鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

もういっそ、倫理憲章もなしでw

さて、皆さんこんばんは!


前回は新卒採用なんて止めればいいじゃん!!と書きましたが経団連自体は止めるつもりなんてさらさらなく、企業の倫理憲章に則った採用活動を続けて欲しいらしいだす。


ちなみに経団連という団体は、リクナビやマイナビと言われる大手就職サイト運営企業から無料で就活セミナー出展や就職サイトへの掲載を戴けちゃってる、採用勝ち組企業を中心とした集合体です。


「倫理憲章」とはなんぞや??
まずはこちらをごらんあれ

1.正常な学校教育と学習環境の確保
在学全期間を通して知性、能力と人格を磨き、社会に貢献できる人材を育成、輩出する高等教育の趣旨を踏まえ
採用選考活動にあたっては、正常な学校教育と学習環境の確保に協力し、大学等の学事日程を尊重する。


2.選考活動早期開始の自粛
卒業・修了学年の学生が本分である学業に専念する十分な時間を確保するため、選考活動の早期開始は自粛する。
まして卒業・修了学年に達しない学生に対して、面接など実質的な選考活動を行うことは厳に慎む。


3.公平・公正な採用の徹底
公平・公正で透明な採用の徹底に努め、男女雇用機会均等法に沿った採用選考活動を行うのはもちろんのこと
学生の自由な就職活動を妨げる行為(正式内定日前の誓約書要求など)は一切しない。また大学所在地による不利が生じぬよう留意する


4.情報の公開
学生の就職機会の公平・均等を期すとともに、落ち着いて就職準備に臨めるよう、企業情報ならびに
採用情報(説明会日程、採用予定数、選考スケジュール等)については、可能な限り速やかに、適切な方法により詳細に公開する。


5.広報活動であることの明示
企業情報、採用情報等の発信を目的とした広報活動は、その後の選考に影響しないものであることを学生に明示するよう努める


6.採用内定日の遵守
正式な内定日は、10月1日以降とする。


7.その他
高校卒業予定者については教育上の配慮を最優先とし、安定的な採用の確保に努める

http://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/001.html

守るべきは赤字部分だけ

笑っちゃうよねー。「努める」「可能な限り」「尊重する」という文言が踊っていて肝心の「何をして」「何をしません」という部分は強いていえば赤字部分のみでしょー??

つまり、協賛している企業も赤字以外をまじめに守るつもりはありません。

ん?某大手企業の採用後担当者様より「当社ではそんな鬼人事な考えはしていない!!」などと口角泡を飛ばしながら、きつい反論が来そうですね。

倫理憲章の前提となる考え方にある「大学生の学業レベルの低下は深刻であり、その向上を阻害する事は著しい学業レベルの低下を招き、やがて社員となる大学生のレベル低下は、ひいては企業利益にも反する結果となる。故に企業としても大学生への勉学環境に対する配慮には利点が・・・(あとはすみません、寝てしまいそうなので書けません)」は、御もっともです。

でもね、でもね、我々企業サイドが欲しいのは、就活も学業も両立できるような優秀な学生なんじゃないの??
別にこんなご丁寧に学生に配慮申し上げなくても、優秀な学生は自力で苦境を切り抜けて来るし、しかも倫理憲章に意気揚々とサインしちゃってる企業様は黙ってても“優秀な学生”が殺到しますよね?

そんな状況で、わざわざ自分の行動を縛り、足かせをはめる様なリスキーな行動を採るほど大企業がお人好しではないでしょう。

それどころか、大企業の人事部はおいらは優秀な学生確保できるんで、別に学業と就活を両立もできないような可哀想な就活生など知ったことか!!という態度で、いびつな就活環境の問題に本気で取り組まないから、一向に状況は改善しないんじゃないのかな??

だって、本気の本鬼でこの問題に取り組めば、絶対に世の中動かせるはずでしょう???「やばい!!人材の質がやばい!!大学新卒の質もやばい!!」って本気で苦慮するようになれば、もうちょっと変わるはずでしょーー??倫理憲章にサインしている企業って日本を代表する大企業ばかりざんすよ〜〜???本当は「まっいっか、困ってねぇし」と思ってんじゃないのぉ〜???


この分析・・・間違ってますかねーー??
いや、間違ってるはずです!!と思いたいです!!

大学の勉学を企業で役に立つと思ってるツワモノ人事はどれ位いるのか??

第一、大学の勉学が本当に企業人として役に立つと考えている社会人はどれ位いるのでしょうかね??

圧倒的にコミュニケーション能力が劣っていても、圧倒的に社会的マナーが欠けていても、圧倒的に勉強ができる理系大学院生がこれ程の受難を浴びる原因は何だと思います??*1

圧倒的に遊びまくって、圧倒的に単位を落としまくっても、大学は揺り篭か?!と言わんばかりに寝ていても、圧倒的なコミュニケーション能力と圧倒的なヨイショ能力と少々体力に長けている文系学部生(失礼!)が複数内定を取るこの時代に、研究所にこもっていた理系大学院生が複数内定を取ったという情報はほとんど聞きません。

皆さんの周りではどうでしょうかね??まぁ文系学部生と理系大学院生では数自体が違うのもありますけどね・・・。

少なくとも私の周りの採用では「コミュニケーション力」やら「社会的マナー」やら「行動様式(PDCAサイクル)」やらを図ることがまず在りきで、学生にそれらが十分にあることを実証できれば、ほとんどの企業で内定を出しているようです。

でもこれって、あまり学生の頃に「学科」として学ぶべき要素じゃあないよね??バイトとか、友人関係とかで学ぶものがほとんどじゃないですか~。

そしてそれを充分満たした方が、やっと次に学校で身につけられる「スキル」や「学校での成績」「学歴」を計られます。

つまり、企業側は「学校で身に付けられないモノ」をまず求める一方で、学校側は「学校で身に付けられるモノ」を相変わらず熱心に教えてるんです。

これでは大学での勉強の時間をいくら確保した所でまったく意味がないんじゃないかな??

もういっそ、倫理憲章なしで

次回に倫理憲章の利点と欠点を暴露するとして、もうね、倫理憲章止めた方が学生のためにも良いと思っている。

というか、むしろ、入学と同時に採用活動開始!!のような超早期化した方が良いんじゃないかね〜??

・・・でも実現しないでしょうね。


なぜかって????


それは、倫理憲章に則って企業が採用活動する事はとtttttttttttttttttttttttても楽なんですよ。

それはまた次回!!

*1:これはポスドクとして国の重大な問題として挙げられているhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%9A%E5%A3%AB%E7%A0%94%E7%A9%B6%E5%93%A1