鬼人事クマさんのブログ

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「仕事はクソ」から始めるべき

私は「仕事が楽しい!」「お金を払ってでも仕事をしたい!」という思想や意見が大変苦手で、嫌悪感すら覚えます。そう言う人とはあんまり付き合いたくないです。

はっきり言って、こんな事を言える人が居るなんて理解できません。

一時期冷静に「仕事は楽しいのか」と考えて分析したことがあるのですが、どうしても仕事が本質的に楽しいものと結論付けられなかったのです。

以下は私が冷静に考えた内容を記しますが、これらに賛同いただき、日本がより良い労働環境を備える国となるように密かに祈っていたりします。

仕事が楽しいという幻想

私は誰かが「仕事が楽しい」と言っていたとすると、それははっきり言って嘘だと思います。なぜなら、楽しい事は声高に楽しいとは言わないからです。

私の感じる気持ち悪さはここにあります。

例えばテレビゲームに熱中している時にことさら「ゲーム楽しい!」って人に言わないでしょう。 また、テレビに出る一流のタレントやアスリートが「芸能人ってメチャ楽しい!」「サッカー死ぬほど楽しい!」って言ってますか?

私は全く聞いたことありませんが。 逆に「つらい」とか「厳しい」という意見ならいっぱい聞いたことあります。

だけれども、一部の人は臆面もなく「営業って楽しい!」っていうんですよ。

なぜ?? なぜその楽しさを発見できたの?

一流のタレントやアスリートのようにその世界の頂点を極めるような人達でも感じられない「仕事の面白さ」が、比較的半端な営業担当に感じられるのはなぜ??

また、「営業楽しい!」って言う人に聞いてみたいのですが、無報酬で誰からも注目されなくても、それをやりますか?

「会社が倒産しそうで3ヶ月は給料0。オフィスも解約するから自宅で仕事してくれ。社員は君以外は解雇するから仕事は一人でやって」と言われて、今の仕事を続ける人はどれ位いるのでしょうか。

そう言われてモチベーションがダウンするのであれば、仕事が楽しかったのではなく

  • 評価をされて、報酬を得られること
  • きれいなオフィスで快適に過ごせること
  • 部下に指示を出せて承認欲求を満たせること
  • が楽しかったのではないか?と疑わざるを得ません。

    であれば、別に「仕事が楽しい!」のではなく

  • 高評価を得られるのが楽しい!
  • 快適な住空間に居るのが楽しい!
  • 人の上に立つのが楽しい!
  • というノイズが混じってしまい、純粋に「仕事が楽しい」か分からないわけですよね。

    そして仮にそういった仕事以外の面が楽しかったのであれば、下っ端は報酬は搾取され、誰からも注目されない(注目されるのは精々部門長まで)のですから、いっぱい報酬がもらえて注目される上役から「仕事へやる気出せ!」と言われたところで、仕事へのモチベーションなど上がりようもありません。

    事実が象徴するように「仕事は楽しい」はたいていトップダウンで出てきます。下っ端からはほとんど出てきません。その意味でも、「仕事が楽しい!」のではなく、出世して人・物・金を動かす裁量などが楽しいのであり、仕事それ自体が楽しいかどうかは疑問なんじゃないですか。

    つまり、パティシエという仕事が楽しいのではなく、パティシエの「チーフ」が楽しいのであり、別にエンジニアの「チーフ」でも、営業の「チーフ」でも、楽しい可能性が高いと思うのです。それって、仕事が楽しいとは違いますよね??

    仕事が楽しい!と安易に言っちゃう人は、ここを認識しておく必要があると思います。

    「仕事は楽しい」から発想した改革vs「仕事は絶対クソ」から発想した改革

    私が大好きな外国人の発想に、「仕事は絶対クソ」というものがあります。「絶対」というのは、いかなる状況でもクソだということです。職場環境や労働契約は全てそこから出発しているように思えます。

    一方で、日本だけが「仕事は美徳」という思想があるように思います。つまり、仕事は本来素晴らしいものであり、「仕事は美徳」が目指すべき態度であり、そうなっていないとすればそれは自分(あるいは社会??)の責任において正さないといけない、みたいな思想です。

    これ、本当にダメな思想だと思いますよ。

    なぜなら、「仕事は本来楽しい」「仕事は美徳」(=なるべくした方がいい)という発想から改革をすると悲惨になるからです。

    【「仕事は美徳」の思想からの改革】
  • 休暇増加 → 怠ける気だな?!けしからん!なるべく少なく!
  • フレックスタイム → 怠ける気だな?!けしからん!なるべく固定で!
  • 時短勤務 → 怠ける気だな?!けしからん!なるべく長めに!
  • テレワーク → 怠ける気だな?!けしからん!キチンと見張ろう!
  • ね? 改革しようにも逆方向のベクトルが「非論理的に」ついてしまい、歯止めがかかるわけです。一方で「仕事は絶対クソ」(=なるべくしないほうがいい)という発想から改革するとまるで異なります。

    【「仕事はクソ」の思想からの改革】
  • 休暇増加 → 最大限休めるようにしよう!
  • フレックスタイム → 最大限休めるように短めにしよう!
  • 時短勤務 → 最大限短く勤務しよう!
  • テレワーク → 最大限オフィスに行かないでおこう!
  • 全然結果が違ってきますね。

    でも、「仕事は美徳」の思想の方が利益が上がるでしょう?!と思うかもしれません。しかし、日本の労働者一人当たりの利益は諸外国に大して差がありません。逆に「仕事はクソ」と(少なくとも日本よりはそう)思っているドイツ・フランス・オーストラリアの方が一人当たりの利益が高いのです。

    そして、日本の労働時間はここ40年でどんどん減っていますが、利益は減っていません。労働観も「24時間働けますか」から「ワークライフバランス」へと「働かない方向」にシフトしていますが、利益は減っていないのです。

    つまり、「仕事はクソ」と思っていようが、仕事は美徳だと思っていようが、それだけでは国の豊かさはほとんど変わりませんよ。という事です。豊かさが変わらないのだったら、「仕事はクソ」と思った方が良いのでは?と思います。

    「仕事はクソ」から出発すべき

    よくある誤解が、ドイツ・フランス・オーストラリア人が怠け者であるというものです。はっきり言いますが、彼らは長くは働きませんが、良く働きます。

    日本人は良く働くといいますが、私は「どうなんでしょ?!」と思います。

    たしかに「良く働く」を、思考停止して長時間働く事と定義すればそうなんでしょうけど、利益を上げるために最小かつ最短で働くと定義すると、日本は「良く働く」どころか逆にきわめて怠けものだと思います。

    それが端的に表れるのが会議です。

    会議は基本的に何かを決める、情報を伝達するためにありますので、最小かつ最短で利益を出すためには会議時間が短ければ短いほど、人は少なければ少ないほど良いです。

    ところが日本では逆に明確な議題が無いのに定例会議が開かれ、そこに考えられる最大数の社員を拘束したりします。ある意味、会議時間は長ければ長いほどよく、人は多ければ多いほど良いの発想です。

    外国では「仕事はクソ」という思想ですから、もちろん会議もクソになります。つまり、一刻も早くクソ会議を終えよう!という合意が全員でなされているわけです。

    そこでは少しでも非生産的な意見を言ったり主旨と関係のない持論を展開したりすると、メンバー全員がクソを掴む時間が延びる訳ですから、後ほど激しく叱責されるでしょう。

    つまり、なるべくクソを避けたいという欲求が、最小かつ最短でそれに向き合うようになるという行動に結びつき、結果として短い時間で効率良くこなすという業務改善・生産性の向上に繋がっているのです。

    一方で、仕事は美徳であるという思想では、もちろん会議の時間も美徳であり正義でもあるので、会議時間自体を減らしたり、回数を削減するという動機が生まれにくいです。そして明確な議題も目的もないまま、延々と演説を始める部門長の話を聞くことになるのです・・・。

    「仕事はクソ」という意識がサービス残業を撲滅する

    あなたはいくらもらえばクソを手づかみしますか?

    あなたは報酬を渡すと約束してクソを手づかみさせた後、その約束を反故にして平気でいられますか?

    私たちの中で、無料でクソを掴む人は居ません。また、クソを掴ませておきながら平気な人もいません。ひどく苦痛を味わうものだから、クソを掴むという行動にはそれなり の代償を用意することになるのです。

    本来労働とは「クソを掴むようなもの」として広く認識した方が健康的だと思います。労働とは労働者にクソを掴ませる事に等しいという認識が日本全体にあれば、賃金支払いという、約束を反故にしてのうのうと経営している経営者は皆無になるはずです。

    ここを「仕事で成長!」とか「仕事は美徳!」とか「仕事をしてこそ一人前!」みたいなプラスイメージで固めてしまうと、賃金支払いを逃れている経営者や、それを取り締まるべき国の心が痛まなくなってしまいます。

    また、労働者自身も「成長するために賃金もらえなくても我慢しよう!」と我慢してしまいます。そしてあろうことか、経営者でもないのに「終業後の会議に(無給で)出ろ!」と言う自称管理職(通称労働者)がかなり居たりしますが、彼らにとっては「仕事はクソ」ではないのです。

    しかし「仕事はクソ」だと考えている外国人や私のような一部の労働者にとって「仕事はクソ」なのであり、クソを掴むことが労働であり、その報酬が「成長」ではとてもではないですが我慢できないのです。

    日本全国民が本当に労働を嫌い、「クソを掴むか、会社に行くか…。う~~~ん迷う!」位になれば、賃金不払いも今よりは改善するはずです。

    日本がそろそろそういう社会に舵を切っていく事を切に願っています。

    働き方改革では生産性を考えてはいけない

    働き方改革を議論しているときに「生産性の向上の観点から、テレワークには懐疑的」という意見がありました。

    働き方改革先進国アメリカでは生産性の向上が測れないからすでにテレワーク導入は見送られ、「オフィスに出勤」へと回帰しているとかなんとか。

    私は働き方改革は生産性の向上の為に導入を検討すると必ず足踏みして失敗すると思う。なぜなら、働き方改革は生産性の向上の為のモノではないからだ。

    働き方改革は生産性で測ると失敗する

    政府の言うように、働き方改革の表向きの意図は生産性の向上と言われていて、働き方改革は政府の最重要課題と位置付けられています。

    6月にも「働き方改革関連法」が成立し、ますます働き方改革の文字が躍っています。それに付随して、テレワークやサテライトオフィステレビ会議などのリモートワーク関連の情報、裁量労働制の拡大や同一労働同一賃金など人事制度の情報があふれています。そして、それらの実効性をうたう際には必ず「生産性」を持ち出して来ています。

    生産性の概念を詳しくは説明しませんが、簡単に言うと「いかに短く、濃く働くか」という事です。それ自体は経営者として目指すべき物で間違いはありません。

    しかし、問題なのは働き方改革=生産性向上施策という固まった考え方です。

    なぜなら、顔を突き合わせて、議論する方が生産性が高いに決まってるからです。確かにテレワークも便利ではありますが、フェイストゥフェイスの密度には敵いません。

    例えばテレビ会議と顔を突き合わせての従来の会議を比較します。

    テレビ会議はやはり画面越しに発言をすると空気感が読めなくなりますし、多人数が同時に発言をする事がはばかられるので、「妙な間」が頻出します。カメラ越しに相手の顔しか見えませんから、身体全体から発せられるメタメッセージも拾えません。結果的にテレビ会議ではコミュニケーションの深度は浅くなりがちです。

    会議をやる1時間だけ切り取ると、テレワークよりも顔を突き合わせて会議をやる方がはるかに生産性は高いです。

    これはオフィスと在宅勤務も一緒です。働くことに最適化されたオフィスと働く以外の「生活」に最適化された自宅とで比較した場合に、前者の方が効率的である事が多いです。

    つまり、移動しなければならないという弊害もありますが、単純に行為そのものの生産性だけを考えると、オフィスに毎日出勤して会議に出席するというスタイルは実に生産性が高いと言えます。

    移動についても、どこにどのように住んでいるかは個人差が大きく、労働時間が劇的に改善する人もいれば、それほど改善しない役員まで効果はまちまちです。

    つまり、テレワークをやったら会議や仕事の内容が遥かに向上し、全員の生産性が著しく上がりました!というのは現状かなりハードルが高いと言えます。

    ちなみに、会議で何も決まらない企業はテレワークを導入しても何も決まらないです。運転技術がへたくそな人はどんな車を運転しても事故を起こします。

    しかし、それでも働き方改革は本気で導入しなくてはならないと考えています。当然、生産性低下は避けられませんし、利益も減るかもしれません。しかし、導入せざるを得ない状況が間もなくやってくるのです。

    導入せざるを得ない状況とは何でしょうか?

    それは、導入できなければ優秀な人材がどんどん流出する時代になる、という事です。その状況にあっては、働き方改革を導入する際に留意するべきポイントは「生産性をどう高めるか?」ではなく「いかに生産性を減らさずに導入できるか?」が焦点になって来るはずです。

    もはや、働き方改革を導入するかしないか、ではなく、導入することを前提として、いかに折り合いをつけていくかという話になります。例えば今は育児休暇を設定するか否かを「生産性の観点」から論じる段階にはないはずです。育児休暇は設定するものとして考えて、ではどのように設定すれば利益現象が最小限(もしくは少しでもプラス)になるかを検討するというものです。それと一緒の状況が訪れるわけです。

    働き方改革は人材引き留めのボトルネック解消側面が強い

    ではなぜ、導入せざるを得ない状況になると言い切れるのでしょうか。それは30~40代の男女労働者に今後降りかかる「3K」問題があるからです。3Kとは私の命名で「介護、子育て、家事」の頭文字をとっています。

    「3K」によって、働き盛りの30〜40代の男女労働者が大量に離職してしまう。しかも、労働者は3K以外には職場にとても満足しており、職場環境もとてもブラックとは言えない。そんな状況が訪れる事を「3K」問題も言います。

    これ、今はまだ建設など一部の業種にしか人事問題としてクローズアップされていませんが、早晩、大きな人事上の問題として取り上げられる事は確実です。なぜなら、女性や高齢者の社会進出に伴い、専業主婦や親という3Kの分業担い手が不足してきている状況、かつ、単純にその層の労働者が減るため、ますます進行していくからです。

    確かにルンバや食洗器が高度化すれば、家事の解消は出来るかもしれませんが、介護は解消不可能でしょう。高齢者の介護は「下手したら死ぬ」という状況ですから、介護ロボットが出来たとしても、100%安全に確実に危篤状況が判断できる、という完璧なものでも出来ない限り、普及には至らないはずです。 仮にそんな高度な判断が出来る介護ロボットが出来るのであれば、もはや人が労働しているかも疑問なきわめて進んだ世の中になっており、そんな時代が直ぐに日本に登場するとは思えないのです。

    まして、子育てロボットが出来たとしても、子育てのすべてをロボットに担ってもらう事はないはずです。やっぱり自分の子どもの成長は間近で見たい。子育ては大変ですが、そのすべてを肩代わりしてもらう事を人は望みません。

    このように、女性や高齢者の社会進出ととともに、今まで彼らに押し付けてきた3Kが30~40代の夫に降りかかって来るのは避けられません。

    更に、いくら高給でも「家族を犠牲にできない」という価値観が離職に拍車を掛けます。1世帯当たりの構成員の減少により、親族は減少の一途です。親族が減るという事は、一人一人の重みが増えるという事で、ますます「我が子はかわいい」になるわけです。

    他方、今まで運命共同体で「家族」でもあった会社では、終身雇用と年功序列が薄れ、解雇されないまでも一生飼い殺しにされる先輩を量産するなど、会社の冷たい本音が露わになっています。会社に対して一生尽くすつもりで頑張っても、過去と比べて相対的にリスクが高まり、リターンが減っているのです。

    つまり、「会社よりも親族に重きを置く」という欧米では当然の価値観が、今後の主流になってもなんらおかしくはない状況が産まれつつあります。

    「労働者が減る問題は移民を受け入れれば大丈夫」という意見もあります。確かに移民を積極的に受け入れれば単純労働者は増えます。しかし、欲しいのは、10~20年前線で働いて、確かな経験と知見をもった30~40代の労働者なのです。

    移民を大量に受け入れれば、勤続1年以内でも立派に働けるような飲食や小売、清掃業に低スキル者が溢れるかもしれませんが、勤続10年以上を要するようなベテランエンジニアなどは補充することはそうそう出来ないはずです。

    なぜなら、それほどのスキルを持っているのであれば母国に帰るか、アメリカやインドに行き、よほど高い給与で働くからです。

    日本人で30~40代の男性が担うようなベテランからエース級の働きを外国人に要求するには、日本は社内公用語の英語化や税法などのソフト面から、通勤電車や居住などのハード面まで整備し、インド・シンガポール・香港・アメリカと闘わなければなりません。

    働き方改革はスタートアップが特に有効

    この待ったなしの働き方改革ですが、これはスタートアップベンチャーにとってはかなりの追い風になるはずです。

    これからは世帯収入=夫の稼ぎという図式が崩れ、世帯収入=妻の収入+夫の収入(+親の年金)という図式になり、世帯収入の最大化を考えたときに、必ずしも夫の収入の優先度は高くなりません。

    つまり、夫の収入が1,000万円でなくても、夫が500万円、妻も500万円稼いで、両親が100万円ずつの年金を入れればトータルで1,200万円の世帯年収じゃん!という考え方が広がるのです。それは「稼げる男性が減少」した一方で「稼げる女性が増加」した事による当然の帰結です。

    昔は世帯年収で1,000万円稼ぐためには、夫が16時間休みなく毎日働くしかなかったわけですが、今は共働きで7時間ずつ500万円働くという選択肢も十分にあります。昔はそれしか方法が無かったので、会社の会議に出席するために泣く泣く我が子の卒業式を欠席する夫と残念に思う妻も多かったと思うのですが、今は共働きであれば十分に1,000万円級の裕福な生活が出来ます。それゆえ、例え各々が高い給与を得られるハイスキル夫婦でも「年収500万円でも我が子の卒業式には参加できる企業」に敢えて就職して世帯年収1,000万円で暮らしたとしても何ら不思議ではありません。

    実際、我が子と一緒に、無理なく毎日夕飯が食べられます!という状況を100万円出しても欲しい夫婦は多数いるはずです。であれば、ある企業において、同業他社より100万円給与水準が低いとしても、毎日確実に我が子と朝食や夕食を共に出来るというオファーが出せれば共働き世帯に十分訴求できるわけです。

    また、働き方改革に限る話ではないのですが、改革は多人数への根回しや政治力が比較的不要な少人数の組織に有利です。逆に根回しを周到にすることが求められる大きな組織にはとても不利です。

    働き方改革のような新しい働き方を導入すると、一時的に生産性が大きく下がります。慣れないITを駆使しないといけない、今までのルールが通用しなくなる(PCの持ち出しが禁止されるなど)、自分の頭の中でやっていた仕事を明文化しないといけなくなる、といった制限が出てきます。こういった生産性の低下要因は高齢社員ほど大きな悪影響になるため、彼らが真っ先に抵抗勢力となり導入は進まない事が多いです。

    また、高齢社員はあと数年間無事に勤め上げる事が至上命題であり、10年後を見据えて今の生産性を大きく落としてリスクを取りましょう!と言ったところで、受け入れる可能性はほぼありません。

    一方で全員が30代の小規模組織であれば10年後を見据えた改革もすんなり受け入れられるでしょう。10年後でも40代で、まだ20年は勤めなくてはなりませんから。全員が若い30代で組織されているというのはスタートアップの典型例ですね。

    しかし、いくらスタートアップが働き方改革で有利だとしても、気を付けなくてはならないのは、旧態然とした長時間労働や転勤の強制は確実に解消しなくてはならないという事です。

    大手よりも年収や経験の幅が少ない以上、大手が12時間労働で1千万円を提示するのに対して、同じ12時間800万円では労働者にとって就職する意味が無いです。3Kを抱えた労働者を狙い撃ちにするわけですから、介護や子育て、家事が無理なく出来るような圧倒的なインセンティブが必要です。そして、現状では介護や子育てに必要なのは時間と勤務地の自由です。

    つまり、フレキシブルな労働時間(×だからと言って長時間は禁止)と勤務地を保証すれば、たとえ大企業で1,000万円はもらうであろうハイスペック人材も800万円程で採れる可能性があることを意味しています。

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    私も30代後半を迎え、親の介護を本気で心配しなければなりません。そんな時に「長時間労働で全国転勤と長期出張よろしく!」と言われると、例えやりがいある仕事で給与が高いとしても非常に困ります。

    それでもなお大企業が「長時間労働と休日出勤、全国転勤と長期出張よろしく!」と労働者に強いるのであれば、そういった困った労働者を狙い撃ちにするスタートアップ企業に人材がどんどん移動してしまい、日本全体の生産性が下がりかねません。

    働き方改革は一過性のブームでは終わりません。大企業の人事こそ、真剣に考えて取り組まなければなりません。

    「どうすればいいですか?」はあなたの年収を下げる魔法のことば

    転職経験3回、10年以上人事をやっていると、いろいろな人を見てきます。

    新卒で採用されて、順調に主任に上がるもの、上がらないもの。

    中途で採用されるも頭角を現さずにどんどん埋もれていくもの。期待通りの成績を残すもの。

    派遣社員で活躍し、正社員を凌駕する実力を備えつつも、制度の壁は越えられずに苦悶するもの。辞めるもの。

    本当にいろいろな人を見てきましたが、「出来ない人」の特徴には一つの共通点がある事を数年前に発見しましたのでお伝えします。

    これは中途新卒関係ありません。年齢も関係ありません。役職は・・・関係あります。

    「どうすればいいですか?」を平気で聞く

    これです。この言葉を上司や同僚にすぐ投げかける人で出世している人や、いわゆる「デキる」人を見たことがありません。

    仕事は大まかに2種類に分かれます。一つは定型業務、もう一つは非定形業務です。

    そしてほぼ例外なく以下の関係性が成り立ちます。

    2つの仕事

    • 定型業務・・・答えが分かる。低賃金。ミドルリスク・超低リターン。誰がやっても成果の質は同じ。量は異なる
    • 非定型業務・・・答えは分からない。高賃金。ハイリスク・超高リターン。人によって成果の質・量ともにものすごく異なる。

    さて、冒頭の「どうすればいいですか?」は定型業務に対する答えを聞いている状況です。つまり、「どうすればいいですか?」と聞いて答えが返ってくるとしたら、その人は定型業務しかやっていない証拠です

    ずっと仕事を続けていると、早晩、低賃金にあえぐことになるか、または転職できずに今の職場にしがみつくことになります。これは100%間違いありません。いっぱいいろんな人を見てきた中で、そして自ら転職市場に身をさらす中で実感してきた体験知です。

    たとえば「人を笑わせる業務」という仕事を請け負ったとします。そこで「どうすればいいですか?」と上司や同僚に聞いたとしましょう。

    そこでAさんは「お笑い芸人を呼んで。予算は120万円くらいだから、経理に決済もらっておいて。」と先輩から優しく指示を受ける環境で過ごしたとします。一方でBさんは「そんなの分かんねぇから、自分で考えてやってくれ」と先輩から厳しく放置される環境で過ごしたとします。

    仕事の環境

    • Aさん・・・何をすればいいか指示をくれる環境に身を置く
    • Bさん・・・何をすればいいか自分で考えないといけない環境に身を置く

    Aさんは「お笑い芸人を呼ぶ」「経理に決済をもらう」という仕事をします。もちろん、笑わすことが出来ないという失敗をしてしまう事はAさんには訪れるでしょう。しかし、Aさんの失敗は先輩の責任になります。

    Bさんは「相手をくすぐる」という暴挙をします。もちろん、確実に失敗してしまいますからBさんは激しく怒られます。そうしてBさんは自分の考えがとても幼稚であると自覚、反省し、勉強し、考え方を鍛えていきます。

    さて、両者が3年経つとどのような人材になっているでしょうか。

    AさんBさんの3年後

    • Aさん・・・どのような仕事をすべきか考えられないが、指示された業務を的確にこなす社員になる
    • Bさん・・・指示された業務は的確にこなせないが、どのような仕事をするべきか考えられる社員になる

    さて、会社に依頼する仕事の大本をたどれば、そのほとんどが非定型業務です。

    • 人を笑わせる
    • 売上をあげる
    • 痛みを取り除く
    • 美味しいものを提供する

    これらは「これをすれば100%完璧!」な答えなど存在しません。全国民をいかなる状況でも笑わせられるコメディアンなんていませんし、どんな痛みも取り除く万能鎮痛剤もありません。

    よって、仕事を引き受ける場合には「まずは何をやるべきか?!(やらないべきか?!)」を考える必要があり、その答えがないからこそ人によってそのアウトプットが大きく左右されるものであり、その報酬も青天井が付くものになります。

    しかし、「人を笑わせる業務」という非定型業務を引き受けたとしても、先輩がそれを「お笑い芸人を呼ぶ」と「経理に決済をもらう」という仕事に分解してしまい、それを定型業務化して後輩に投げてしまいます。(それが先輩の仕事でもあります)定型業務なので、別に私がやる必要ないですし、誰がやってもある程度結果は同じになります。

    なのでそのような定型業務は基本的に高賃金の正社員がやる必要はなく、低賃金の非正規雇用の労働者が担います。誰がやってもある程度同じ結果が得られるわけですから、わざわざ高い賃金の者に仕事を振る道理が無いのです。

    それゆえに、高い賃金を得ようと思うのであれば、非定型業務を担える先輩にならねばならず、そのため率先してBさんの環境に身を置くべきであり、Aさんの状況に居て「上司が手取り足取り教えてくれる」なんて喜んでいる場合ではないのです。しかし残念ながらそれを分かっていない人がよく言う定型業務を担う人材に自らを降格させる魔法のことばが「どうすればいいですか?」です

    常に「HOW」と「WHY」を考える

    私自身が転職市場で職に困らないキャリアを送れている一つの肝は、「上司に「Yes/No」で答えさせる聞き方のみをする」という意識があります。

    たとえば「新卒採用年間で10名」という仕事を任されたとします。

    低年収にあえぐ人は「どうすればいいですか?」とか「昨年と同じで良いですか?」と聞きます。

    一方で私は「学校訪問で母集団を500名集めようと思います。ただし採用人員が3名は必要になるので、佐藤さんと吉田さんを補助につけたいのですがいかがですか」と聞きます。

    両者の違いはわかるでしょうか。

    低年収にあえぐ人は「HOW(どうするのか?)」と「WHY(なぜその手段を取るのか?)」を全然考えていません。一方で転職市場で価値が高い人はそれらをすべての業務に於いて考え抜いてきます。そして、転職の面接では問われるのは「HOW」と、特に「WHY」です。

    もちろん、働く方にとっては「HOW」や「WHY」を考える事はすごく難しいですし、時間もかかるのでやらない方がマシに見えます。

    しかしそういう訓練を受けてきたりチャンスをものにして来た者でなければ、まともな転職が出来ない時代になっています。長期的にみると、若いうちから「HOW」や「WHY」を考え抜いて自分を鍛えておいた方が、後々安定した人生を送れるようになっているのです。

    今からでも遅くない!自分の市場価値を高める方法

    30歳以上の方で、主担当の業務について「HOW」と「WHY」を細かく答えられない方は要注意です。しかし、明日からの心がけ次第で転職には困らない人材へと昇華していくはずです。

    • どうすればいいですか?は今後一切禁句。言う時は自分の葬式の時だけ!くらいの気概を持つ
    • 上司や同僚には自分のプランに対して「Yes/No」しか言わせない
    • 上司や同僚から「判断できないから○○という情報をくれる?」と言われたら、準備出来なかった自分を思いっきり悔しがれ
    • 定型業務は徹底的にマニュアル化し、喜んで定型業務を引き受ける低年収者に回す
    • 上司や同僚との関係は「経過報告と承認のみ」がベスト。連絡と相談は不要(という状況が望ましい)
    • とは言っても、礼儀・雑談・飲みを含めたコミュニケーションは絶やすな(上司や同僚も人間)

    以上です。事実、私の仕事中の態度ですが、なかなかうまくいっています。ただし、疲れますけどね(笑)

    就活に「アルバイト経験」は使えるか

    結論から言うと、使えます。ただし、用法用量を守って正しく使えれば、ですが。

    今回は以下の論旨で進めたいと思います。

    • アルバイト経験を何故アピールするのかを明確にする
    • 嫌われるアルバイト経験談の特徴
    • 鬼クマさん流アルバイト経験アピール法

    ちなみに、今回の「就活」には中途採用も含まれます。中途採用において、アルバイト経験しかない人も参考になるかもしれません。

    アルバイト経験を何故アピールするのかを明確にする

    就活の目的は自分の志望する企業に内定を取る事です。内定を取る為には、企業に認められなくてはなりません。

    企業が採用活動をする場合、普通は「こういう人が欲しい」という欲しい人材像が設定されています。

    • 男性
    • 従順
    • 転勤可
    • 英語のスキルあり
    • 開発部長と気が合いそうな人
    • 面接官の好み(!)

    こんなかんじ。もちろん、こういったホンネ(でしばしばクリティカルな部分)は外に出て来ませんから、建前や企業情報からホンネを推測する訳です。

    そのホンネと、自分の経験や素質が合致すれば、晴れて内定となる訳です。つまり、就活とは、企業が求める人材像に対して、自分の経験や素質を披露し、マッチングを図る市場行動なのです。

    その辺りはこちらをどうぞ↓↓
    onikuma.hatenablog.jp

    さて、あなたがアピールするアルバイト経験のエピソードは、企業が求める人材像のどれを満たすのでしょうか??もっと言うと、アルバイト経験を話す事によって、相手にどう思われたら成功と言えますか??

    1.あなたがアルバイト経験を話す

    2.相手があなたを「こんな人だ」と思う

    3.「こんな人だ」が企業の求める人材像と一致する

    4.内定に近づく

    こういう図式にならないといけません。

    その為にはまずアルバイト経験を面接の場で言う目的を明確化する必要があるのです。

    これは何でもいいです。責任感、協調性、忍耐力、はもちろんのこと、可能性を早めに見限る資質、「適度」に法律を破る資質、仲間の不正を糾弾した正義感、など場合によってはマイナスに作用するものまであり得ます。

    まずはこれを確定させましょう。

    嫌われるアルバイト経験談の特徴

    アルバイト経験を話す目的を意識してアピールを構成しないと、それはたいてい嫌われるアルバイト経験談になります。

    嫌われるアルバイト経験談とはいかの性質を複数個備えたアピールです。

    • 何を言いたいのか分からない
    • アピールの根拠が相当甘い
    • 頑張りました!アピール

    順々に説明します。

    何を言いたいのか分からない、とは、「へー凄いね。で、だから何?」とツッコミを入れたくなるようなアルバイト経験談です。

    ありがちなのは事実の羅列です。

    • 入社して2ヶ月でアルバイトリーダー任されました!
    • アルバイトリーダーとして十数人のシフトを調整して組みました!

    こういう事実を、淡々とアピールする人が居ますが、「聴いてる人に何を思わせたいのか」がいまいち分かりません。

    よって、最低限キチンと「どう思われたいのか」は言うべき。

    • 入社して2ヶ月でアルバイトリーダーを任されました!理由はとにかくバイトを入れまくって店長の信頼を得られたからです!体力と行動力には自信があります!

    など、アピールするべきです。

    次に、アピールの根拠が相当甘い、は一番多いパターンです。

    • 売り上げ3倍を達成しました!だから御社の売り上げにも貢献できます!
    • 仕入れのスキルが身につきました!だから仕入れの基本は分かります!

    というアピールをしていたら、要注意です。理由はアピールの論旨に「アルバイトで実績上げたんで、社会人でも実績挙げられます!」という部分があるからです。

    面接官のオジ様達は言葉悪いですが、アルバイトや学業の功績をナメてます

    正社員として結果を出す>>(超えられない壁)>>アルバイト・学業・ボランティアで結果を出す

    という功績ヒエラルキーが頭の中にあるのです。

    実際にはアルバイトでも、ノルマがあったり、種々のハラスメントがあって大変でしょう。しかし、それでも正社員のノルマやハラスメントとは雲泥の差があるのです。いや、雲泥どころか、働くとは正社員で激務に耐える事を意味し、学業やアルバイト、ボランティアでの功績は働く事になーんにも寄与しません。

    学業やアルバイトでの輝かしい功績ごときが正社員の激務を耐える能力がある証明にはなりません。正社員の激務をナメた、相当甘いあまあまなアピールです。

    ・・・と、おじさま達は考えてるとみていいです。

    なので、「アルバイトで実績上げたんで、社会人でも実績挙げられます!」という論旨は絶対禁止、欠片も見せないようにしましょう。


    最後に、頑張りましたアピールとは、以下のようなアピールです。

    • バイトで無遅刻無欠勤でした!
    • バイトで毎日10時間位は働いてました!(恐らく労基違反)
    • 3日連続徹夜しました!(恐らく労基違反)

    えっと、バイトでも、派遣でも、正社員でも、ボランティアでも、頑張るのは当たり前です。言われた事を全力で取り組む、なんて、当たり前過ぎてアピールにも何にもなんないんですね。アピールをする為には、言われない事でも率先して取り組んだとか、言われた事以上の成果を出すように工夫したとかが必要です。

    つまり、100の成果を出せと言われて、100の成果を出す為に頑張るのは当たり前で、101にする為に自分の裁量の範囲で何が出来るか考えて行動して101の成果が出たか、がアピールなのです。

    そこでは101を目指す人もいれば、110を目指す人、更には101にする為に一人でやる方法を取る人、二人でやる方法を取る人、など大きなオリジナリティが出てきます。このオリジナリティが採用の肝であり、採用担当者が深く知りたい所なのです。

    アルバイトで101を目指す方法は例えば以下の通りです。

    • 品出しをする役目を任されたが、品出しと同時に検品出来る方法はないか考えた
    • レジ打ちを任されたが、自分だけでなく全員のレジ能力向上を考えた
    • おでんの販売ノルマを課せられたが、おでんと同時に売れるものが無いかを考えた

    こういう考えの基に、毎日10時間位費やして観察して、考えて、実行して、結果を出したというアルバイト経験ならものすごく武器になるはずです。

    一方で、言われた事を毎日10時間必死に頑張ること自体にはなんの価値もないという事を覚えておいてください。

    嫌われるアルバイト経験談とは何かをもう一度まとめると

    • 何を言いたいのか分からない
    • アピールの根拠が相当甘い
    • 頑張りました!アピール

    です。

    鬼クマさん流「アルバイト経験」アピール法

    では、どのように「アルバイト経験」をアピールすれば良いか、をまとめます。

    • まずは、企業がどんな人を欲しがっているかを推測してください。スピード/慎重、改革/維持、起伏/安定、男性/女性など、どちらを優先するかは企業によって違います
    • 次に自分がその要素を持っているかを確認してください。持っていなければ志望を切ってください。*1
    • そしてその要素を、アルバイト経験を根拠に出来ないかを考えてみてください。ただし、根拠は謙虚に探っていきます。

    具体的に説明します。

    まず、企業がどんな人を欲しがっているかを推測します。急進的な成長をしているのか老舗か、大量採用か少数精鋭か、大企業か中小企業か、長期負債は多いか少ないか、どういった大学出身者を採用しているのか、出来たらホームページではなく実績値がいいです。有価証券報告書とか就職四季報などで確認します。

    中途採用の場合はエージェントに「最近その企業ではどういう人が採用されているか」を聞きます。基本的にエージェントは内定までは嘘は言いませんので、信用していいです。

    これで、例えばその企業では「スピード」「改革」「起伏」「男女不問」を備えた人材を探している事が分かります。

    次に、「スピード」を求められる環境で101を目指したアルバイト経験があるかを思い出します。
    「改革」が求められた時に101を目指したアルバイト経験があるかを思い出します。
    絶好調の時に150%とか一時的にもの凄い実績を挙げたアルバイト経験があるかを思い出します。

    上記が当てはまらなければ、その企業は諦めてください。諦めきれなければ、今やっているアルバイトでそういう経験を作ってしまいましょう。

    そして、その経験に「謙虚さ」というトッピングをまぶします。

    例えば「レジ打ちに1時間掛かっていましたが、ベテラン社員並みの50分に短縮できました。だから、御社のスピードにも対応できます!」ではなく「レジ打ちに1時間掛かっていましたがベテラン社員並みの50分に短縮できました。御社のスピード感にはまだまだ及ばないと思いますが、入社時には何とかついていけるように今の内から日々スピードを意識して過ごしています。」です。

    そのようにアピールすれば、アルバイト経験は大きなものになるはずです。

    ---

    たまにはこういう「お役立ち」系も良いかもしれないですね(笑)☆とかブックマークとかいただければこういった「お役立ち」系をもっと載せていきたいと思います。

    あと、ビジネスには正解はないので、実践しても効果の100%保証は出来ません。しかし就活本にも本質的にほぼ同じ事が書かれているはずなので、効果はあると思います。

    *1:それでも突き進む場合は相当厳しいです

    面接の達人は居ても、面接官の達人は居ない

    面接の達人と言う本があります。

    面接の達人2018 バイブル版 (MENTATSU)

    面接の達人2018 バイブル版 (MENTATSU)

    久しぶりに書店で立ち読みしました。面接官だったころは毎年必読で、受け答え丸暗記型の学生に対して「その志望動機、メンタツ(面接の達人の略称)まんまだね?」といじめ・・・いや、鋭角な質問で受験者の心をえぐったものです。

    これを見ると「本当に学生さんは大変だなぁー」と思う一方、私が就活生だった頃と何も変わってない就活の現状に絶望的になります。具体的に何を絶望しているかというと、そういう現状そのものではなく・・・

    今の就活スタイルに疑問を感じ、改善をしないセンパイ人事達

    です。

    ここ10年で本当に何も変わってないです。恐らくですが、リクナビが出来てから、20年程全く変わってないと思います。

    それは50年続いている終身雇用と年功序列の上で、「就活は洗練されつくした」と言う人も居ると思いますが、私は現在の就活は全く洗練されていない、極めて生産性の低いシステムだと思っています。

    今回は、鬼人事から見て、どの点を絶望したのかを記します。

    絶望その1:面接1発勝負のフローを改善しない

    面接の達人Web記事にも以下のように書かれています。

    じっくり話してみると面白い人材なのに、10分間の面接で、自分を売り込むとなると、さっぱりよさが伝わってこないのだ。
    -中略-
    たかだか10分やそこらで人間を判断されてはたまらない、と君は言うかもしれない。
    そういう人はサラリーマンには向いていないから、ペンションでも経営したほうがいい。
    ビジネスの現場では10分で商談を進めていかなければならないのだ。

    現状での面接では確かにその通りです。人気企業であれば10分かそこらの面接で採否を決定します。

    でも、それ、本当に良いの?

    企業は大事な商談を10分のプレゼンのみで進めたりはしません。サラリーマンの生涯賃金が2億円とすると、40年で2億円の投資案件に対して、10分×3回のプレゼンで全てを決めるなんて無謀なフローは設定しません。

    実際に投資案件をコンペで決める場合

    • 企業担当者が、複数回、候補企業とのミーティングを重ね
    • 企業担当者が、候補企業の情報収集をし
    • 候補企業が、企業担当者へ、数十ページの企画書を複数回提出し
    • 企業担当者が、莫大な費用を掛けて与信調査し
    • 企業担当者が、役員への説明の為の内部資料を作り
    • 複数の候補企業が、一同に会議室に集まり、コンペを行う

    位のフローは最低限設定するでしょう。

    確かに最後のコンペで与えられる時間は10分かもしれませんが、候補企業はそれまでに複数回、それこそ数時間かけて企業担当者と会っていますし、候補企業からA4で100枚超の莫大な量の提案書を企業担当者は受け取っています。

    もし、就活スタイルで2億円の投資案件をコンペで決めるならば

    • 企業担当者が、候補企業の情報収集をし(ただし履歴書・ESと同程度、つまり、パンフレット程度の情報)
    • 企業担当者が、役員への説明の為の内部資料を作り(ただし面接評定票と同程度、つまり、A4で2枚)
    • 複数の候補企業が、一同に会議室に集まり、コンペを行う
    というフローになります。


    これ、実際にやったら役員からブン殴られますからね(笑)


    「こんなA4で4,5枚の情報ぽっちで判断できるわけないでしょ!」
    候補企業とどれ位ミーティング重ねたんだ?・・・30分?ヤル気あるのか!!」
    「2億円の案件だよ!?分かってる?!」
    ビシッ!バシッ!ドカッ!(笑)

    就活スタイルというのはこんなずさんな状態な訳です。それなのに、学生に対し「面接10分1発勝負で自分を売り込めなきゃサラリーマン失格だ!」なんて、私から言わしてもらえば「そんなフローで2億円の投資案件を判断する採用担当こそサラリーマン失格だ!」です。*1

    こういうサラリーマン失格な採用担当がうようよいるせいで、以下のようなリスクが放置されています。

    • 本来なら非常に優秀な人材だが、1発勝負で緊張した人を低評価するリスク
    • 実務能力が劣り、プレゼンテーション能力(容姿含む)に長けた人材を高評価するリスク
    • プレゼンテーション能力が比較的不要な事務職や研究職に対して、その能力が評価に深く相関するリスク

    結果的にリスクは顕在化し毎年相当数の受験者が正しく評価されずにいるから、メンタツが毎年のように売れ続けているんじゃないでしょうか。

    例えば共通一次面接会を実施すれば、これらのリスクは相当程度減らせると思いますが、企業はそういう事をキチンと考えてる?と絶望するわけです。

    絶望その2:メンタツ本は多いが、メンセツカンタツ本は少ない

    面接の達人をメンタツと呼ぶならば、面接官の達人すなわちメンセツカンタツはあるのでしょうか。

    Amazonで「面接」と入力して、本を検索した結果がこれです。
    Amazon CAPTCHA

    • 就活生向けの面接本 24冊中、15冊
    • 面接官向けの面接本 24冊中、5冊

    ※学校面接など就活以外が4冊

    面接は高度なスキルが求められますし、新卒で1人2億円、10人新卒採用したらの20億円の40年投資です。それなのに、メンセツカンタツが比較的求められていない事実・・・。

    学生の方がよほど確りと就活に対して「仕事」しているように思えるのは私だけでしょうか。

    かく言う私は面接官になる事が決まった時、メンセツカンタツを3冊程買い、そこに書かれている心理学的な素養を得る為にロジャーズとマズロー心理学の本、フットインザドアー・クローズドクエッションと言った会話法を学ぶ為の本、あとは面接のタブー*2を記した小冊子などを購入したのを記憶しています。

    このように面接官たる者全てがメンセツカンタツを買い求めれば、もっとAmazonがにぎわうと思いますが、現実にはそうなっていません。書店に行ってみると、その差は恐ろしいほど顕著です。

    私自身が就活・転職活動を通して、これまで数十人の面接官*3に会いましたが、しまった!見抜かれた!スゲー!と尊敬できる面接官は20%程で、60%は印象操作と籠絡が可能な普通レベル、20%は入社意思を削ぐような面接官失格レベルでした。

    これ、「入社後に自社で育てるから、採用した新卒者が最低限レベルの素養を持っていればぶっちゃけ関係ない」と考える人事と、「退職した新卒入社者と採用活動との関連性」を深く考えない経営者が多いからだと思いますが、本当にもったいない事です。

    メンタツを読んで、確りと自分をアピール出来るように準備する就活生を企業が望むのと同じレベルで、メンセツカンタツを読んで確りと受験者の本質を汲みとれる準備をする面接官が望まれるべきだと思います。

    ---

    以上、絶望理由を挙げたわけですが、つまり「面接の達人は居ても、面接官の達人は居ない」「本気で就活に励む就活性が大勢いる一方で、本気で採用業務に励む企業が少ない」という状況が容易に推測できる状況に絶望しているわけです。そこに大いに無駄やリスクがあるだろう、と。

    しかし、そもそも面接官が達人にならなくても十分に応募者を選考できる、応募者も面接の練習などしなくても的確に評価されるという仕組みこそ目指すべきです。

    そう!それが共通一次面接会なのです!

    *1:あ、誤解のないように言っときますが、メンタツの著者を悪く言うつもりはないです。著者レベルで就活を分かっている方なら当然私と同じような就活の問題点も把握されていると思いますし、おそらく著者としてのポジショントークがあると思いますので

    *2:新聞の購読状況や出身地を聴くのはNG、家族構成を聴くのはNG、など

    *3:人事以外にも、現場担当者や役員も含まれます

    イスラム教徒は全員テロリスト?

    1. イスラム教徒の誰がテロリストか分からんから鎖国して締め出すわ。国なら他にもたくさんあるんだから、別の国に行けばいいじゃん。
    2. テロリストのほとんどがイスラム教徒なんだから、自由権を制限されてもイスラム教徒はそれ位我慢しなさいよ
    3. 特定の宗教に対する鎖国イスラム教徒に対する差別だって?ちっせーこと言うなよ。大体根本はイスラム教徒がテロ起こしたのが原因なんだから、イスラム教徒は反省しろ。
    4. 「僕はイスラム教徒だけど、テロリストじゃないよ!偏見の目で見ないでください」「はぁ?イスラム教徒って大体そんなもんだろ?」
    5. イスラム教徒が国に居たら、「いつテロを起こすか分からない」と不安に思う人が多いんで、イスラム教徒全員国外追放賛成です。
    6. イスラム教徒の犯罪率は他宗教と比べて高いので、イスラム教徒全員入国禁止にしましょう。
    7. 犯罪に遭わないように、スラム街には行かない、家には施錠して防犯に努めましょう。「はぁ?どうして被害者が気を付けなきゃならんの?犯罪は犯罪者の責任だろ?!大きなお世話だ!」

    イスラム教徒→男性、テロリスト→痴漢、国→車両

    1. 男性の誰が痴漢か分からんから車両から締め出すわ。車両なら他にもたくさんあるんだから、他の車両に乗れば良いじゃん。
    2. 痴漢のほとんどが男性なんだから、(どの車両にも乗れる、プリクラエリアに入れる、レストランに入れるという)自由権を制限されても男性はそれ位我慢しなさいよ
    3. 男性だけ車両から締め出すのは男性差別だって?ちっせーこと言うなよ。大体根本は男性が痴漢するのが原因なんだから、男は反省しろ。
    4. 「僕は男性だけど、痴漢するような人じゃないよ!偏見の目で見ないでください」「はぁ?男って大体そんなもんだろ?」
    5. 男が自分の乗ってる車両に居ると「いつ痴漢をするか分からない」と不安に思う人が多いんで、男性全員女性専用車両から追放する事に賛成です。
    6. 男性の痴漢犯罪率は女性と比して高いので、男性全員女性専用車両に乗車禁止しましょう。
    7. 痴漢に遭わないように、若い女性は極力女性専用車に乗り、華美な服装を控え、夜道に気をつけ、防犯に努めましょう。「はぁ?どうして女性被害者が気を付けなならんの?痴漢は男性の責任だろ?!セカンドレイプだ!」

    並べてみます

    • イスラム教徒の誰がテロリストか分からんから鎖国して日本から締め出すわ。国なら他にもたくさんあるんだから、別の国に行けばいいじゃん。
    • 男性の誰が痴漢か分からんから車両から締め出すわ。車両なら他にもたくさんあるんだから、他の車両に乗れば良いじゃん。

     

    • テロリストのほとんどがイスラム教徒なんだから、自由権を制限されてもイスラム教徒はそれ位我慢しなさいよ
    • 痴漢のほとんどが男性なんだから、(どの車両にも乗れる、プリクラエリアに入れる、レストランに入れるという)自由権を制限されても男性はそれ位我慢しなさいよ

     

    • 特定の宗教に対する鎖国イスラム教徒に対する差別だって?ちっせーこと言うなよ。大体根本はイスラム教徒がテロ起こしたのが原因なんだから、イスラム教徒は反省しろ。
    • 男性だけ車両から締め出すのは男性差別だって?ちっせーこと言うなよ。大体根本は男性が痴漢するのが原因なんだから、男は反省しろ。

     

    • 「僕はイスラム教徒だけど、テロリストじゃないよ!偏見の目で見ないでください」「はぁ?イスラム教徒って大体そんなもんだろ?」
    • 「僕は男性だけど、痴漢するような人じゃないよ!偏見の目で見ないでください」「はぁ?男って大体そんなもんだろ?」

     

    • イスラム教徒が国に居たら、「いつテロを起こすか分からない」と不安に思う人が多いんで、イスラム教徒全員国外追放賛成です。
    • 男が自分の乗ってる車両に居ると「いつ痴漢をするか分からない」と不安に思う人が多いんで、男性全員女性専用車両から追放する事に賛成です。

     

    • イスラム教徒の犯罪率は他宗教と比べて高いので、イスラム教徒全員入国禁止にしましょう。
    • 男性の痴漢犯罪率は女性と比して高いので、男性全員女性専用車両に乗車禁止しましょう。

     

    • 犯罪に遭わないように、スラム街には行かない、家には施錠して防犯に努めましょう。「はぁ?どうして被害者が気を付けなきゃならんの?犯罪は犯罪者の責任だろ?!大きなお世話だ!」
    • 痴漢に遭わないように、若い女性は極力女性専用車に乗り、華美な服装を控え、夜道に気をつけ、防犯に努めましょう。「はぁ?どうして女性被害者が気を付けなならんの?痴漢は男性の責任だろ?!セカンドレイプだ!」

    共通一次面接会を受ければ良いじゃん

    前回お伝えした通り、共通一次面接会とは

    • R社が応募者を面接し、その受け答えの様子を録画し
    • R社がその受け答えを書き起こし、テキスト化し
    • 録画とテキストをデータベース化し
    • 企業はそのデータベースから候補者をピックアップし、二次面接をオファーし
    • 応募者はそのオファーを受諾し、企業の二次面接に進む

    というものです。

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    それにより、「企業にとって」は以下の通りメリットが生じ、生産性の向上が図れます。

    1. スクリーニングが的確
    2. 即「お帰りください」が可能
    3. 面接官教育が不要

    今回は「受験者にとって」はどのようなメリットがあるかを説明します。

    良い点1.一次面接のコストが大幅に減る

    一番分かりやすいのが、コスト圧縮です。コストには「時間」「お金」があります。

    まず、時間的なコストがメチャ圧縮できますね。共通一次面接会では「共通」なので、業界問わず広く問われる事が質問されます。

    例えば「10年後どうなりたいか」とか「学業で何を達成したか」とか「リーダー経験はあるか」などです。そこには「どうして当社を受けようと思ったのか?」「当社のコアバリューはなにか?」などは入ってきません。それらは二次面接で問われます。

    そうすれば、二次面接を受けるまでに個別企業研究に割く時間は皆無となります。今は最低でも一次面接の段階で個別企業研究をしなければならないので、一時期に10社も一次面接が入ってしまうと、どうしても1社あたりにかける時間が足らなくなってしまうのです。

    「個別企業研究しなければならない項目は二次面接から問われる」ならば、二次面接まで進めない企業の研究に割く時間は圧縮され、就活に割くトータルの時間は大幅に減るはず。

    あと、移動時間もバカになりません。東京に住んでいれば想像は難しいと思いますが、地方出身者が東京本社の大企業を受けようとすると

    • 今日の一次面接は金沢営業所で、
    • 来週の二次面接は大阪支社で、
    • 再来週の最終面接も東京本社で、

    となりかねません。

    そして、それが複数社、一時期に固まるのです。移動時間だけでも相当な時間です。

    一方で、それら大量に投入される時間は「お祈りメール」で全てが消えるわけです。全国の専門学校生・大学生*1全体で考えると、毎年大勢の若者の貴重な時間が大量に消えています。これは国家して決して無視できない大きな損失ではないでしょうか

    さて、時間の次はお金です。私が就活していた時期はもう10年も前ですが、交通費だけでも20万円は飛びました。神奈川在住で、神奈川・さいたま・東京を就活圏にしており、就活期間は半年位でしたが、それでもこれだけ大きな額になるのです。

    地方出身者が東京の企業を受けるとなると、交通費だけでもその数倍、プラス滞在費が掛かるので、ある程度の貯蓄がなければまともな就活ができるはずもありません。

    「第二志望の企業から一次面接のオファー受けたけど、第二志望だし、東京往復のお金ないから、諦めよう」と考えてしまった優秀な地方の学生はかなり居ると思います。

    共通一次面接会では、全国展開するR社の最寄り営業所まで移動し、そこで面接を受ければ良いので、交通費も少なくて済みますし滞在費もおそらく必要ありません。

    そして、一回面接動画を撮れば、後は「動画があなたに代わって全国の企業にアピールする」ので、あなたがいちいち東京に赴いて、時間を割いてアピールする必要もありません。圧倒的に高パフォーマンスです。

    良い点2.2~3回のやり直しが出来る(場合によっては無限回?)

    面接は基本的に一発勝負です。しかし、よく考えるとこの一発勝負は誰も幸せにしていません

    仮に応募者が大失敗と思えるような面接をした場合、企業側は応募者の本質をより低く判断してしまうミスを誘発してしまうし、もちろん応募者にとっても「私を全て出せなかった」と悔います。

    一方で、応募者が大成功と思えるような面接をした場合、企業側は応募者の本質を正当に判断できますし、応募者にとっても「これで落ちたら仕方ない」と諦めもつきます。

    つまり、応募者が面接大成功!と言える面接をすればするほど、企業・応募者双方にメリットがあるのです。一発勝負はその可能性を著しく削いでいると言えます。

    そこで、共通一次面接会の動画データは一発勝負ではなく、2~3回と撮れるとしたらどうでしょう??その動画データの中から一番良い物をピックアップして、それをデータベース化する。これは少なくとも一発勝負の一次面接会を多数重ねるよりも、余程良いシステムだと思いませんか?

    さて、そもそも「R社面接官が」「R社オフィス内で」という面接制限も無くせば、実質回数無制限の面接も可能です。

    面接という形態を保持する為に「30分」「1対1の対話形式」という制限は残すものの、「いつ」「どこで」「誰が面接官で」「どのように」面接するかを自由にすれば、学校のキャリアセンターでキャリアカウンセラー相手に面接を受けまくって、一番良い物を抽出する事も出来ます。*2

    前述したとおり、「応募者が大成功と感じる面接」は企業も応募者本人も不幸にしません。であれば、応募者が何回も面接にトライ出来た方が企業と応募者、お互いにメリットがあるはずです。

    良い点3.自分の面接の振り返りが出来る

    面接の難しさは、「採用」「不採用」という結果しか返ってこない事にあります。*3それ故「なぜ不採用になったのか?」はどうしても自己分析せざるをえませんが、それには、本番でガチガチに緊張した面接の内容を詳細に記憶している必要があります。

    つまり、なぜ不採用になったのかを分析する為には、面接の場での自分の振る舞いを客観視し、自分の言った事を面接後でも忠実に覚えている事が必要なのですが、それには性格的なもの、および、結構な経験と訓練が必要です。

    一方で、本番の面接を動画で撮っていれば、面接の自己分析は飛躍的にやりやすくなりますし、何より他者からの評価が可能になります

    私が人事部時代、学生から面接アドバイスを求められる事が結構あったのですが、肝になる情報は、「何を」言ったのかではなく、意外にも「どのように」(「どのような話の流れで」)言ったのかです。一番禁句とされる「御社は第一志望ではありません」というフレーズも、「どのように」言ったかで効果は180度変わります。

    学校には元面接官の方がたくさんいます。模擬面接会も頻繁に行っています。しかし、それが中々内定率向上に結びついていないとすれば、「どのように」という部分が模擬面接では得られないからです。

    しかし共通一次面接の動画を見れば「どのように」は一発で判断できるでしょう。自己分析でももちろん「本番の面接動画」は役に立ちますが、それよりも他者からの的確な面接評価を受けられるのは大きなメリットです。

    プロのスポーツ選手は自分のフォームを必ず録画し、プロのコーチが分析します。現状での就活は、言ってしまえばプロのスポーツ選手が自分のフォームを録画もせず、試合の後に一人で振り返りをするのみなのです。これでは面接力も向上しないのは当たり前です。

    良い点4.就活がプッシュ型からプル型に変わる

    就活の本質は応募者は店員、企業はお客さんです。一見すると、ブースを構える各企業は店員で、訪問する応募者がお客さんと誤解するかもしれませんが、違います。

    採用・不採用という圧倒的に強い最終決定権を持っている以上、企業はお客さんなのです。*4応募者は店員さんのように、お客さんに自分と言う品物を買ってもらわないといけません。

    応募者は店員、企業はお客さん。この関係は覚えておいてください。

    さて、現状の就活はいわば、各家庭で待っているお客さんに、店員さんが戸別訪問販売するスタイルです。

    この世にデパートやスーバーがなく、お客さんが部屋に引きこもっている世界を想像して下さい。そこで店員さんは各戸訪問販売をせざるを得ませんが、千人単位の多くの店員さんが一時期、一斉に各戸突撃訪問するわけです。そしてお客さんは、スーツを着て似たり寄ったりの商品アピールをする突撃訪問店員さんの中から自分の買う商品を選んでます。

    これ、メチャクチャ効率悪いでしょ?

    効率悪い理由は、店員さんがお客さんに対してプッシュ型の営業をしているからです。だから現実には、プル型の営業である「デパート」や「スーパーマーケット」があるんです。お客さんは自分の欲しい物を買いに行きます。そこで店員さんは欲しい物を差し出します。そっちの方が店員もお客さんも双方効率的。

    プッシュとは押す、つまり、押し売りです。プルとは引く、つまり、店舗販売です。

    現状では新卒就活生は「各企業戸別訪問」というメチャクチャ効率の悪いプッシュ型を中心に就活しているわけです。そりゃー新卒の就活が大変なのは当然です*5

    訪問販売では100戸訪問して10戸契約は難しいと思いますが、店舗販売では100人の来店者に対して50人に販売する事も可能です。同様に100社適当にエントリーして10社内定を得るのは難しいと思いますが、共通一次面接動画に興味を持った100社にエントリーして10社内定を得るのは比較的楽でしょう。

    また、1人が1日で100戸訪問するのは難しいですが、デパートの店舗に1日100人に来店頂くのは十分可能です。同様に半年で100回、個別面接を受ける事は難しいですが、面接動画を100社に見てもらうのは1時間で可能かもしれません。

    このように、プッシュ型からプル型の就活にと変更する事は応募者にとって非常にメリットがあるのです。もちろん、リクナビから自分から気に入った企業にアプローチをする、従来のプッシュ型の就活を一部就活に取り入れるハイブリッド式就活もあり得ます。

      • -

    以上、「共通一次面接」の概念を説明しましたが、これを今書いた理由は「将来R社さんやKR省がサービスを提供する時には、すでにONIKUMAさんが思いついていた」という証拠を残す為です。

    「ホントに共通一次面接会なんてあり得るのか??」って?

    十分、あり得ます!その理由は一次面接の生産性が著しく悪いから。企業がもっと人手不足になり、資本もなくなると、真剣にホワイトカラー生産性の向上を図るようになります。

    で、目を付けられるのは間違いなく採用業務。その中でも「説明会」と「一次面接」がツートップです。ここは確実に目を付けられると思います。

    いつか、説明会の生産性向上案も説明したいと思います。

    *1:高校生は原則自由応募でないので除きます

    *2:「どのように面接するか」を自由にすれば、ユーチューバーのような、面白く、大胆な面接動画を挙げる個性的な応募者も出てくるかもしれません

    *3:なぜ不採用になったのか?という質問を人事部にしても、「その理由で落とすのは差別だ!差別だ!」と騒ぐ人たちを警戒する為、まともな採用担当からは決して教えてもらえません

    *4:日本全国のあらゆる企業から内定を得られ、その中から自由に内定承諾・内定辞退出来る最優秀者は別ですが

    *5:企業からのアプローチから入る中途の就活が応募者にとって比較的楽なのは、プル型である事が理由です