうか??

痴漢にあう恐ろしさ、恐怖って「嫌だから」という理由に負けるってことですか??

そうだとしたら、男性にとってみればひどい話です。

私達男性は痴漢などの「性犯罪は極悪罪である」かのような教育を受けています。*1
男性が性犯罪の被害者になる可能性は比較的少ないので、性犯罪の被害者になった女性の気持ちは分かりません。

そこは想像するしかありません。「きっと、ご飯が喉も通らない位、凹むのではないか」「一生のトラウマとして引きずるほど精神的ショックを受けるのではないか」と。

だから女性から「お願い!女性専用車を作って!」と言われれば、普通の男性は「可哀想に・・・仕方ないよね。良いよ、作ろう」と言うと思います。だから私のように女性専用車に反対している人はまだ少数派なのです。

男性の脳みそ:痴漢被害の怖さ >>>> 香水の臭い・女性同士の陰険さ

でも現実には女性専用車が空いているにもかかわらず、それに乗らない若い女性がたくさんいる。それってつまり・・・

女性の脳みそ:痴漢被害の怖さ < 香水の臭い・女性同士の陰険さ

ってことですか??

もちろん、女性専用車に乗り続けている女性は、男性の脳みそと同じく、痴漢被害は相当怖いものと思ってそれに乗り続けているのでしょう。

分からないのは、敢えて女性専用車に乗り込もうとしない若い女性の考え方です。電車内での痴漢ではそんなに凹まないっていうこと?

「極悪な性犯罪」からほぼフリーになるんですよ?香水の臭い位は耐えられません??

私がいじめられっ子だった時に、「1日いじめっ子に会わない券」を貰えるのであれば、香水とか、いじめられっ子同士の陰険さとか、毎日1時間でも全然我慢できると思いますが・・・。

男性の善意を忘れないでね

私は女性専用車は大反対ですが、それは現状の女性専用車の運用方法では「痴漢被害は減らない」からです。

だって、女性専用車以外にターゲットの女性がいっぱい乗っていますもん。

ターゲットが今までどおり痴漢の前に立っていれば、それは痴漢被害は減りません。当たり前です。だから、ターゲットと痴漢を遠ざけるようにする必要がありますが、それが女性専用車の役割ではないですか。

でも実際は女性専用車に乗ろうとしない女性がたくさんいるとしたら、私達男性は何のために女性専用車に協力をしているのか、何のために1車両使えなくなる*2状況に甘んじているのか、わからなくなります。

男性は協力する意志があろうとなかろうと、実質的に1車両使えなくなるという不利益を強制されています。

女性も同じように痴漢被害を減らすための協力をしてください。痴漢は男性だけの問題ではなく社会問題です。*3だから老いも若きも女性も男性も全員で痴漢被害を減らす努力をするべきではないですか??

それなのに「嫌だから」という理由で女性専用車を利用しない若い女性(や「空いてて快適だから」という理由で利用する40代以上の女性)がどれほど男性の善意をないがしろにしているか、ガッカリさせているか理解して欲しいと思います。

つまり

  • 若い女性は積極的に女性専用車を利用する*4
  • 30歳超えた女性は女性専用車を利用を控え、10~20代の女性に譲る
  • 若い女性が女性専用車内を利用しやすいように、女性同士で殊更エチケット・マナーを徹底する

くらいはやってほしいと思います。

もう一度言いますが、男性は半ば強制的に女性専用車に協力させられているんです。それは社会問題だから仕方ないです。ならば女性も協力してください*5

*1:パワハラと性犯罪を同時に犯した橋本聖子議員は議員辞職をしてないので極悪罪ではないようですね

*2:厳密には女性専用車に男性も乗れるが、極めて乗りにくくなる

*3:売春も女性問題ではなく社会問題でしょ??

*4:若いってだけで痴漢に狙われる場合があります

*5:再度言うが、痴漢は男性の問題ではなく社会問題なので、男性だけ我慢しろ!は強弁。それが通用するなら、女性が引き起こす売春問題は女性だけに責任を押し付け、男性は知らんぷりがまかり通ることになる

上司に好かれても出世できない人、嫌われても出世出来る人

世の中には驚くほど速く出世する人と、驚くほど出世しない人に分かれます。出世する人の共通点はそれぞれ状況によって枝葉は違うと思いますが、太い部分では一致していて、それがだんだんみえてきました。

職場では良い人で人気者で同僚へのお土産とか欠かさない人なのに、なぜか万年平社員の人。とっつきにくくどちらかといえば嫌われ者なのに、なぜか出世をする人。

「普段の彼(彼女)の態度を見て昇進とか決めてほしい!」と嘆いている人も多いと思います。・・・が、上司はたいてい普段の彼の態度を見て昇進を決めていますよ。

ではどんな態度を評価して昇進などを決めているのでしょうか。

その詳細をこれから説明するわけですが、それは単に「相性が合う」とか「仕事のやり方が同じ」とか「任された仕事をしっかりやる」とかではありません。

もちろん「上司が部下の事を個人的に好きだから」というものでもありません

価値の無い仕事を上司から積極的に奪う部下が出世する

これです。ほんと~~~にこれだけです。

どういう事かを説明する前に、「仕事の価値」というものを理解しなければなりません。

仕事の価値とは、

  • どれだけ売り上げを挙げるか
  • どれだけ経費を圧縮できるか
  • どれだけお金を調達できるか(信用を得られるか)

で判定されます。

お茶くみのような雑用から、コピー機の入れ替え、就業規則の改定、取締役会に至るまで、すべてこの3つの尺度で仕事の価値は図れます。

取締役会は取締役の選定や株式にかかわる重要事項を決定しますので、売上・経費・調達のすべてに大きな影響力を与えます。つまり、それだけ価値が高い仕事です。

一方で、お茶くみは売上・経費・調達に影響は与えども、それは比較的小さく、よって価値が低い仕事と言えます。

もう少し端的に言うと、それを失敗したとして、どれ位売上・経費・調達に影響があるかが仕事の価値だと思ってください。

お茶くみは失敗したとしても、お客様に土下座して謝れば多少は挽回できますし、最悪そのお客様と縁が切れても、売上すべてを持っていかれるわけではないです。

一方で、取締役会で変な社長を選任してしまったら、もしくは、変な企業へ株式を譲渡してしまったら、1年経たずに会社が傾いてしまう事も十分あり得ます。


ここまで良いですか?


さて、上司が抱えている仕事は、部下より、平均値では高い価値を帯びています。しかし、あくまでも平均値であって、何が何でも全て高い価値の仕事ではありません。

たとえば、就業規則の改定は非常に価値の高い仕事ですが、その仕事の中でも価値の最も高いのは「内容の作成」であり、一方で「内容の周知」は比較的価値は低いです。

だから、部下としては積極的に「内容の周知」を引き受け、上司には「内容の作成」に注力してもらうのです。そうすれば、部下は必ず上司に好かれます。

どんなに感情的に嫌われていても、ウマが合わなくても、価値の低い仕事を上司から奪う事を続けていれば、必ず出世します。

理由を説明しますね。

仕事というのはチームで成果を出す事です。誰か一人が成果を上げても他が下がれば意味がないですし、チームでの成績を上げるために一人が犠牲になるのは仕方ないです。

野球でいえば、極めて優秀でも監督に逆らうピッチャーや打者は干されますし、点を取るために個人を消して犠牲フライとか送りバントも普通にします。

チームが成果を出すためにはどれだけ価値の高い仕事を、いかに正確にしていく事が肝心です。そして価値の高い仕事ができるのは、チームでは上司だけです。*1

つまり、部下が上司から価値の低い仕事を奪えば奪うほど、上司は価値の高い仕事に取り組む時間と思考が増え、結果として価値の高い仕事に対するクオリティが上がります。

時系列で書くとこんな感じです。

  • 部下が上司の価値の低い仕事を奪う →
  • 上司はより価値の高い仕事に時間と思考を割けるようになる →
  • 上司が取り組む価値の高い仕事のクオリティが上がる →
  • チーム全体として仕事の価値が上がる

実際私は「始業時間前に会社に出勤しない」という態度を貫いていますから始業ギリギリに出社しますが、それを上司が面白くないと思っているのも知っています。感情的には上司にあまり好かれていないだろうなーとも感じています。*2

しかし、価値の低い仕事を上司からどんどん奪おう!という態度で仕事をする結果、役付きと共に上司の一番近くの席に移動する事になるのです。

価値の無い仕事を増やす部下は最悪

反対に上司に価値の低い仕事を押しつける、価値の低い仕事を生む部下は最悪です。

  • たとえばお茶汲み・来客対応を上司にやらせてしまう。
  • 書類の印刷や集計、整理整頓を上司にやらせてしまう。
  • 部下の電話対応の拙さのせいで、お客様のクレームを生む。

あなたはそういう事を上司に依頼もしくはフォローされていませんか?

こういうチームは生み出す仕事の価値が著しく低いです。そこでは上司は価値の低い業務に携わらずを得ず、結果として上司の評価も、チームの評価も上がりません。

「こんな仕事をやってる場合じゃないんだけどな・・・」と上司は常々思っているはずです。上司も分かっています。ですが、部下がそういう価値の低い仕事をどんどん持ってくるため、どうにもならないのです。

もし、特定の部下だけにこのような兆候が見られた場合、上司はその部下を無視し排除する方向に動くはずです。趣味や嗜好の相性がいくら良い部下であったとしても、価値の低い仕事を持ってくる部下に対しては、上司としては遠ざけようとするのは当たり前です。

あなたの周りにもいませんか?

めんどくさい雑用を理由を付けてひたすら拒む人。そして仕方なく周りが仕事を肩代わりした事に対して「仕事しなくてラッキー」と思っている人。

女性だけに限った話ではないですが勤続年数の長いお局さん的な人に多いですね。彼らは雑用を拒む事と引き換えに、出世やチーム内での待遇を完全に失っている訳です。

めんどくさい雑用ほど価値の低く誰もやりたがらない仕事はないです。それを部下が拒んで、結果的に上司にその仕事が行ったら最悪です。確実に上司から嫌われる部下になるでしょう。

上司が以下の言動をとって来た場合には要注意と思ってください。*3

  • 質問をしたら「それくらい自分で考えらんない?」と言われた*4
  • 雑用を振られなくなった。もしくは、自分を素通りして別の人に雑用を振るようになった*5
  • 仕事のやり方を聞くと「あー大丈夫。やっとくから置いといて」と言われて、その簡単な仕事を奪われた*6

※文章の横の数字にマウスのカーソルを置くと、上司の心が読めます

こういう状況になったら確実に赤信号です。安穏としたサラリーマン生活は満喫できるかもしれませんが、チーム内で尊敬されたり、役職が上がったり、価値の高い仕事を任されたり、自分の下に有望な部下がつく事は絶望的です。

一生窓際族、真っ先にリストラ対象となるお荷物社員決定です。

---

ちなみに、価値の高い仕事を上司から奪う事は慎重にしてください。

部下に価値の高い仕事を奪われた上司は、普通、より価値の高い仕事へ着手します。それはチームとしてより価値のある仕事へと処理能力がシフトしていく動きなので健全です。

しかし、上司に能力が無かったり、そもそもそんな仕事がなくて、より高い価値ある仕事へシフトしない場合には、上司からするとその部下は脅威に映ります。
当然、足を引っ張ってきたり、保身を図るべくその部下を切る事もあり得ます。

*1:部下の方が価値の高い仕事をしているチームもたまーにあるでしょうが、それはその上司が失格ですね

*2:超合理的な、転職組ですのでね・・・

*3:私がかつて受けた実例です笑

*4:程度の低い仕事の、程度の低いくだらん質問してくんなよ~

*5:あいつに頼むと枝葉末節まで説明しなきゃなんないからめんどくせー!

*6:程度の低い仕事すら自力で出来ない奴に、仕事を任せたら危ない所だった~!他の人に任せよう~!

他部署の業務を引き受ける事は全く会社のためにならない

「余裕がある時は他部署の業務を積極的に手伝う!」
「他部署が困っているのを放っておけない!」
という認識を持っている社会人のみなさん。


ちょっと、待って!


不用意に他部署を助ける事は、実は会社のためになりません。

その理由を以下に記します。

業務効率化のインセンティブが著しく損なわれる

これが一番重要です。

あなたが良かれと思ってやっている“助ける”という行動は業務効率化の芽を摘んでいます。

「余裕がある場合は他部署の仕事を助ける」とは、つまり、「自部署の仕事を終えれば、他部署の仕事が待っている」という事を意味します。

その状態は非常にマズいです。

たとえばマラソンをしているとしましょう。

「120分間、走れ!」と言われるのと、「42km、走れ!」と言われるのとでは、どちらが早く走れるようになるでしょうか。

また、「8時間働け!」と言われるのと、「自分の仕事だけをすべてこなせ!」と言われるのとでは、どちらが早く仕事をこなすようになるでしょうか。

「120分間、走れ」「8時間働け!」では、速く走れば走るほど、仕事の量をこなせばこなすほど、自分への負荷は増えていきます。

つまり、「120分間、走れ!」では、速く走れば走るほど疲れますし、「8時間働け!」でも人の2倍、3倍と働けばその分疲れます。

速く走る、倍働く、へのインセンティブがむしろマイナスに働いている状態です。

仕事自体が楽しくて楽しくてしょうがない!!という社畜以外はこのマイナスのインセンティブにより、なるべく遅く・少なく済ませようとします。

一方で「42km、走れ!」では、オリンピックに見るように、時間短縮の工夫=効率化が物凄く進みます。

時間を短縮すればするほど評価が上がり、本人にとっても栄誉や富といったプラス効果もあるのでそれが時間短縮のインセンティブにつながっています。

仕事でも同じで「自分の仕事だけをすべてこなせ!」では、早く終わらせれば終わらせる程評価され、かつ、自分のゆとり時間が増える(=時給が増える)というインセンティブが働くので業務改善が物凄く進みます。

しかし、「自分の仕事をこなしたら、他部署を助けろ!」ではどうでしょう。

早く終わらせれば終わらせる程評価されるという部分は変わらないかもしれませんが、自分のゆとり時間が増える(=時給が増える)というインセンティブが完全に失われてしまうので、業務改善は思うように進まなくなるのは当然です。

―――

また、他部署の仕事を助ける者だけではなく、仕事を助けてもらう者にとってもマイナスが大きいです。

それは「自分の仕事が終わらないでも、他部署が助けてくれるだろう」という期待が生まれてしまうからです。

「背水の陣」という言葉は聞いた事があると思います。

古代中国の戦国時代に韓信という軍人が居ました。

彼の軍隊は寄せ集めの少数の兵隊で、対する趙国の軍隊は大軍で精鋭ぞろいでした。

普通に戦えば壊滅必至ですが、彼は川の橋を敢えて壊し、その手前に陣地を築き、「退けば溺死」という状況を作りました。

結果は彼の軍は猛然と敵の精鋭軍に突撃し、ついに敵軍の大将を捕虜にしました。

ここで大事なのは「何が何でも自分がやらなくてはならない」という認識と、「誰かがやってくれるかもしれない」「やらなくても大丈夫かも?」という認識との差です。

この認識の差が顕著に表れるのが、仕事の準備や段取りの段階です。

「何が何でも自分がやらなくてはならない」場合には無理なスケジュールや、非効率な業務、価値を生まない仕事などを、計画の段階から徹底的に排除します。

だってそうですよね。結果が全部自分が行う仕事に降りかかるわけですから。

無理なスケジュールを組めば組むほど自分の帰宅時間が遅くなるわけです。

そこには圧倒的な業務改善インセンティブが生まれます。

一方で「自分の仕事が終わらないでも、他部署が助けてくれるだろう」という意識があればあるほど、このインセンティブが薄れます。

結果、無理なスケジュールを組んだり、非効率な業務をダラダラやったり、無駄な仕事をせっせとこなしたりして、「他部署に手伝ってもらう」という状況になりやすくなります。

そういう状況が会社にとって何のプラスにならないのは言うまでもありません。冷徹でも、決して助けないという姿勢が重要です。

専門特化集団のシナジー効果こそが組織の強み

なぜ多くの企業は組織を部署で分けているのでしょうか?

社長1人だけが社員ならまだしも、社員が10人も居れば営業担当、総務担当とその役割は分かれます。

なぜ役割を分けるのでしょうか?

全員が全員、営業も総務も経営も、少しずつやればいいと思いませんか?

しかし現実には組織が大きくなればなるほど、部署は細分化される方向に行きます。

なぜ??

これは野球で考えると分かりやすいです。

選手全員がイチロー選手のチームと、セ・リーグで最下位のチームとではどちらが強いでしょうか?

これは最下位のチームがボロ勝ちするはずです。

イチロー選手は走攻守に秀でた名選手ですが、彼よりもコントロールの良いピッチャー、パワーのある強打者、判断力に優れたキャッチャー、足の速い野手はたくさんいます。

そういった選手を集めてきて一つのチームを作ると、総体としてはイチロー9人のチームよりも強いものが出来上がるのです。

チームで働く場合は、各個人の各能力の平均値ではなく最大値がチームとしての実力になります

走力の無い人にはあまり走らせず、パワーのある人に4番を打ってもらう。
打たなければ行けない場面ではピッチャーから代打に打者を変更する。
ここぞという時に、先発投手からリリーフ投手に交代する。

そうやって自分の得意な能力を使い、自分の不得意な能力を使わない事で、なんでもソツなくこなせる個人の集団よりも優秀な成績を収める事が出来るのです。

それがシナジー効果と言われるものです。

野球と同様に、仕事でも営業担当者と経理担当者では求められる資質・知識は違います。

それ故、会社では業務によって部署をわけ、各々の部署で必要な資質・知識を洗い出します。

そしてそれらに個々人の得意な能力と知識をマッチングし、シナジー効果を最大限に発揮させるように適材適所を探る訳です。

チームを構成する個々人としては、自分が持つ長所を日々深化させ、その長所を存分に発揮する事で、チームの最大値を高くするわけです。

短所を補っていくのも悪くはない*1ですが、それよりも長所をどんどん深化させた方が、最大値が増える分、チームとしては強くなります。

前置きが長くなりましたが、他部署の業務を手伝うという事はつまり、パワーヒッターがピッチャーをやったり、ピッチャーが代打で4番を打ったりする事です

そんな野球チームありますか??

しかし、野球ではそういった他職種の業務を手伝う事は異常と映るのに、仕事になると、総務部が経理部の仕事を、経理部が営業部の仕事を手伝ったりするのが日常に見える場合がしばしばあります。

繰り返しになりますが、総務部と経理部とで必要とされる能力は、事務作業という共通部分はあるにしろ、専門知識を始めとしてほとんど違います。*2

他部署の仕事を手伝う事は要するに、その部署の部員より、比較的不慣れで適性に欠ける者が業務に携わる事を意味します。

それはチーム全体の仕事の質を悪化させ、余計な仕事の量を増やします。*3

これは経営的によろしくないのは言うまでもありません。

---

「自部署の業務改善によって余裕が出来たから、その余裕の範囲内で他部署を助ければ、チームの成績も良くなるのでは?」と思う方も居るかもしれません。

しかし、自部署の業務改善で余裕ができたのならば、自部署の更なる改善が先です。

なぜなら、自部署の業務改善は自部署しか出来ないから、また、自部署の長所を伸ばせるからです。

野球に例えると、チームで最速の代走要員が「100mを1秒速く走れるようになった!」のであれば、次に来るのは「よし!投力を鍛えて守備力を高めよう!」ではなく「もっと速く走れるようにしよう!」「走塁について勉強しよう!」ですね?

彼がいくら守備力を鍛えた所で、既に投力の高い選手は居る訳で、彼と同じようなパフォーマンスを出してチーム全体の守備力の向上に寄与できるには相当時間が掛かります。

同じように人事部だと「エクセルの資格を取って、業務スピードが上がって余裕ができた!」のであれば、次に来るのは「税理士の資格を取って経理部を助けよう!」ではなく、「社労士の資格を取ろう!」ですね?

既に経理部に経理のエキスパートが居るのだから、そのエキスパートと同等以上のパフォーマンスを出すにはこれも相当な時間が掛かります。*4

だから他部署に手を貸している暇があるなら、もっと自部署の改善を図る方がよほど効率的です。

あなたしかその仕事を出来ないのだから。優秀な投手には投手しか成れません。

会社全体の価値向上を考えるならば、他部署の仕事に手を貸している時間を自部署の価値向上に費やす。
そしてチーム全体としてのちからを高める方が正解です。

自部署の仕事をこなしながらも他部署の仕事が出来るほどの優秀な人材の、時間と思考を奪ってしまう

他部署から「手伝って!」と言われる社員はたいてい優秀です。

適当な指示でもその意味を汲み取って、ある程度形に仕上げてくるような人です。

やり方を事細かに説明しないと動かず、任された仕事に責任感を持てないような人には他部署から「手伝って!」などと声は掛かりません。

しかし、優秀な社員は自部署の仕事でも価値を生み出しているスターです。

他部署の仕事を手伝ってもらえばもらうほど、彼が本領を発揮できる自部署のフィールドで活躍する機会が減ります。

活躍する時間も減りますし、思考も他部署の仕事に奪われてしまいます。

優秀な人は他部署の仕事でも持ち前の思考力を使って「考えて」仕事をしてしまいます。

例えどんな単純作業でも「言われた事だけを、そこそこに」なんて考えられません。

「なんとか他部署の期待にこたえたい!助けたい!会社に貢献したい!」と思ってプラス思考で仕事に全力で、それこそ自部署の問題と並行するレベルで「考える」はずです。

だからこそ、そういう人に助っ人を頼むのでしょう。*5

しかし、他部署の人間が全うできる仕事に「考える」べき仕事はほとんどありません。

電話で連絡したり、パワーポイントを作ったり、エクセルで集計したりといったレベルです。

優秀な人が時間を割いて、そのレベルの仕事をいくら「考えて」も改善できる範囲はたかが知れています。

ワークフローを見直したり、仕事の目的を再定義したり、誰かを説得したり、そういった「考える」事によって1にも10000にもなるレベルの仕事に他部署の人間は携わる事は出来ないのです。

つまり、他部署の仕事を手伝うという事は、優秀な人の時間や思考を比較的価値のない仕事に奪われる事を意味します。

会社全体にとってそれは非常にもったいないですね。

ちなみにワークフローの改善など「考える」レベルの仕事を他部署に振ってしまうような部署は、存在価値が全くありません。

優秀な助っ人は、手伝いをしながらきっと「この部署を潰すにはどうすればよいか」を考えるに違いありません。


―――
以上です。

そうは言っても、他部署の業務を引き受けても良い場合があります。

100分掛かる作業を他部署がやっているのを見て「こうすれば10分で終わるのに・・・」と思った場合です。

この場合には積極的にアドバイスをして知識の共有を図ります。

確かに自部署に取り組む時間は1分減るかもしれませんが、他部署の仕事が大幅に効率化されます。

犠牲にする自部署に取り組む時間、と、他部署の改善効果、を冷静に見極めて、アドバイスをしていく。

これ位は引き受けても構わないと思います。

*1:もしも誰かが倒れた時にそれを補える

*2:大部分同じ能力が必要とされているのであれば、部署を分ける必要がありません。

*3:論理的思考能力に欠ける者にプログラミングさせてみればどうなるかを想像してください

*4:更には人事部の仕事をしながら、かつ、経理部のエキスパートと同じレベルを目指すわけですから、可能性にも疑問を生じますね

*5:ホリエモンこと堀江貴文さんは、収監中、囚人に課される雑務に業務改善を仕掛け、圧倒的なパフォーマンスを出した事は有名です

柔軟思考になる為のたった1つの心構え

柔軟に考えるってスゲー難しいように思えるし、それが出来てる人は余り居ないわけだけど実はたった一つだけの事を意識するだけで、驚くほど柔軟思考になります。

「自分はこの世の分かってる事の1%も分かってない」と常に意識する事

たったこれだけ。本当にこれだけ。しかし本当にこれを魂レベルで認識してしまうと、神経衰弱して死にかねないのでホドホドに。

なぜ、神経衰弱してしまうのか。たったこれだけの認識でなんで柔軟思考になれるのか、を説明します。

知っている事を科学的に検証をした人はほとんど居ない

以下は広く知られた、この世の分かってる事です。

  • 精製された石油は燃える
  • 血流が止まると生物は死ぬ
  • 車はエンジンやモーターで動く
  • 日本の夏は暑い

では、貴方はどれ位それらを科学的に検証してみたでしょう?

  • 原油を精製して石油を作り、それに着火して燃やした事がある
  • 失血死した他人を間近で見た事がある
  • 車を分解して、エンジンの回転と車輪の駆動の関連性を間近で見た事がある
  • 自分の生まれた年以前の過去100年間の日本の夏の気温の推移を調べた事ある、ってか、それを祖父母に聞いた事がある

・・・そういう経験あります??

んで、以下のような事を言う人が目の前に現れました。彼らに論理的・科学的に反証出来るでしょうか??

  • 精製された石油は燃えない
  • 血流の有無と生命維持に関連はない
  • 車のエンジンは動力ではない
  • 日本の夏は寒いのが普通

彼らが偉い学者様で、マスコミで大々的に発表しているなら反証も諦めるかもしれません。

しかし、自分の子どもや部下など立場の低い人から言われたら、きっとこう反論するはず。

「いや、違うよ。」と。
「石油は燃えるんだよ」と。

ただし、それを科学的に反証できない事は言うまでもありません。
これって、「知ってる」と言えるのでしょうか?

私達が本当に知っている知識ってどれ位?

では私達が確かに「そうだ!」言える知識はあるでしょうか?

  • 池袋駅前のアスファルトは硬い?
  • 人は喉が渇くし、腹も減る?
  • Excelの知識?

・・・そう、これ位のレベルでしか知りません。全知全能の神様から見たら、全然知らない。恐らくテレビでバカにするお馬鹿芸人の方が、私よりナンボか知っています。

ちなみに、柔らかいアスファルトもあるかもよ??(笑)

と言うわけで、自分が知っていると思っている知識でさえも、本当は誰もが「いや、違うよ」とは言えない、極めて言いにくい訳です。*1

物識りは居るけど、その知っている知識も、不確かな知識の上に建てた砂上の楼閣です。「石油は燃える」という砂が崩れてしまえば、物識りが建てた無数の楼閣も簡単に崩壊するでしょう。
だからこそ、何を、誰から聞いても「なるほど、あり得るかもね」と一旦聞く姿勢が必要なのです。

そして、そういう姿勢に立っていれば「俺の知識は大丈夫だろうか?」と自分の知識を常に疑うようになります。それが続くと、脳はあらゆる可能性を検証する癖が出来上がり、自然と柔軟な思考ができます。

ただし、究極、自分の存在自体も否定しかねない思索なのでホドホドでやめておきましょう(笑)それでも、おもいっきり思索したい方はデカルトを学んでください。

*1:ちなみにこれをデカルトは「我思う故に我あり」と言ったわけです