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鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

新卒採用は今後無くなるのか?それとも無くならないのか?

皆さんこんばんは!!


ほとんど居ないであろう読者の皆様、お待たせして申し訳ないです。


さて、本日は東大御中退(?)後、MITで経営を学ばれた(すご!!)Lilacさんのブログより示唆に富んだ内容の記事をご紹介。マスコミの言う“学生の内向き傾向”を軽く論破しているこの記事にあって、特に面白いのが(1)の部分。かつて私が在職中に感じていた就活の問題点と、この記事の指摘は非常にリンクしています。


全文抜粋したいほど優れた指摘なんだけど、“一体誰のblogだ?w”というツッコミが来そうなので、気になる部分だけ抜粋します。全文はリンク先へどうぞ!とても優れていると思います。
「最近の若者は内向きだ」仮説の誤謬 - My Life After MIT Sloan

合理性追求が新卒採用を支えている

1)「最近の若者は安定就職を目指すから、留学などの冒険をしない」のではなく「企業の採用活動が余りに硬直化しているから、留学できない」

近年は大学生の就職活動が早期化しており、製薬業界やマスコミなど早い業界では大学三年生の10月ころから活動が始まるし、メーカーなどでも1月ころから応募が始まるところも多いらしい。だから「大学三年生など、留学に最も適した時期に留学すると、就職活動の時期に間に合うように帰ってこられないので、留学をしない」という学生が増えている

まさにおっしゃるとおりです!

これが就活生の現状。インターンという名の実質採用活動が3年の夏からもう始まる、という一文を加えれば、完璧です。

留学なんてする暇がない。何てったって、留学して新卒カードという特権を失う重みと、留学で得る物の重要度を天秤に掛けるならば、私だって相当悩み、確たる意思がなければ留学を思いとどまるはずです。

スポンサーであろう親を説得するのも大変だし、友人らの会話の中味が就活の話題にシフトする中で、自分だけが留学にフォーカスするのも大変です。とても「手軽に1年留学♪」なんて出来るわけがないです。

私もLilacさんの言うとおり、「マスコミは分かってない」と感じるのです。

まぁ、多分彼らは「学生は内向きなんかじゃない」と分かりつつも、スポンサーである企業の役員(主にオッサン)、新聞を買ってくれる人(主にオッサン)の機嫌を取る為に「若者は〜」みたいな論調にしているんでしょう。資本主義ですからね、需要が無い所に価値は産まれない訳で、それゆえマスコミが無理にでも需要を喚起しようと躍起に(以下略


さて、なぜこんなデメリットが大きい新卒採用など、企業・学生・学校・行政が敢行(もしくは黙認)しているのか。通年採用や、4年の4月からの採用ではダメなのか??


現状の新卒採用は合理性を追求したひとつの結果です。つまり、通年採用や4年4月からの採用よりも早期の採用の方がメリットが非常に大きい為に今の状態に落ち着いているということです。(時々法律でいじくって短期的に早期化とか晩期化したりしてますが・・・)


ここにも新卒採用の利点を書きましたが、新卒採用に対する通年採用(ここでは中途採用とします)は非常に効率が悪いんです。費用対効果が新卒採用に比べると薄い、と言い換えられます。新卒採用の利点や不利点は費用以外にも色々ありますが、一番大きい関連事項はやはり費用対効果です。特に不況の今は一昔前よりもシビアでしょう。

従って、費用か効果のいずれかが、上がるか下がるかしなければ、「3年生から就活準備に迫られる!」という新卒採用の現状を打破する事は現実的に難しいと思われます。

現実的に新卒採用はなくなり難い

新卒採用の現状を打破する可能性が生じるとは、つまり下記のような現象が起こるということです。

  1. 新卒採用の費用が上がる
  2. 新卒採用の効果が下がる
  3. 中途採用の費用が下がる
  4. 中途採用の効果が上がる

今は慢性的な不況なので、採用にかかわる費用(つまり経費)が特別な理由もなく上がる事はまずありません。

リクルートさん、毎日コミュニケーションズさん、日経さんが一斉に価格を吊り上げれば費用は上がるかも知れませんが現実的ではありません。むしろ彼らは値下げ要求を無理してでものんでるはずです(在職時代に思い当たる節が・・・ごめんなさい)。

と言うわけで、新卒採用の費用が劇的に上がることはありません。

一方で「近頃の若者はアンポンタン(!)ばっかりじゃ!!!!」と経団連のお歴々方が認識されて、新卒採用の効果が下がると新卒採用中止の現実性が増します。「新卒者が余りにも使えなさすぎる!!中途しかない!!」という状態です。しかし、今のところ、経団連のお歴々方は「まぁまぁ費用対効果は上がっている」「別に新人の質にはそんなに困っていない」と認識しているのでしょう。

また、中途採用の質がグ〜〜〜ンと上がる事は(相対的に新卒採用の質が落ちる)あまり期待できません。なぜなら、今巷には新卒で入社できなかった「職歴なし・スキル無し・22歳以上」の中途採用が不況のお蔭様で毎年大量に生産されているからです。

新卒で入社出来なかった者が職歴を付けるのは非常に困難である事はLilacさんのblogで実体験で語られているので、そちらを参照して頂くといいと思います。ホントに新卒のレールを失った者に対しては、奈落の底の雇用が待ってるんです。

よって、結果は以下のとおりです。

  1. 新卒採用の費用が上がる → ☓
  2. 新卒採用の効果が下がる → ○
  3. 中途採用の費用が下がる → △
  4. 中途採用の効果が上がる → △

何とも皮肉な話ですが、新卒採用の質を落とす事が新卒採用崩壊の効果的な引き金にもなるわけです。

もしくは新卒採用並みの低コスト&ハイクオリティな中途採用が出来れば新卒採用を廃止になりうるという事になります。新卒採用の歪みが問題になっている昨今において、こちらは大きなビジネスチャンスがあると思われます。

あ、ちなみに、「大企業の国内採用数が軒並み1桁台(海外は3桁台)になり、中途でも十分母集団を形成できる位、採用自体が日本において極めて少なくなる」という理由から新卒採用が崩壊するという事象は一番ありえる選択肢であるものの、考慮はしていません。

いわゆる「新卒採用の効果が下がる」→「中途採用に移行する」ではなく、「新卒採用の効果が下がる」→「んじゃ海外へ」という路線です。しかしながら、「それを言っちゃあおしまい」な感じがするので考慮はしないということです(笑)

また、「法律で新卒採用を規制する」というのも可能性としてはありえますが、新卒採用とは実を言うと「スキル無し」の学生にとっては特権なので、その廃止は政権が傾くほどのインパクトを与えてしまいます。

1学年で50万人も居る大学生(ほぼ有権者)に対して、そんなリスキーな法案を通す事が出来るのかは未知数です。

わかっちゃいるけど・・・結局変えられない新卒採用

私の東大物理の同期のうち、10名程度が博士を中退して就職等したが、数名が国家公務員試験を受けて役人へ、数名が外資系とベンチャー企業への就職、残りは医学部や法化大学院の再入学だった。(中略)

むしろ硬直化しているのは企業の採用活動の方ではないか。もっとも硬直化された選考活動をうまく乗り切ること自体が、採用基準に合致している企業であれば、今のプロセスを変える必要は全く無い。銀行や製造業の一部など、大組織のなかで、組織力として皆が調和された動きが出来ることを重視する企業もあるだろう。

もし企業がそういう人材ではなく、ちょっと世間知らずでも、リスクを冒して変な生き方をしている学生を採用したいなら、採用コストはかかるかもしれないが、企業で柔軟な採用プロセスも同時に行うのが良いのではないか。学生のほうも安心して留学などの冒険が出来るし、結果として多様な人材を採用できるのではないかと思う。こういう企業が増えると、留学によるリスクは減るので、もう少し多くの学生が留学などの多様な冒険を考えるようになるかもしれない。今後「グローバル人材を採用したい」と考えているのであれば、なおのこと現在の人事の仕組みを変えてでも、柔軟なプロセスがより必要になってくるだろう。

上記下線部は実は人事に携わる者共通の悩みなのです。

人事採用担当はこの事実をわかってます。

つまり、合理性の追求によって「平均値の底上げ」はできるものの、同時に「最大値の喪失」の危険性を孕んでしまうということです。シリコンバレーでの採用のような採用をした方が、良いのかも知れないな、と思う採用担当はきっとたくさん日本に存在しているでしょう。しかし、日本において実施したくても出来ないわけです。

理由はやっぱり、現状すでに効率的な採用システム=新卒採用が存在している故に、シリコンバレー型採用を実施するには、その効果を比較し、証明をしなければならないからです。

実際にLilacさんの仰る様に柔軟な採用プロセスも同時に行うのが良いと言う判断の下で、秋採用大学院生の採用を強化している企業もあります。

が、それが新卒採用並みに強化されるかといえば、それは現状ではありえません。

みすみす安くて、大量に採用できる新卒春採用を手放して、少数しか母集団が居ないそれ以外に賭けるにはかなり勇気がいります。何ていったって、採用に於ける一番の失敗は「絶対必要な採用数を確保出来なかった」です

もちろん、新卒春採用の母集団よりもそれ以外の応募者母集団(当然採用要件を満たしている事が条件)が勝っていれば、自然と新卒秋採用が中心になったり、中途採用が中心になるでしょう。

しかしながら、これは学生にとっても新卒春採用のフィールドを捨てて、中途採用組(スキル有り)と戦ったり、秋採用組(エリート留学組&公務員落第組)と戦う事を選択する事を意味します。それは、学生の志向からもなかなか厳しいはずです。

よって

  • 100点取れるような良い学生を逃がしてはいるが80点取れる学生がたくさん来てくれる為に本気で改善をしようとしない企業
  • 100点取れるような連中と試験を戦いたくない80点の学生

の思惑が一致し、現状をゆるぎないものにしているのでしょう。

もちろん、今後は80点はおろか、60点、50点と平均点も下がってくるでしょうから、そろそろ状況は変わってくると思うけれど・・・。

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以上、ちょっと長めになったけど、やっぱり外部から見ても問題意識は同じ所にあるんだなぁと感じたのでblogを久しぶりに書いて見ました。・・・久しぶりに日本語で長文を書くと難しいね!段落構成とかメチャクチャで、見難いと思うけど、我慢してください。

あと、「ではどうするべきか?」という部分については、「新卒採用の超超早期化」を推しますが、これも解じゃない気がしますね、はい。

実際どうすれば効果的に新卒採用のデメリットを打ち消せるのか、まだ分かりません!