上司に好かれても出世できない人、嫌われても出世出来る人
世の中には驚くほど速く出世する人と、驚くほど出世しない人に分かれます。出世する人の共通点はそれぞれ状況によって枝葉は違うと思いますが、太い部分では一致していて、それがだんだんみえてきました。
職場では良い人で人気者で同僚へのお土産とか欠かさない人なのに、なぜか万年平社員の人。とっつきにくくどちらかといえば嫌われ者なのに、なぜか出世をする人。
「普段の彼(彼女)の態度を見て昇進とか決めてほしい!」と嘆いている人も多いと思います。・・・が、上司はたいてい普段の彼の態度を見て昇進を決めていますよ。
ではどんな態度を評価して昇進などを決めているのでしょうか。
その詳細をこれから説明するわけですが、それは単に「相性が合う」とか「仕事のやり方が同じ」とか「任された仕事をしっかりやる」とかではありません。
もちろん「上司が部下の事を個人的に好きだから」というものでもありません。
価値の無い仕事を上司から積極的に奪う部下が出世する
これです。ほんと~~~にこれだけです。
どういう事かを説明する前に、「仕事の価値」というものを理解しなければなりません。
仕事の価値とは、
- どれだけ売り上げを挙げるか
- どれだけ経費を圧縮できるか
- どれだけお金を調達できるか(信用を得られるか)
で判定されます。
お茶くみのような雑用から、コピー機の入れ替え、就業規則の改定、取締役会に至るまで、すべてこの3つの尺度で仕事の価値は図れます。
取締役会は取締役の選定や株式にかかわる重要事項を決定しますので、売上・経費・調達のすべてに大きな影響力を与えます。つまり、それだけ価値が高い仕事です。
一方で、お茶くみは売上・経費・調達に影響は与えども、それは比較的小さく、よって価値が低い仕事と言えます。
もう少し端的に言うと、それを失敗したとして、どれ位売上・経費・調達に影響があるかが仕事の価値だと思ってください。
お茶くみは失敗したとしても、お客様に土下座して謝れば多少は挽回できますし、最悪そのお客様と縁が切れても、売上すべてを持っていかれるわけではないです。
一方で、取締役会で変な社長を選任してしまったら、もしくは、変な企業へ株式を譲渡してしまったら、1年経たずに会社が傾いてしまう事も十分あり得ます。
ここまで良いですか?
さて、上司が抱えている仕事は、部下より、平均値では高い価値を帯びています。しかし、あくまでも平均値であって、何が何でも全て高い価値の仕事ではありません。
たとえば、就業規則の改定は非常に価値の高い仕事ですが、その仕事の中でも価値の最も高いのは「内容の作成」であり、一方で「内容の周知」は比較的価値は低いです。
だから、部下としては積極的に「内容の周知」を引き受け、上司には「内容の作成」に注力してもらうのです。そうすれば、部下は必ず上司に好かれます。
どんなに感情的に嫌われていても、ウマが合わなくても、価値の低い仕事を上司から奪う事を続けていれば、必ず出世します。
理由を説明しますね。
仕事というのはチームで成果を出す事です。誰か一人が成果を上げても他が下がれば意味がないですし、チームでの成績を上げるために一人が犠牲になるのは仕方ないです。
野球でいえば、極めて優秀でも監督に逆らうピッチャーや打者は干されますし、点を取るために個人を消して犠牲フライとか送りバントも普通にします。
チームが成果を出すためにはどれだけ価値の高い仕事を、いかに正確にしていく事が肝心です。そして価値の高い仕事ができるのは、チームでは上司だけです。*1
つまり、部下が上司から価値の低い仕事を奪えば奪うほど、上司は価値の高い仕事に取り組む時間と思考が増え、結果として価値の高い仕事に対するクオリティが上がります。
時系列で書くとこんな感じです。
- 部下が上司の価値の低い仕事を奪う →
- 上司はより価値の高い仕事に時間と思考を割けるようになる →
- 上司が取り組む価値の高い仕事のクオリティが上がる →
- チーム全体として仕事の価値が上がる
実際私は「始業時間前に会社に出勤しない」という態度を貫いていますから始業ギリギリに出社しますが、それを上司が面白くないと思っているのも知っています。感情的には上司にあまり好かれていないだろうなーとも感じています。*2
しかし、価値の低い仕事を上司からどんどん奪おう!という態度で仕事をする結果、役付きと共に上司の一番近くの席に移動する事になるのです。
価値の無い仕事を増やす部下は最悪
反対に上司に価値の低い仕事を押しつける、価値の低い仕事を生む部下は最悪です。
- たとえばお茶汲み・来客対応を上司にやらせてしまう。
- 書類の印刷や集計、整理整頓を上司にやらせてしまう。
- 部下の電話対応の拙さのせいで、お客様のクレームを生む。
あなたはそういう事を上司に依頼もしくはフォローされていませんか?
こういうチームは生み出す仕事の価値が著しく低いです。そこでは上司は価値の低い業務に携わらずを得ず、結果として上司の評価も、チームの評価も上がりません。
「こんな仕事をやってる場合じゃないんだけどな・・・」と上司は常々思っているはずです。上司も分かっています。ですが、部下がそういう価値の低い仕事をどんどん持ってくるため、どうにもならないのです。
もし、特定の部下だけにこのような兆候が見られた場合、上司はその部下を無視し排除する方向に動くはずです。趣味や嗜好の相性がいくら良い部下であったとしても、価値の低い仕事を持ってくる部下に対しては、上司としては遠ざけようとするのは当たり前です。
あなたの周りにもいませんか?
めんどくさい雑用を理由を付けてひたすら拒む人。そして仕方なく周りが仕事を肩代わりした事に対して「仕事しなくてラッキー」と思っている人。
女性だけに限った話ではないですが勤続年数の長いお局さん的な人に多いですね。彼らは雑用を拒む事と引き換えに、出世やチーム内での待遇を完全に失っている訳です。
めんどくさい雑用ほど価値の低く誰もやりたがらない仕事はないです。それを部下が拒んで、結果的に上司にその仕事が行ったら最悪です。確実に上司から嫌われる部下になるでしょう。
上司が以下の言動をとって来た場合には要注意と思ってください。*3
- 質問をしたら「それくらい自分で考えらんない?」と言われた*4
- 雑用を振られなくなった。もしくは、自分を素通りして別の人に雑用を振るようになった*5
- 仕事のやり方を聞くと「あー大丈夫。やっとくから置いといて」と言われて、その簡単な仕事を奪われた*6
※文章の横の数字にマウスのカーソルを置くと、上司の心が読めます
こういう状況になったら確実に赤信号です。安穏としたサラリーマン生活は満喫できるかもしれませんが、チーム内で尊敬されたり、役職が上がったり、価値の高い仕事を任されたり、自分の下に有望な部下がつく事は絶望的です。
一生窓際族、真っ先にリストラ対象となるお荷物社員決定です。
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ちなみに、価値の高い仕事を上司から奪う事は慎重にしてください。
部下に価値の高い仕事を奪われた上司は、普通、より価値の高い仕事へ着手します。それはチームとしてより価値のある仕事へと処理能力がシフトしていく動きなので健全です。
しかし、上司に能力が無かったり、そもそもそんな仕事がなくて、より高い価値ある仕事へシフトしない場合には、上司からするとその部下は脅威に映ります。
当然、足を引っ張ってきたり、保身を図るべくその部下を切る事もあり得ます。
他部署の業務を引き受ける事は全く会社のためにならない
「余裕がある時は他部署の業務を積極的に手伝う!」
「他部署が困っているのを放っておけない!」
という認識を持っている社会人のみなさん。
ちょっと、待って!
不用意に他部署を助ける事は、実は会社のためになりません。
その理由を以下に記します。
業務効率化のインセンティブが著しく損なわれる
これが一番重要です。
あなたが良かれと思ってやっている“助ける”という行動は業務効率化の芽を摘んでいます。
「余裕がある場合は他部署の仕事を助ける」とは、つまり、「自部署の仕事を終えれば、他部署の仕事が待っている」という事を意味します。
その状態は非常にマズいです。
たとえばマラソンをしているとしましょう。
「120分間、走れ!」と言われるのと、「42km、走れ!」と言われるのとでは、どちらが早く走れるようになるでしょうか。
また、「8時間働け!」と言われるのと、「自分の仕事だけをすべてこなせ!」と言われるのとでは、どちらが早く仕事をこなすようになるでしょうか。
「120分間、走れ」「8時間働け!」では、速く走れば走るほど、仕事の量をこなせばこなすほど、自分への負荷は増えていきます。
つまり、「120分間、走れ!」では、速く走れば走るほど疲れますし、「8時間働け!」でも人の2倍、3倍と働けばその分疲れます。
速く走る、倍働く、へのインセンティブがむしろマイナスに働いている状態です。
仕事自体が楽しくて楽しくてしょうがない!!という社畜以外はこのマイナスのインセンティブにより、なるべく遅く・少なく済ませようとします。
一方で「42km、走れ!」では、オリンピックに見るように、時間短縮の工夫=効率化が物凄く進みます。
時間を短縮すればするほど評価が上がり、本人にとっても栄誉や富といったプラス効果もあるのでそれが時間短縮のインセンティブにつながっています。
仕事でも同じで「自分の仕事だけをすべてこなせ!」では、早く終わらせれば終わらせる程評価され、かつ、自分のゆとり時間が増える(=時給が増える)というインセンティブが働くので業務改善が物凄く進みます。
しかし、「自分の仕事をこなしたら、他部署を助けろ!」ではどうでしょう。
早く終わらせれば終わらせる程評価されるという部分は変わらないかもしれませんが、自分のゆとり時間が増える(=時給が増える)というインセンティブが完全に失われてしまうので、業務改善は思うように進まなくなるのは当然です。
―――
また、他部署の仕事を助ける者だけではなく、仕事を助けてもらう者にとってもマイナスが大きいです。
それは「自分の仕事が終わらないでも、他部署が助けてくれるだろう」という期待が生まれてしまうからです。
「背水の陣」という言葉は聞いた事があると思います。
古代中国の戦国時代に韓信という軍人が居ました。
彼の軍隊は寄せ集めの少数の兵隊で、対する趙国の軍隊は大軍で精鋭ぞろいでした。
普通に戦えば壊滅必至ですが、彼は川の橋を敢えて壊し、その手前に陣地を築き、「退けば溺死」という状況を作りました。
結果は彼の軍は猛然と敵の精鋭軍に突撃し、ついに敵軍の大将を捕虜にしました。
ここで大事なのは「何が何でも自分がやらなくてはならない」という認識と、「誰かがやってくれるかもしれない」「やらなくても大丈夫かも?」という認識との差です。
この認識の差が顕著に表れるのが、仕事の準備や段取りの段階です。
「何が何でも自分がやらなくてはならない」場合には無理なスケジュールや、非効率な業務、価値を生まない仕事などを、計画の段階から徹底的に排除します。
だってそうですよね。結果が全部自分が行う仕事に降りかかるわけですから。
無理なスケジュールを組めば組むほど自分の帰宅時間が遅くなるわけです。
そこには圧倒的な業務改善インセンティブが生まれます。
一方で「自分の仕事が終わらないでも、他部署が助けてくれるだろう」という意識があればあるほど、このインセンティブが薄れます。
結果、無理なスケジュールを組んだり、非効率な業務をダラダラやったり、無駄な仕事をせっせとこなしたりして、「他部署に手伝ってもらう」という状況になりやすくなります。
そういう状況が会社にとって何のプラスにならないのは言うまでもありません。冷徹でも、決して助けないという姿勢が重要です。
専門特化集団のシナジー効果こそが組織の強み
なぜ多くの企業は組織を部署で分けているのでしょうか?
社長1人だけが社員ならまだしも、社員が10人も居れば営業担当、総務担当とその役割は分かれます。
なぜ役割を分けるのでしょうか?
全員が全員、営業も総務も経営も、少しずつやればいいと思いませんか?
しかし現実には組織が大きくなればなるほど、部署は細分化される方向に行きます。
なぜ??
これは野球で考えると分かりやすいです。
選手全員がイチロー選手のチームと、セ・リーグで最下位のチームとではどちらが強いでしょうか?
これは最下位のチームがボロ勝ちするはずです。
イチロー選手は走攻守に秀でた名選手ですが、彼よりもコントロールの良いピッチャー、パワーのある強打者、判断力に優れたキャッチャー、足の速い野手はたくさんいます。
そういった選手を集めてきて一つのチームを作ると、総体としてはイチロー9人のチームよりも強いものが出来上がるのです。
チームで働く場合は、各個人の各能力の平均値ではなく最大値がチームとしての実力になります。
走力の無い人にはあまり走らせず、パワーのある人に4番を打ってもらう。
打たなければ行けない場面ではピッチャーから代打に打者を変更する。
ここぞという時に、先発投手からリリーフ投手に交代する。
そうやって自分の得意な能力を使い、自分の不得意な能力を使わない事で、なんでもソツなくこなせる個人の集団よりも優秀な成績を収める事が出来るのです。
それがシナジー効果と言われるものです。
野球と同様に、仕事でも営業担当者と経理担当者では求められる資質・知識は違います。
それ故、会社では業務によって部署をわけ、各々の部署で必要な資質・知識を洗い出します。
そしてそれらに個々人の得意な能力と知識をマッチングし、シナジー効果を最大限に発揮させるように適材適所を探る訳です。
チームを構成する個々人としては、自分が持つ長所を日々深化させ、その長所を存分に発揮する事で、チームの最大値を高くするわけです。
短所を補っていくのも悪くはない*1ですが、それよりも長所をどんどん深化させた方が、最大値が増える分、チームとしては強くなります。
前置きが長くなりましたが、他部署の業務を手伝うという事はつまり、パワーヒッターがピッチャーをやったり、ピッチャーが代打で4番を打ったりする事です。
そんな野球チームありますか??
しかし、野球ではそういった他職種の業務を手伝う事は異常と映るのに、仕事になると、総務部が経理部の仕事を、経理部が営業部の仕事を手伝ったりするのが日常に見える場合がしばしばあります。
繰り返しになりますが、総務部と経理部とで必要とされる能力は、事務作業という共通部分はあるにしろ、専門知識を始めとしてほとんど違います。*2
他部署の仕事を手伝う事は要するに、その部署の部員より、比較的不慣れで適性に欠ける者が業務に携わる事を意味します。
それはチーム全体の仕事の質を悪化させ、余計な仕事の量を増やします。*3
これは経営的によろしくないのは言うまでもありません。
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「自部署の業務改善によって余裕が出来たから、その余裕の範囲内で他部署を助ければ、チームの成績も良くなるのでは?」と思う方も居るかもしれません。
しかし、自部署の業務改善で余裕ができたのならば、自部署の更なる改善が先です。
なぜなら、自部署の業務改善は自部署しか出来ないから、また、自部署の長所を伸ばせるからです。
野球に例えると、チームで最速の代走要員が「100mを1秒速く走れるようになった!」のであれば、次に来るのは「よし!投力を鍛えて守備力を高めよう!」ではなく「もっと速く走れるようにしよう!」「走塁について勉強しよう!」ですね?
彼がいくら守備力を鍛えた所で、既に投力の高い選手は居る訳で、彼と同じようなパフォーマンスを出してチーム全体の守備力の向上に寄与できるには相当時間が掛かります。
同じように人事部だと「エクセルの資格を取って、業務スピードが上がって余裕ができた!」のであれば、次に来るのは「税理士の資格を取って経理部を助けよう!」ではなく、「社労士の資格を取ろう!」ですね?
既に経理部に経理のエキスパートが居るのだから、そのエキスパートと同等以上のパフォーマンスを出すにはこれも相当な時間が掛かります。*4
だから他部署に手を貸している暇があるなら、もっと自部署の改善を図る方がよほど効率的です。
あなたしかその仕事を出来ないのだから。優秀な投手には投手しか成れません。
会社全体の価値向上を考えるならば、他部署の仕事に手を貸している時間を自部署の価値向上に費やす。
そしてチーム全体としてのちからを高める方が正解です。
自部署の仕事をこなしながらも他部署の仕事が出来るほどの優秀な人材の、時間と思考を奪ってしまう
他部署から「手伝って!」と言われる社員はたいてい優秀です。
適当な指示でもその意味を汲み取って、ある程度形に仕上げてくるような人です。
やり方を事細かに説明しないと動かず、任された仕事に責任感を持てないような人には他部署から「手伝って!」などと声は掛かりません。
しかし、優秀な社員は自部署の仕事でも価値を生み出しているスターです。
他部署の仕事を手伝ってもらえばもらうほど、彼が本領を発揮できる自部署のフィールドで活躍する機会が減ります。
活躍する時間も減りますし、思考も他部署の仕事に奪われてしまいます。
優秀な人は他部署の仕事でも持ち前の思考力を使って「考えて」仕事をしてしまいます。
例えどんな単純作業でも「言われた事だけを、そこそこに」なんて考えられません。
「なんとか他部署の期待にこたえたい!助けたい!会社に貢献したい!」と思ってプラス思考で仕事に全力で、それこそ自部署の問題と並行するレベルで「考える」はずです。
だからこそ、そういう人に助っ人を頼むのでしょう。*5
しかし、他部署の人間が全うできる仕事に「考える」べき仕事はほとんどありません。
電話で連絡したり、パワーポイントを作ったり、エクセルで集計したりといったレベルです。
優秀な人が時間を割いて、そのレベルの仕事をいくら「考えて」も改善できる範囲はたかが知れています。
ワークフローを見直したり、仕事の目的を再定義したり、誰かを説得したり、そういった「考える」事によって1にも10000にもなるレベルの仕事に他部署の人間は携わる事は出来ないのです。
つまり、他部署の仕事を手伝うという事は、優秀な人の時間や思考を比較的価値のない仕事に奪われる事を意味します。
会社全体にとってそれは非常にもったいないですね。
ちなみにワークフローの改善など「考える」レベルの仕事を他部署に振ってしまうような部署は、存在価値が全くありません。
優秀な助っ人は、手伝いをしながらきっと「この部署を潰すにはどうすればよいか」を考えるに違いありません。
―――
以上です。
そうは言っても、他部署の業務を引き受けても良い場合があります。
100分掛かる作業を他部署がやっているのを見て「こうすれば10分で終わるのに・・・」と思った場合です。
この場合には積極的にアドバイスをして知識の共有を図ります。
確かに自部署に取り組む時間は1分減るかもしれませんが、他部署の仕事が大幅に効率化されます。
犠牲にする自部署に取り組む時間、と、他部署の改善効果、を冷静に見極めて、アドバイスをしていく。
これ位は引き受けても構わないと思います。
柔軟思考になる為のたった1つの心構え
柔軟に考えるってスゲー難しいように思えるし、それが出来てる人は余り居ないわけだけど実はたった一つだけの事を意識するだけで、驚くほど柔軟思考になります。
「自分はこの世の分かってる事の1%も分かってない」と常に意識する事
たったこれだけ。本当にこれだけ。しかし本当にこれを魂レベルで認識してしまうと、神経衰弱して死にかねないのでホドホドに。
なぜ、神経衰弱してしまうのか。たったこれだけの認識でなんで柔軟思考になれるのか、を説明します。
知っている事を科学的に検証をした人はほとんど居ない
以下は広く知られた、この世の分かってる事です。
- 精製された石油は燃える
- 血流が止まると生物は死ぬ
- 車はエンジンやモーターで動く
- 日本の夏は暑い
では、貴方はどれ位それらを科学的に検証してみたでしょう?
- 原油を精製して石油を作り、それに着火して燃やした事がある
- 失血死した他人を間近で見た事がある
- 車を分解して、エンジンの回転と車輪の駆動の関連性を間近で見た事がある
- 自分の生まれた年以前の過去100年間の日本の夏の気温の推移を調べた事ある、ってか、それを祖父母に聞いた事がある
・・・そういう経験あります??
んで、以下のような事を言う人が目の前に現れました。彼らに論理的・科学的に反証出来るでしょうか??
- 精製された石油は燃えない
- 血流の有無と生命維持に関連はない
- 車のエンジンは動力ではない
- 日本の夏は寒いのが普通
彼らが偉い学者様で、マスコミで大々的に発表しているなら反証も諦めるかもしれません。
しかし、自分の子どもや部下など立場の低い人から言われたら、きっとこう反論するはず。
「いや、違うよ。」と。
「石油は燃えるんだよ」と。
ただし、それを科学的に反証できない事は言うまでもありません。
これって、「知ってる」と言えるのでしょうか?
私達が本当に知っている知識ってどれ位?
では私達が確かに「そうだ!」言える知識はあるでしょうか?
- 池袋駅前のアスファルトは硬い?
- 人は喉が渇くし、腹も減る?
- Excelの知識?
・・・そう、これ位のレベルでしか知りません。全知全能の神様から見たら、全然知らない。恐らくテレビでバカにするお馬鹿芸人の方が、私よりナンボか知っています。
ちなみに、柔らかいアスファルトもあるかもよ??(笑)
と言うわけで、自分が知っていると思っている知識でさえも、本当は誰もが「いや、違うよ」とは言えない、極めて言いにくい訳です。*1
物識りは居るけど、その知っている知識も、不確かな知識の上に建てた砂上の楼閣です。「石油は燃える」という砂が崩れてしまえば、物識りが建てた無数の楼閣も簡単に崩壊するでしょう。
だからこそ、何を、誰から聞いても「なるほど、あり得るかもね」と一旦聞く姿勢が必要なのです。
そして、そういう姿勢に立っていれば「俺の知識は大丈夫だろうか?」と自分の知識を常に疑うようになります。それが続くと、脳はあらゆる可能性を検証する癖が出来上がり、自然と柔軟な思考ができます。
ただし、究極、自分の存在自体も否定しかねない思索なのでホドホドでやめておきましょう(笑)それでも、おもいっきり思索したい方はデカルトを学んでください。
*1:ちなみにこれをデカルトは「我思う故に我あり」と言ったわけです
タダのサービスなんて無い
先日、ファストフード店で店員の接客態度にクレームを言っている人が居ました。受け答えがどうとか、お客に対して心遣いがどうとか。
私は正直、安い!早い!を標榜しているファストフード店で接客に対してクレームを入れるのには反対です。
なぜなら、価格が高くなるからです。
お金払うから笑顔で接客しろよ!って事?
顧客が店員にクレームを入れれば結構真面目に対応してくれます。
「申し訳ございません。」
「二度とこの様な事がないように教育します。」
店員からそのような言葉とともに、お辞儀でもされれば確かにクレームを言った方は気分が良いでしょう。また、自身の怒りも収まるかもしれません。
しかし、「二度とこの様な事がないように教育」する為のコストは当然こちらが支払う事になります。これは同じ消費者として本当に勘弁してほしい事です。
「笑顔で接客」ってコストめっちゃかかりますからね。
それとも「笑顔で接客なんて誰でもできる」「スマイル0円」なんて本気で信じている人が居る?
確かに笑顔で接客は物理的には誰でもできますけどその動機づけは誰でも出来るわけではありません。
「よし!笑顔で接客しよう!」って自分から思わせるんですよ?「笑顔で接客しろ!」って店長から言われるくらいではなかなか出来ません。
- 心の底から仕事がつまらない
- けど辞められない事情がある
- お客さんは品の悪い人達ばかり
- 賃金は安い
- ろくな社員教育も受けていない
- サービス残業がある
こんな状況でいつも笑顔で活き活き接客出来ます??
だから、経営者は以下のような改善を図る事でなんとか社員の動機づけをしようとします。
- 賃金や労働時間などの労働環境を改善する
- 社員教育をして正しいお辞儀を練習する
- 新しい注文の取り方や配膳動線など、接客システムを考える
- 笑顔で明るい人を採用する
が、全部コストアップになります。コストに充てるお金は当然天から降っては来ません。全~~部、利用者の利用料から転嫁されるわけです。
牛丼チェーン店で店員の接客にケチ付けたら
牛丼の価格が100円上がった。
下手にサービスにケチを付けると大体こういう因果が働きます。
つまりは「笑顔で接客しろよ!」っていうのは「お金払うから笑顔で接客しろよ!」と同じって事。
いや、格安さがウリなんだから笑顔云々より、安くしてほしいんだけど・・・と思っている私からすると、ホントに迷惑ですね。店員が笑顔で接客して欲しいならキャバクラでも行ってほしい。
役所は最低限のサービスで構わない
あと、便利になりすぎる役所とか明るい役所とかもド反対です。役所は不便で良いです。愛想悪くてもよいです。薄暗~~い建物内でクモの巣張ってても良いです。
役所は書類さえ早く、安く、正確に処理してくれれば良い。それだけで良いですわ。
役所が過剰に便利になればなるほど余計な税金が増えるとですよ。笑顔で接客なんて不要です。そんな所に税金なんか使わんで下さい。
夜間窓口なんて不要です。区役所の出張所とか不要です。新しい庁舎とかも不要です。
夜間とか出張所とか新しい庁舎とか利用者は無料で利用できるんでしょ?そのサービス料を、それを利用しない人達で負担しているわけですよ。
そんなの全然要らないので。。。
役所は最低限のサービスで構わないので税金安くしてください。
それか、夜間利用者と出張所利用者と新庁舎利用者で全額コスト負担してください。
と、私は言いたい。
それとも
- 「税金が高くなってもいいから出張所がほしい!」
- 「住民税が高くなっても是非新庁舎を!!」
って思ってる人が多いのかな?あんまり居ないよね?と信じたい。
タダのサービスなんて無い
↑↑つまりはこれに尽きます。
身の回りには「直接支払いを行わないけど受けられるサービス」って結構ありますよね。
- 会社の健康診断
- マックのスマイル
- 美容院のお茶
- ポケットティッシュ
- 公園の水
- 燃えるゴミの収集
- ローリーズファームのナイロンバッグ
- 洋服の試着
これらはタダで受け取っているかもしれませんが結局は自分の懐からお金を出して支払っているのです。
ただ
- 税金などの別の形で徴収されている、か
- 価格に費用が盛り込まれている、か
- 将来受け取れていたかもしれないお金を引かれた、か
- 直接お金を支払っている、か
その違いだけです。
タダのサービスなんて無い、という意識から誰がこのサービスの対価を払うのか、を考える。そうやって深く洞察していくと、安易に「もっと笑顔で接客しろ!」とは言えないはずです。
公務員 = 安定?
子どもがなりたい職業ではやはり、身近に関わりのある職業が並びます。
男の子
1位:スポーツ選手
2位:警察官
3位:運転手女の子
1位:パン・ケーキ販売員
2位:芸能人
3位:花屋
何とも頼もしい限りですね!身近にそれだけ「光っている大人」が居るっていう事です。特にカッコいい警察官や憧れの販売員さんがたくさん居る日本って素敵ですよね!
一方で、親が子どもに就かせたい職業は
男の子
1位:公務員
2位:スポーツ選手
3位:医師女の子
1位:看護師
2位:薬剤師
3位:公務員
何と男の子は公務員がトップで女の子も3位に公務員がランクイン。
なぜ????
大人の世界にはカッコいい公務員が多いのでしょうか。
引用先から見ると、親が子どもに就いてほしい職業に公務員を挙げる理由は「安定した将来を願う」とあります。これが全く分からんとです。
公務員=安定?
安定の定義をしよう!
親が子どもに願う「安定した将来」とは一体何でしょうね?
まぁ私が思う職業上の安定ってこんな感じ?↓↓
- 解雇されない
- 毎月十分な給与をもらえる
- 社会的に認められた職業である
・・・えっと、今40歳位の公務員ならいざ知らず、今年20歳で公務員になる人にこの先ずっと当てはまると思います??
役所を企業に例えてみよう!
公務員に「安定した将来」を託す人って、人口減、グローバル化、高齢化、地方過疎化の中で公務員として働く事がいかにリスキーかまるでわかってません。
公務員が務める役所も、サラリーマンが勤める企業も、同じ“組織”なので、役所を企業に例えてみましょうか。
- 役所において住民がどんどん減っていく = 企業において顧客がどんどん減っていく
- 役所において住民の高齢化がどんどん進む = 企業において顧客単価が減る*1
です。
当然、企業であれば以下のような状況になり得ます。
- 顧客が減るので、売り上げが減っていき
- 売り上げが減るので、社員と商品がどんどん減っていき
- 既存社員は解雇・賃下げ出来ないので新卒採用数を絞り
- そのため社員はどんどん高齢化し
- 経費を賄う為の負債はどんどん膨らむ
これを役所で当てはまると
- 住民が減るので、税収が減っていき
- 税収が減るので、職員と行政サービスがどんどん減っていき
- 既存職員は解雇・賃下げ出来ないので新規採用数を絞り
- そのため職員はどんどん高齢化し
- 経費を賄う為の負債はどんどん膨らむ
です。
現に、職員数はどんどん減っていますね。
一方で、職員の平均年齢は上がっていく傾向にあります。
・・・グラフを見るだけで恐ろしくなりませんか?
職員数はどんどん減ってるのに平均年齢は上がっています。公務員は実質、年功序列ですので平均年齢が上がれば上がるほど経費はどんどん増えていきます。
つまり、黙っていてもどんどん経費は増える一方、黙っていたらどんどん税収が減っていくのです。
こんな未来を辿る事ほぼ決定な組織のどこが安定??と私は思うわけです。
公務員、門をくぐれば一生安泰?
「確かに新規採用数は減ってるけど公務員になれば安泰でしょ?!」と思うかもしれません。
私が先ほど挙げた「安定」の条件は以下の通り。
- 解雇されない
- 暮らしていけるのに十分な給与がある
- 社会的に認められた職業である
公務員は本当に解雇されないと思ってます?解雇はないにしても、早期退職制度は既に実行されてますよ?
企業でも、解雇は労働法的に要件が非常に厳しいので解雇よりも早期退職制度が主流です。しかし、早期退職制度でも人が集まらなくなった場合には企業は「追い出し部屋」を用意して自主退職に追い込むことをします。
それを公務員だけはやらないのでしょうか?今後、数十年も?税収が下がり続けるのに?
財政危機が起こっても「公務員解雇合法化法案」が国会を通らないと思ってる?財政危機で窮状を訴える国民がその法案を支持しないとでも?
・・・まぁ、運よく今後数十年間も今の雇用を維持したとしましょう。しっかし、正職員での公務員の仕事、今後はメッチャきついですよ。たぶん。
公務員の取り巻く状況は以下のようになる事は先ほどお伝えしました。
- 国民が減るので、税収が減っていき
- 税収が減るので、職員と行政サービスがどんどん減っていき
- 既存職員は解雇・賃下げ出来ないので新規採用数を絞り
- そのため職員はどんどん高齢化し
- 経費を賄う為の負債はどんどん膨らむ
つまり、あなたが今20歳位で入職し、30歳になるまでをシミュレートすると以下のようになります。
- 40歳以上のオジさんがうじゃうじゃ居る職場で
- 定年退職するオジさんの仕事はあなたが全部引き受け*2
- 部下は一向に来る気配がなく
- やっと来ても「女性枠」で入ってきた能力の足りない勘違い女性で*3
- 入札の度に人が変わる数十名の業務請負社員のお守に追われ
- 寮や手当など不要な福利厚生は労働契約の段階で遠慮なくカットされ*4
- オフィスの暖房や照明まで十分に使えず
- 10年以上前のPCで
- 残業も満足にできず、サービス残業も出来ず*5
- 家に仕事を持って帰る事も許されず*6
- 遠方出張も日帰りで
- でも行政サービスの質は落とせない*7
という10年間が待ってますね。
しかも、税収が大幅アップ!でもしない限り、この傾向は年々強化されます。2020年からの10年と2030年からの10年は全く違うと言っていいでしょう。悪い方向で。
一言で言うと、公務員の仕事がどんどん給与と割に合わなくなるとです。
門を出ると更に地獄!
こんな激務は嫌だ!!!と入った門を出たとしても待ち受けるのは地獄です。
残念ながら元公務員という肩書だけで いざという時転職出来るほど世の中甘くありません。もちろん天下り出来る程権力あれば別ですが天下り出来る人間はほんの一握りです。
それどころか、元公務員という肩書は民間から非常に疎まれます。「国立大学を出て、公務員一筋で20年働いて、今40歳!」な人は民間企業への転職はほぼほぼ絶望的です。*8
基本的に公務員は公職の転職市場という狭いフィールドで戦わざるを得ないのです。しかも、それは民間の転職市場と比べて雇用が安定している分、激しく雇用流動性にかけるものです。
民間よりも遥かに少ない椅子を公務員同士が奪い合います。そして公務員数の減少とともにこの椅子は年々確実に減っていきます。
それが嫌となれば、民間の転職市場にトライする訳ですが、先ほど言ったように、元公務員というキャリアは民間にとって大きなハンデを背負うことになります。
つまり一旦公務員に就いてしまえば、民間に通用するスキルか権力を得ないと、いかに労働環境が悪くなろうが鬱になろうが、辞められなくなります。
そのどこが安定??と私は思うわけですよ。
本当に「安定した将来を願う」なら
では本当に安定している職業とは何でしょうか。
- 世界に通用する
- 将来性がある、恒久的な需要がある
- 付加価値の高い
- 雇用流動性のある
- 長く働ける
- 市場が大きい
を満たす物です。
その意味では
- 投資家
- 接客業(日本の接客スキルは世界一)
- システムエンジニア(システムの仕組みを考える人)
- 重機の運転手
- 医師
- 看護師
- 経理
- 設計士
- バイオエンジニア
- アニメーター(世界に発信できる人)
- 調理師
あたりが良いと思います。
日本が世界一である職種と英語を完璧にマスターすれば一生どこでも食いっぱぐれる事はないでしょう。
逆に
- 日本国内限定の産業で
- 将来的な需要が見込めず
- 付加価値の低く(=誰がやっても同じ)
- 雇用流動性がなく
- 長く働き辛く
- 市場が小さい
職種を選んでは「安定した将来」など夢のまた夢です。これをみればいかに公務員で事務職をやることがリスキーかわかると思います。*9
子どもに「安定した将来を願う」のなら、「安定とは何なのか?」をしっかり定義し深く分析する必要があります。
軽減税率バンザイ!な件
多くの商品にかかる消費税が10%に上がるのにあわせ、一方で指定品目の消費税を8%(以下の可能性も)に抑える軽減税率が話題になってますね!
8%以下に据え置いた・下げた分の税収減はどうするんだ、とか、軽減される品目が政治的圧力によって決まる、とか議論が噴出してますが、個人的には軽減税率の導入は大いに賛成です。それは以下のようなメリットがあるからです。
続きを読む“男性は稼がなくていい”という社会認識が少子化を防ぐ
さて皆さんこんにちは!
女性の社会進出をすると、少子化を招くのではないかな~?と思い、グーグルで「女性の社会進出 少子化」と検索窓に入力しようと
「女性の社会進出・・・」まで打つと、予測変換で「少子化」が出てきました。
私以外にもやっぱり同じ事を思う人はいっぱいいるんですね。
女性の社会進出は少子化を招く?
実は、私は能力のある女性が社会進出を果たせば、少子化は改善すると思います。
現状は女性が社会進出を出来ない社会的な要因がたくさんあります。
- 子どもを産むとキャリアが分断される
- 子どもを産むと復帰が困難
- 育児を代替出来るサービスが手薄
- 全国転勤、長時間労働などの労“道”を美化する風潮
- 「女はお茶くみ」「女が育児」的な考え方が男性にある
- 「男が決めてよ」「男が稼ぐ」的な考え方が女性にある
これらを一つ一つ丁寧に解決していけば、女性の社会進出も少子化対策も達成されると思います。
下記のリンクにも上記をすっきりした形で書かれています。
女性の社会進出は少子化の原因なのか? ~少子化を止める二つの方法~
現実にはこういった対策が全然されていないのに、「とりあえず女性管理職を増やそう!」と数合わせの女性の社会進出が図られているので、少子化になるのは当たり前っちゃー当たり前です。
有能な女性も、上記のような困難が放置されたままの状態であると、「就けたとしても大変ね」と管理職への登用を手放しには喜べないはずです。
ではどうすれば良いか。
確かに「育児サービスの充実」とか「職場環境の改善」も必要だと思います。
子ども作ったけど育てられないわ~、では結婚しても子どもを持つ動機も下がります。
しかし、それよりもっと重要な改善すべき項目が有ると思います。
それは、上のリストの最後の2つです。
「男が稼ぐ」社会の崩壊が必要
「男もお茶くみ」「男も育児」的な考え方を現在普及させている(?)のと同様に
「男が決めてよ」「男が稼ぐ」的な考え方を否定する。
「女はお茶くみ」「女が育児」的な考え方を否定している(?)のと同様に
「女も決めてよ」「女も稼ぐ」的な考え方を普及させる。
以上、2点の「社会認識の変革」が必要です。
国税庁の民間給与の実態調査結果では、平成15年の国民の総給与所得は約203兆円ですが、平成25年のそれは約200兆円とほとんど変わっていません。
つまり、国民の給与は10年間ほとんど変わっていないという事です。*1
もしこのまま国民の給与が変わらない、もしくは縮小すると仮定すると、女性が社会進出する結果、以下の事が言えます。
- 男性の所得がどんどん減る
- 女性の所得がどんどん増える
つまり
- 妻や子ども、親族を養える男性がどんどん減る、一方で
- 夫や子ども、親族を養える*2女性がどんどん増える
という事です。
実際に、女性が外で働き出したと共に、共働き夫婦世帯は増加の一途です。
さらにこれから女性の社会進出が進めば、どんどん共働き夫婦世帯は増えるでしょう。
しかし、これは方向としてはとても良いことだと思います。
働ける能力のある人、稼ぐ能力の有る人が稼げばいい。
男性でも稼げない人は居ますし、女性でも稼げる人はいます。
問題は、「男が稼ぐ」「男が決めてよ」的な風潮が残ったまま女性の社会進出が増え、相対的に男性の収入が減るとどうなるかです。
男性には
- 昔と同じように「妻子を養うべきだ」「稼いでなんぼ」な世界がある、と同時に
- 昔より全然稼ぎにくくなった世界
という極めて生きにくい時代が待っています。まさに現代です。控えめに言っても最悪な世の中です。
一方で女性にも
- 一家を支えられる男性がどんどん減っていく世界がある、と同時に
- 出産や育児を諦めてバリバリ働いて出世しても引け目を感じる世界
という、これもやはり生きにくい時代が待っています。
だからこそ、「男が稼ぐ」社会の崩壊が必要なのです。
「社会認識の変革」が必要なのです。
「男性が稼がなくてもいい」社会とは
「別に女が決めてもいいじゃん」「別に女が稼いでもいいじゃん」的な考え方が社会全体に広まればとてもとても良い時代になります。
男性には
- 「妻に養ってもらう」「男は育児してナンボ」がオッケーな世界、と同時に
- 家事と育児しながら、昼ドラやワイドショーが堂々と見られる世界
が待っています。
少なくとも「二人養うほどの稼ぎがない」男性でも結婚に前向きになれますし、「いざとなったら妻に養ってもらえる」という安心感が得られるだけでも結婚の動機には十分作用します。*3
30~40年ひと月も休めないマラソン、と、30~40年の5~6年は休めるマラソンではぜんぜんリスクが違うでしょ?
一方で女性には
- 「私が決める!」「育児を夫に押し付ける!」でもオッケーな世界、と同時に
- 低賃金(無賃金?)で専業主夫を雇える世界
が待っています。
今は「この人は私と子ども(と親)を養えるか」という基準で夫選びをしがちな女性が多いことが結婚に大きな障害になっています。(国土交通省データ 図表79)
昔より男性は全然稼ぎにくくなっているにもかかわらず、専業主婦が当たり前の時代の自分の父親像を、自分の伴侶に求めるわけです。
そりゃー、婚姻率もダダ下がりするのは当たり前ですね。
しかし、社会認識が変わり、女性の意識もこのように変われば「家事と育児が出来そうか」とか「私の働きをサポート出来るか」という新たな視点で夫選びが出来ます。
要は、いま男性が持っている妻選びの視点を女性が持つっていうことですね。
視点が増えれば当然、合格も多くなります。
英語80点以上なければ不合格!よりも、英数国のいずれか80点以上なければ不合格!の方が合格率は高まりますよね。それと一緒。
面白いのが、年収が高い女性は結婚しにくいというデータもあります。そんな女性も「この人は育児が出来そうか」とか「この人は私の働きをサポート出来るか」という新たな視点で夫選びが出来れば、結婚はグッとしやすくなるはずです。
データえっせい: 職業別の年収と未婚率の相関
だから、男性も女性も、妻選びや夫選びに多彩な視点を持てるようになると、もっと結婚しやすくなりますよーって事。
それには「意識改革」がとても大事なのです。
だから、「女性の社会進出」と同時に「男性の家庭進出(?)」を推し進めましょうね!!安倍さん!!公明党さん!!
いきなりは難しい、としたら、こういうのはどうでしょう??
- 女性管理職割合が3割以上の企業に補助金!、と同じく
- 専業主夫割合が3割以上の自治体に地方交付税交付金UP!
これで、国を挙げて躍起になっている「女性の社会進出」も倍加で達成できますし、「逆差別だ!」みたいな男性の反対意見もなくなりますよ!
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