企業が本当に求める人材って何なの?!(3)
さて、こんばんは!
前回はなぜ似たり寄ったりの求める人材像になるのか、原因を説明しました。ええ、そうですね、全て企業の怠慢ですね。誤解を恐れずに言えば「それほど採用業務に価値を感じていない」っていうわけですね。
さて、今回は「実は求める人材像は公表できない」を挙げたいと思います。
今日の(2回目の)叫び
人事さん、正直に話してくれよ!
学生さん、正直に話しても叩くなよ!
「似たり寄ったり」の弊害〜ダメな奴がハブられない〜
求職者にとっては求める人材像が「似たり寄ったりになっている」のは、はっきり言って悪いことです。
- 協調性がある人
- 仕事にやりがいを感じる人
なんて文言が並ぶよりも、いい悪い別にして
- 女性応募不可!
- TOEIC860点以上必須
- 全国転勤出来る人
- 深夜まで及ぶ残業に耐えられる人
- 旧帝大卒の方
という正直な求める人材像が並んでいたほうが、効率的に自分とマッチした企業に行けるはずです。
特に女性は改正男女雇用機会均等法により雲隠れしてしまった「本当は男性のみしか採用するつもりがない求人」もしくは「男性と女性で、新卒の職務や地位や待遇がぜんぜん違う企業」という情報は欲しいんじゃないでしょうか。
明らかに女性にとって不利になる条件が改正男女雇用機会均等法によって隠されてしまっていますが、それが開示されれば受ける企業を厳選できます。それによって、女性は余計な交通費や企業研究の時間が大幅に削減されるはずです。*1旧帝大以上しか受け付けない学歴フィルターを設定している企業も同じですね。
女性に対してでも、学歴に対してでも、情報をキチンと正直に示さない事が
- そもそも土俵に上がれない人
- 情報を知っていれば到底受けなかっただろう人
を生み、彼らの時間と金と他の企業を受ける機会を奪っているわけです。
前回表したように、これは企業が自社の「求める人材像」の設定を怠り、似たり寄ったりの文言に終止する場合も同じです。
「入社時点でITスキルがある程度無ければ話にならない研修が待っていて、すぐに高い成果を求められる」状況だったのに「協調性求む!」な似たり寄ったりの募集文句を企業が設定してしまったとします。
人気企業であれば、当然「ITのアの字も知りません」な文系が「協調性あるぜ!」と大量に応募してきますね。人気企業を受ける彼らは、まともな履歴書1枚書くのに、企業研究やら内容の推敲やらで、最低1時間はかけています。でも彼らは「土俵に上がっていない」ので、100%落ちるわけです。*2
つまり、100人応募してきたとしたら100時間分、学生の貴重な時間を奪っているわけですね。学生は日本の国民で、まもなく生産者に成る貴重な日本のリソースです。そのリソースを自社の怠慢により大量に浪費させている現状を企業は反省した方がいいですね。企業は国に納税している反面、インフラという多大な恩恵を受けているんですから、国の利益を考えていただかないと困るわけです。
話はちょっとそれましたが、繰り返しますが、求職者にとっては求める人材像が「似たり寄ったりになっている」のは、はっきり言って悪いことです。
正直採用への障害〜正直な求める人材像を叩く求職者〜
一方で、明確で正直な求める人材像を以下のように設定するとどうでしょう。
正直な「求める人材像」
- 基本情報技術者試験合格者
- 男性のみ
- 深夜まで及ぶ残業(月140時間位)に耐えられる人!
- 上司の指示に唯々諾々と従い、自分の頭で考えない人!
どうでしょう??これで、応募者はかなり絞られますね。女性はそもそも受けないってだけで、単純に学生の半分(=女性)はムダな時間を過ごさなくなります。
しかーーーーし、現実には「深夜まで及ぶ残業に耐えられる人!」「男性のみ!」など正直に「求める人材像」を書いてしまうと、今流行の大賞!にノミネート必至なので企業としてはそれは出来ないのです。
正直な募集広告を出せば出すほど求職者にとってはムダが減り、国単位では労働者リソースの節約になるのに、それに対してブラックだ!ブラックだ!と騒いでしまっては自分で自分のクビを絞めているようなものですね。情報こそ正しい取捨選択をするリソースなのに、その(正直な)提供を思いとどまらせるような方向に企業を仕向けてしまうリスクもよく考えたほうがいいと思います。
このような状況なので、現実には「どこまで正直に設定して良いか」を追求してギリギリの「正直ライン」を探るのが時代に配慮した採用であり、良い採用の基本となっています。
良い採用の基本を押さえていれば、当然よい人材の応募も増えてきます。しかし、そうした企業から出される求人情報は「正直ライン」を越えない選択されたものですので、必ずしも実態を表しているものではありません。
さらに「正直ライン」を越えて実態を話していれば元々土俵に上がってこなかった人もワラワラと就活戦線に参戦してくるので、速攻で振り落とされる彼らと、彼らをいちいち振り落とさなくてはならない採用担当者双方に何のメリットもありません。
「似たり寄ったりの求める人材像」脱却への道
以上を考えてみると、以下全てが必要だとわかります。
・・・さて、しばらくは「似たり寄ったりの求める人材像」が続く見込みです。