鬼人事クマさんのブログ

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人事部ってな~に??

皆さんこんばんは!
鬼人事を“自称”しているので、人事っぽい事も説明しないといけないですね!という訳で、「人事って普段何をしてるのさ?」をなるべく分かりやす~く説明したいと思います。入社1~3年目の社会人で人事部に配属された方などは特に参考にされるといいと思います。

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人事部の存在意義

人事部の担当分野はおおまかに分けて以下の3つになります。

  1. 労務管理
  2. 入退社管理(採用含む)
  3. 社員教育

人事部の存在意義、つまり目的は「経営戦略を達成するべく、人の管理をする」です。そしてその目標値を設定して、手段として労務管理や入退社管理、社員教育を行っていくわけです。「経営戦略を達成するべく」がミソ!淡々と給与計算などの労務管理や漫然と人材の採用を行うわけじゃないんですね!(ドヤ顔)

人事部の日常業務は全て「どうやって経営課題を達成しようか」に結びついていきます。例えば「来年12月までに、上海に支店を構える!」という経営課題があれば・・・

  1. 労務管理→採用コストをどうやって捻出するかを考える(非正規社員を解雇など?)
  2. 採用→中国語が理解できる者をどうやって何名採用するか決定する。採用コストが幾ら掛かるか計算する。海外支店長の力量が有る者をどうやって探すか考える。
  3. 教育→教育コストが幾ら掛かるか計算する。要求スキルを選定する。

など、考えていくわけです。

はい、そうですね、これらに答えなんかありませんね。

なので、人事部が採った人事戦略が正解かどうかなんて判別しようがありません。あの時、仮にリクナビで人材を募集していたら上手く行ったんじゃないか・・・なんて「たられば」を基に、現状と仮想とを比較して評価なんてできないですよね。

そもそも経営課題が破綻していて、人事戦略をどう頑張っても-20点しか行かない、とか、逆に経営課題が甘々で、人事戦略なんか練らなくても現状維持で100点達成できるとかあります。人事部の仕事って成果を表すのがとっても難しいんです。

人事部は人事評価のプロ部門ですが、その評価が一番むずかしいといえるかもしれません(笑)

人事部の“出来る人”とは?

結論から言えば、“出来る人”とはミスしない人です。

総務部や情報システム部、法務部など他のスタッフ部門と違って、人事部は数字が出る業務がテンコ盛りです。なおかつ、前述のとおり、人事部の仕事って評価されにくい。

つまり、ミスが、悪い意味で目立ちやすく、いい意味では目立たないと言えます(涙目)

具体的には以下の様な数字が人事部にはついて回ります。

  • 人件費
  • 募集広告費
  • 募集人数/採用人数
  • 退職者数
  • 労災者数
  • 労働紛争での調停金/追徴金
  • 教育費 etc…

そしてこれらの数字って、青天井で上げられる売上高や利益率のような攻めの数字ではなく、減らせば評価につながる一方で、減らすには限度のある守りの数字である事が多いです。

例えば1億円→100億円の売上になる事は可能かもしれませんが、人件費を100億円→1億円は、もはや同じようなビジネスモデルを回せないレベルになってしまいます。

また、教育費や募集人数なんかは、増やせばいいのか、減らせばいいのかは時と場合によって変化する玉虫色の数字だったりします(笑)

んじゃーどーやって人事部は自身の評価点稼ぐの??って話になれば、やっぱり守りの数字を無難に減らしつつ、ミス無くコツコツやるしかないでしょう。数少ない守りの数字である“労災者数”や“退職者数”、“労働紛争費”を限りなく0に抑えつつ、募集人数をキッチリ採用し、人件費と社員数をバランスしていくのです。

くたびれますねー(ため息)

ちなみに全社的な生産性の向上という評価点も人事部門の評価になりえます。が、それは人事部門というよりは、現場の手柄にされてしまいますので、人事部だけが評価されるものではありません。

また、採用者の質が高いというのもの人事部の評価に繋がりますが、何を以って“質”というかが重要です。

“質”とはほとんどが、経営者と相性が良い!=質が高い!な現実があるわけです。まして、きちんと経営戦略を描いていない経営者であればあるほど、その場でのフィーリングや個人的な嗜好で採用者を選びがち・・・。

そうなると、実務スキルや素質よりも経営者の外見上の好み(例えば可愛い女性とか)を優先した応募者を、人事部は面接に上げる事になります。

つまり、この場合は、人事部が経営戦略を達成するという使命を忘れれば忘れるほど、人事部の良い評価につながってしまうということです。


何だかねー・・・

人事職には大局観が必須

人事部員にとって必要な資質とは何でしょうか??

人事部は経営戦略を基に人事戦略を練る部門ですから、大局観は必須になります。

採用とか教育とか労務管理とかで業務をブツブツ分断するのではなく、それらを1つのまとまりとして理解し業務をこなす必要があります。もう一度、一番最初の扉絵を見てください。

採用であれば少なくとも「どのような人材が経営戦略を達成できるのか」を定義し、その定義を満たすような「人材をどのように確保するのか」を考えなければなりません。

採用だけを考えていると「とりあえず頭数だけ揃えよう!」とか「経営者が面食いだから可愛い女の子を面接に上げれば良いだろう!」なんて、とんでもない採用が横行してしまいます。

労務管理も「経営戦略に沿った最適な労務管理」を意識していないと、現場の部門長や営業部門の言いなりの人員配置や労務管理を行っちゃったりするわけです。

それでも現場や営業部門が経営戦略、っていうか全社の状況を見てくれてればいいんですけどね。現実は自部署だけの都合を考えまくった、労基法の“ろ”の字も知らないような部門長が、部下にサービス残業や朝礼(無給)、休日出勤(無給)を平気で強いるわけですよ。

だから、人事部は各部門が経営戦略に沿ったキチンとした労務管理が出来ているか、常に確認する必要があるんですね。

まぁ、大局観とは一朝一夕で身につくものではありませんが、人事として一流になるためには、経営戦略から末端の作業まで、全てを線でつなげるような視点の高さが必要なんですね。

次回は仕事の概要に軽く触れていきます

次回は

  • 労務管理」って何やるのさ?
  • 「入退社管理」って何さ?
  • 「教育」って学校のと何が違うのさ?

を伝えていきたいと思います。需要があれば(笑)