就活に「アルバイト経験」は使えるか
結論から言うと、使えます。ただし、用法用量を守って正しく使えれば、ですが。
今回は以下の論旨で進めたいと思います。
ちなみに、今回の「就活」には中途採用も含まれます。中途採用において、アルバイト経験しかない人も参考になるかもしれません。
アルバイト経験を何故アピールするのかを明確にする
就活の目的は自分の志望する企業に内定を取る事です。内定を取る為には、企業に認められなくてはなりません。
企業が採用活動をする場合、普通は「こういう人が欲しい」という欲しい人材像が設定されています。
- 男性
- 従順
- 転勤可
- 英語のスキルあり
- 開発部長と気が合いそうな人
- 面接官の好み(!)
こんなかんじ。もちろん、こういったホンネ(でしばしばクリティカルな部分)は外に出て来ませんから、建前や企業情報からホンネを推測する訳です。
そのホンネと、自分の経験や素質が合致すれば、晴れて内定となる訳です。つまり、就活とは、企業が求める人材像に対して、自分の経験や素質を披露し、マッチングを図る市場行動なのです。
その辺りはこちらをどうぞ↓↓
onikuma.hatenablog.jp
さて、あなたがアピールするアルバイト経験のエピソードは、企業が求める人材像のどれを満たすのでしょうか??もっと言うと、アルバイト経験を話す事によって、相手にどう思われたら成功と言えますか??
1.あなたがアルバイト経験を話す
↓
2.相手があなたを「こんな人だ」と思う
↓
3.「こんな人だ」が企業の求める人材像と一致する
↓
4.内定に近づく
こういう図式にならないといけません。
その為にはまずアルバイト経験を面接の場で言う目的を明確化する必要があるのです。
これは何でもいいです。責任感、協調性、忍耐力、はもちろんのこと、可能性を早めに見限る資質、「適度」に法律を破る資質、仲間の不正を糾弾した正義感、など場合によってはマイナスに作用するものまであり得ます。
まずはこれを確定させましょう。
嫌われるアルバイト経験談の特徴
アルバイト経験を話す目的を意識してアピールを構成しないと、それはたいてい嫌われるアルバイト経験談になります。
嫌われるアルバイト経験談とはいかの性質を複数個備えたアピールです。
- 何を言いたいのか分からない
- アピールの根拠が相当甘い
- 頑張りました!アピール
順々に説明します。
何を言いたいのか分からない、とは、「へー凄いね。で、だから何?」とツッコミを入れたくなるようなアルバイト経験談です。
ありがちなのは事実の羅列です。
こういう事実を、淡々とアピールする人が居ますが、「聴いてる人に何を思わせたいのか」がいまいち分かりません。
よって、最低限キチンと「どう思われたいのか」は言うべき。
など、アピールするべきです。
次に、アピールの根拠が相当甘い、は一番多いパターンです。
- 売り上げ3倍を達成しました!だから御社の売り上げにも貢献できます!
- 仕入れのスキルが身につきました!だから仕入れの基本は分かります!
というアピールをしていたら、要注意です。理由はアピールの論旨に「アルバイトで実績上げたんで、社会人でも実績挙げられます!」という部分があるからです。
面接官のオジ様達は言葉悪いですが、アルバイトや学業の功績をナメてます。
正社員として結果を出す>>(超えられない壁)>>アルバイト・学業・ボランティアで結果を出す
という功績ヒエラルキーが頭の中にあるのです。
実際にはアルバイトでも、ノルマがあったり、種々のハラスメントがあって大変でしょう。しかし、それでも正社員のノルマやハラスメントとは雲泥の差があるのです。いや、雲泥どころか、働くとは正社員で激務に耐える事を意味し、学業やアルバイト、ボランティアでの功績は働く事になーんにも寄与しません。
学業やアルバイトでの輝かしい功績ごときが正社員の激務を耐える能力がある証明にはなりません。正社員の激務をナメた、相当甘いあまあまなアピールです。
・・・と、おじさま達は考えてるとみていいです。
なので、「アルバイトで実績上げたんで、社会人でも実績挙げられます!」という論旨は絶対禁止、欠片も見せないようにしましょう。
最後に、頑張りましたアピールとは、以下のようなアピールです。
えっと、バイトでも、派遣でも、正社員でも、ボランティアでも、頑張るのは当たり前です。言われた事を全力で取り組む、なんて、当たり前過ぎてアピールにも何にもなんないんですね。アピールをする為には、言われない事でも率先して取り組んだとか、言われた事以上の成果を出すように工夫したとかが必要です。
つまり、100の成果を出せと言われて、100の成果を出す為に頑張るのは当たり前で、101にする為に自分の裁量の範囲で何が出来るか考えて行動して101の成果が出たか、がアピールなのです。
そこでは101を目指す人もいれば、110を目指す人、更には101にする為に一人でやる方法を取る人、二人でやる方法を取る人、など大きなオリジナリティが出てきます。このオリジナリティが採用の肝であり、採用担当者が深く知りたい所なのです。
アルバイトで101を目指す方法は例えば以下の通りです。
- 品出しをする役目を任されたが、品出しと同時に検品出来る方法はないか考えた
- レジ打ちを任されたが、自分だけでなく全員のレジ能力向上を考えた
- おでんの販売ノルマを課せられたが、おでんと同時に売れるものが無いかを考えた
こういう考えの基に、毎日10時間位費やして観察して、考えて、実行して、結果を出したというアルバイト経験ならものすごく武器になるはずです。
一方で、言われた事を毎日10時間必死に頑張ること自体にはなんの価値もないという事を覚えておいてください。
嫌われるアルバイト経験談とは何かをもう一度まとめると
- 何を言いたいのか分からない
- アピールの根拠が相当甘い
- 頑張りました!アピール
です。
鬼クマさん流「アルバイト経験」アピール法
では、どのように「アルバイト経験」をアピールすれば良いか、をまとめます。
具体的に説明します。
まず、企業がどんな人を欲しがっているかを推測します。急進的な成長をしているのか老舗か、大量採用か少数精鋭か、大企業か中小企業か、長期負債は多いか少ないか、どういった大学出身者を採用しているのか、出来たらホームページではなく実績値がいいです。有価証券報告書とか就職四季報などで確認します。
中途採用の場合はエージェントに「最近その企業ではどういう人が採用されているか」を聞きます。基本的にエージェントは内定までは嘘は言いませんので、信用していいです。
これで、例えばその企業では「スピード」「改革」「起伏」「男女不問」を備えた人材を探している事が分かります。
次に、「スピード」を求められる環境で101を目指したアルバイト経験があるかを思い出します。
「改革」が求められた時に101を目指したアルバイト経験があるかを思い出します。
絶好調の時に150%とか一時的にもの凄い実績を挙げたアルバイト経験があるかを思い出します。
上記が当てはまらなければ、その企業は諦めてください。諦めきれなければ、今やっているアルバイトでそういう経験を作ってしまいましょう。
そして、その経験に「謙虚さ」というトッピングをまぶします。
例えば「レジ打ちに1時間掛かっていましたが、ベテラン社員並みの50分に短縮できました。だから、御社のスピードにも対応できます!」ではなく「レジ打ちに1時間掛かっていましたがベテラン社員並みの50分に短縮できました。御社のスピード感にはまだまだ及ばないと思いますが、入社時には何とかついていけるように今の内から日々スピードを意識して過ごしています。」です。
そのようにアピールすれば、アルバイト経験は大きなものになるはずです。
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たまにはこういう「お役立ち」系も良いかもしれないですね(笑)☆とかブックマークとかいただければこういった「お役立ち」系をもっと載せていきたいと思います。
あと、ビジネスには正解はないので、実践しても効果の100%保証は出来ません。しかし就活本にも本質的にほぼ同じ事が書かれているはずなので、効果はあると思います。
*1:それでも突き進む場合は相当厳しいです