鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

共通一次面接会を実施すればいいじゃん

工場の生産性を極限まで高めている日本企業にあっても、採用の生産性って最低の位置にあると思っているONIKUMAです。

年功序列の組織を維持する為に毎年新人を大量に一括採用する、中途はあくまで補助」という方針は効率良いと思いますが、その手段が全然効率的ではないですね。

新卒でも、中途でも、応募者が内定を取るまでに以下のような、面接2,3回の採用フローが設定されるのが普通です。

  1. 説明会
  2. 筆記テスト
  3. 一次面接
  4. 二次面接
  5. 最終面接

全ての段階でも言える事だと思いますが、説明会と一次面接が著~~~しく効率性が悪くないですか?と私は思うのです。

今回は一次面接の非効率性を説明し、その解決策として「共通一次面接」を記します。

一次面接が非効率なわけ

一次面接の効率性を考える為には一次面接が何のために行われるのか、その目的が明確でないといけません。

はて、一次面接を実施する(応募者にとっては受ける)目的とは何でしょうか?実は、企業によっては全く決まっていない場合があります。一応一次面接の目的としては以下のようなものが一般的に考えられます。

  1. 企業が、応募者の実務スキル有無を判断する
  2. 企業が、応募者の人物像の良しあしを判断する
  3. 企業が、応募者の考え方・思考法の適不適を判断する
  4. 企業が、応募者から質問に答える事でその知識を高める
  5. 企業が、応募者に企業の宣伝をする
  6. 応募者が、企業の雰囲気を知る
  7. 応募者が、WEBページ等から得られない企業情報を知る

この中で、一次面接でしかできないモノ(二次面接や最終面接ではできないモノ)とはなんでしょうか?それがあるから、わざわざ複数回に分けて面接を実施しているはずです。

それがなければ、最終面接一発勝負で全く構わないはずで、その方が一次二次の面接官の人件費は浮きますし、判断もスピーディになり、良い事尽くめです。

しかし、一次面接、二次面接、最終面接で毎回「IT詳しいの?」「なぜこの学部を選んだの?留学したの?」「なぜ当社に応募したの?」と聞かれた

という経験が多かった私からすると、いったい何のために一次面接・二次面接を設定しているのかよくわからない企業がいっぱいあるのではと勘ぐってしまいます。

一次面接の目的が、「一次面接じゃないとダメ!」という項目ではなく、単に「絞り込み」や、「応募者の雰囲気を見る」などの二次面接でも十分に測れる内容であれば、いっそのこと、「共通一次面接会」を実施すればいいんじゃない?と思います。

共通一次面接会とは

共通一次面接会とは
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  • R社が応募者を面接し、その受け答えの様子を録画し
  • R社がその受け答えを書き起こし、テキスト化し
  • 録画とテキストをデータベース化し
  • 企業はそのデータベースから候補者をピックアップし、二次面接をオファーし
  • 応募者はそのオファーを受諾し、企業の二次面接に進む

というものです。R社というのは、まぁ、人材業界で有名なR社を想定していますが、どこでもいいです。企業と応募者の中間に立って、「面接だけを行う企業」の事です。

データベースには、面接での質問内容に対して、応募者が回答した内容がテキスト化され、動画と共に保存されています。

企業は、テキスト内容を検索し、ヒットした中から候補者を選抜します。例えば「あなたの強みは何ですか?」という質問に対して「スピード」という単語を言った応募者を抽出し、その中から面接動画やそれ以外のテキスト内容を精査し、二次面接のオファーを出すのです。

応募者は二次面接のオファーが各社から来ますので、気に入ったオファーを受諾し二次面接に進みます。

これ、メッチャ良いと思いませんか?

良い点1.スクリーニングが的確

大企業の場合、特に新卒採用においては、1万人の応募者に対して、面接官も含めて採用担当者十数人が選考を行うという状況は珍しくありません。

5対1の集団面接を実施したとしても、とても全員面接できるものではありませんので、面接の前段階でスクリーニング(候補者の絞り込み、足切り)が必要です。

新卒で採用する場合、スクリーニングする方法は「学歴」と「ペーパーテスト」に偏っています。中途でも「前職の社名・役職」「転職回数」と「ペーパーテスト」に偏っています。

これだと、確かに10名を1名に絞る事は可能ですが、「東大生」や「一回も転職経験のないNECの若手部長」を頂点として、いわゆるペーパーテスト優等生やその道一筋のエリートのみが応募者になります。

しかし実際は、東大生やNECのエリートでなくとも「自社に合う素養を持っている」とか「自社の雰囲気になじみそう」とか「伸びしろありそうな考え方をしている」とかの特徴がある方を、応募者として集めたいのです。

事実、東大卒でペーパーテスト満点だけど考え方が全く幼稚なA君と、無名大卒でペーパーテスト20点だけど考え方が優れたB君が居たら面接で合格になるのはB君です。*1

だから、考え方や雰囲気などの「人物ベース」でまず応募者を集め、その中から厳選していった方が効率的です。

しかし、考え方をはじめとした「人物ベース」で客観的に大量にスクリーニングする方法は現状ないため、「学歴」や「前職の格」、「ペーパーテスト」というスクリーニング方法に頼らざるを得ないのです。

これ、採用担当者共通のメッチャ深い悩みなんです。

そこで、共通一次面接会でどういう単語を何回言ったのか?をスクリーニングの対象としたら効果的です。

  • とにかく「スピード感を大事にする人」を採用したい→「スピード」という単語を面接で30回以上言った人
  • 「絶対に法令を順守する人」を採用したい→「ルールを守る」という単語を面接で30回以上言った人
  • 「ITスキルが高い人」を採用したい→最新のプログラム言語の独自関数名を面接で言った人

このように、「スピード」「ルールを守る」という単語でテキストデータベースを検索するスクリーニングであれば、一律にペーパーテストで足切りするより正確な適性判断が可能です。

なお、スピード感がある事を演出したいがために、面接中にやたらと「スピード」という単語を連呼する応募者も居ると思いますが、対話が不自然になりますし、対極の「慎重」という単語検索をする企業からはオファーは全く来なくなりますので、一長一短です。

良い点2.即「お帰りください」が可能

面接は最初の1分で合否が分かる、という面接官も居ますが、合格は分からずとも、最初の1分で“否”が分かる事は結構あります。

  • ノックせずいきなり入室して名乗りもしない応募者
  • スーツの着こなしがとにかくだらしない応募者
  • 恰好が奇抜すぎる応募者
  • 面接官の目を全く見ない応募者

こういった応募者は面接では即不採用ですが、自社会議室等で一次面接を行っているとすれば、数時間かけ安くない交通費を支払っている応募者に対して、面接が始まって1分で「お帰りください」とは言えません。そんな事言ってしまっては間違いなく応募者の企業に対する心証は悪くなりますし、応募者がネットに長けていれば自社WEBサイトや2chは大炎上必至なので、仕方なくいつもより10分短い15分ほどの笑顔満点の接待面接を施してお帰りいただくわけです。

実際の面接をしていると、面接時間が30分とすれば20分もあれば合否は大体決まっています。あとの10分は「合格(不合格)という判断は合っているか?」という補強の為の時間に充てます。また、30分以上合否が判断できない応募者は極まれですし、そういう応募者は大体不採用とします。

つまり、面接時間の2/3の時間が勝負で、残り1/3はロスタイムという場合が多いのです。そのロスタイムは前半2/3の勝負の時間に比べて非常に効率が悪いのです。

一方、共通一次面接会の面接動画であれば、閲覧者が「この応募者はダメだ!」「この応募者はOK!」と思った瞬間に遠慮なく動画を閉じられますので、ロスタイムは0です。

どうしても受け答えを全部見たければ、最初の3分だけ動画で「応募者の雰囲気」を掴み、あとはテキストデータで受け答えを確認すれば30分の面接でも、10分もかかりません。

良い点3.面接官教育が不要

面接を請け負うR社の面接官は、面接だけをその業務とするプロフェッショナルです。すなわち・・・

  • 特定業界の専門知識や実務経験を持ち
  • 毎日10名、年間で1千名単位で面接を実施し
  • 社会人経験が10年以上あり
  • 一般常識や面接マナーを研究し
  • 面接法やキャリアカウンセリング法を会得し
  • 面接にかかわる規制法を熟知している

ような者が、応募者の志望業界・職種に合わせて面接官としてあてがわれるわけです。

現状、各社でも一次面接担当者は抱えていますが、一部例外を除き、面接専門のプロフェッショナルではありません。通常、社内の面接官は面接以外の業務を抱えるので面接業務の優先度はそれ程高くなく、現場担当者であれば完全に「片手間」になります。

また、一次面接官を育てるのも大変で、日々の業務がある中で面接理論や評価法の研修を重ね、実際の面接において数々の失敗を経ながら、数年後にやっと一人前になるという感じです。

結果としてまだ未熟な面接官が面接を担当し、応募者の真意を測れず入社後ミスマッチを起こしたり、応募者から「圧迫面接だ!」と要らぬ不評を買ったりしているのです。

であれば、R社の面接プロフェッショナルが一次面接を担当すればより真意も測りやすいですし、たとえ応募者から「圧迫面接だ!」と思われたとしても、R社以外の社名は傷みません。

応募者にとっても、下手くそなインタビューアーから質問されるより、百戦錬磨のインタビューアーから質問された方が自分を出せるはず。

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以上、共通一次面接会の概要とメリットを説明したわけですが、これは企業側からの視点です。

実際は応募者からの視点が比較的重要で、応募者には更に大きなメリットがあります。

それは次回。

*1:普通の企業は…

ONIKUMAさんのお気に入りブログ ※随時更新

皆さんこんばんは!

今回は私がほぼ毎週確認しているブログを紹介します。
これらをご覧いただければ、きっとあなたもONIKUMA思考になれますよ!

考え方や視点を変えてくれる

■Chikirinの日記

Chikirinの日記

  • 「社会派ブログ」とだけあって、社会普遍的な問題に鋭くツッコミ。煽り多し
  • 文章が口語体・会話形式で読みやすい
  • 極論が多く、字面通りに受け取ると惑わされるので、高い読解力が必要*1
  • 価値は「本質を理解する視点が学べる事

ちなみに、本も出されてますが、ほぼ全て買っています。特に「マーケット感覚」については非常に参考になりました。大企業の本社でヌクヌク培養されている自分の危機感に、火をつけられるに十分な内容です(笑)

与沢翼オフィシャルブログ

YOZAWA TSUBASA OFFICIAL BLOG | Lives in Dubai Burj Khalifa

  • お金を稼ぐ「考え方」を説く
  • お金を稼ぐ「手法」の部分は余り触れられていない
  • ディアビジネスの巨人であり、ブログの魅せ方が非常に上手い
  • 熱心に見ているとマーケティングされます(顧客になる)ので注意(笑)
  • 価値は「お金を稼ぐ、成功する為の本質の部分が分かる

■月見、雪見、花見

雪見、月見、花見。

  • ちきりんさんと同様に「社会派ブログ」
  • 社会の問題に鋭いツッコミと仮説
  • 表現が柔らかく、カドが無く、皮肉もない為、精神的に安心して読める
  • 長文だが文章が平易で、例示も多く、非常に読みやすい為、苦痛はない
  • 残念ながら2016年現在、更新停止中
  • 価値は「本質を理解する視点が学べる

人事・就活

■Joe's Labo

Joe's Labo

  • 人事コンサルタント城繁幸さんのブログ
  • 人事系の話題に鋭くツッコミを入れるし、かなり的確
  • 皮肉タップリなユーモアある文体がとても面白い
  • 人事的知識が無くても分かるし、分かりやすい
  • 価値は「人事・就活の問題点が分かる

■hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)

  • 人事コンサルタント濱口桂一郎さんのブログ
  • 人事系の話題に鋭くツッコミを入れるし、かなり的確
  • 労働三法に一通り知識がある人事職でないと理解が難しい、が、深さは圧倒的
  • 価値は「人事系の問題点を専門的見地から分析出来る

■会社と社員を円満につなげる人事の話/ユニティ・サポート小笠原隆夫

会社と社員を円満につなげる人事の話/ユニティ・サポート小笠原隆夫

  • 人事コンサルタント、小笠原隆夫さんのブログ
  • サラリーマン人事の経験も長く、経営側・従業員側両方からの視点を持ちバランス良し
  • 文章は平易で、毒もないので、門外漢でもとても読みやすい
  • 更新頻度も多めで、過去記事も多量
  • 価値は「人事・就活の問題点が分かる

性差別

■ドクター差別と選ばれし者たち

ドクター差別と選ばれし者たち - Yahoo!ブログ

  • 差別の専門家、兼松さんのブログ
  • 日本における男性差別の現状と問題点に鋭くツッコミ
  • 感情論は一切なく、根拠法に則った極めて理論的な批判に終始
  • 批判するだけでなく、行動に起こし、抗議する実践派
  • 価値は「論理的な批判とはどんなものか、現状の日本の女性優遇政策が、いかにずさんかが分かる

■ヨッセンス(のジェンダー論)

ジェンダーフリー社会を目指せ! ジェンダー論に関する記事まとめ | ヨッセンス

  • 人気ブロガー、YosukeYanoさんのブログ
  • 日本におけるジェンダー論そのものに鋭くツッコミ
  • 主夫、夫婦別姓の実体験から来る視点が新鮮
  • 人気ブロガーらしく、非常に読みやすい
  • 価値は「日本のジェンダー論の歪みが分かる

*1:極論が本質ではなく、極論を以って語ろうとしている事が本質

仕事の目的はたった一つ!

皆さんこんばんは!

さて、またまた新人さんに教育する機会がありましたので、それをブログに載せます。

今回は「仕事の目的」についてです。(※ここでは株式会社での仕事の事です)

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結論から書きますが、仕事の目的は当期純利益を上げる事です。絶対に正解、10,000%間違いありません。「社会の安定の為」「従業員の生活の為」なんて、100,000,000%有り得ません。日本は社会主義ではなく資本主義国家ですから。

な~んだ、そんな事かと思う人は大丈夫ですが、相手は新人さんです。なかなかイメージ出来なかったみたいでした。

当期純利益を上げる事というのは一体どういう事かという説明の前に、そもそも、なぜ仕事の目的を考える事が必要なのかを説明します。

なぜ、仕事の目的が大事なのか

新人と言えども、正社員の仕事とは判断の連続です。それをいちいち「これをして良いか?」と誰かに聞くのはとてもウザがられるので、速やかに自分で判断出来るようにならないといけません。

自分で判断する為に、目的が重要になるのです。これが無い、もしくは、曖昧だと判断がフィーリングに依り、ブレブレになります。

そして目的の絶対に離してはならない中心に在るのが当期純利益を上げる事、向上させる事です。

ここに違う目的を設定してしまうと、利益に繋がるような合理的行動がとれなくなります。

仕事では合理的行動が重要です。なぜこの行動を取ったのか?を常に考える事ですね。そして、合理的行動は目的に添います。

当期純利益が目的になると、合理的行動全てがそこに繋がる訳です。非常に大切な部分なので、ちょっと次の章で説明します。

お茶出しでさえもこんなに違う

例えば来客にお見えになるお客様にお茶を出すとします。さて、冷茶が良いか、温茶(なんて言い方あるのかな?)が良いかを判断するとします。

【合理的行動に依ってない人の行動】

思考
「先輩に聞いてみよう/10月は温茶を出す決まりだった」

行動
「先輩から言われた通りに温茶を出す/ルール通りに温茶を出す」

【合理的だけど利益中心主義ではない人】

思考
「なるべく私が楽する為にはどうすればいいか」
「冷茶は氷を入れる必要がある一方、温茶はお湯を沸かさないといけない」
「氷はもう製氷皿にあるけど、お湯は準備しなきゃならないから面倒だ」

行動
「冷茶を出そう」

【合理的行動で利益中心主義な人】

思考
「利益を産むには、お客様を心地よくしないとな」
「それにはお茶の熱さ冷たさが、お客様の暑さ寒さを和らげる効果が貢献できるな」
「お客様は熱さ、冷たさ、どちらを求めるかな」
「今日は気温が例年より低いから熱さを求めるだろう。しかし、駅から走ってくるかもしれないから、その場合に備えて冷茶を出せる準備もしよう」
「準備にそれ程のコストの違いは無いな、一方で効果は大きそうだ!」

行動
「温茶を出すが、冷茶もスタンバイをしておく」
「雨が降っても良いように、走って汗をかいても拭えるタオルも用意しておく」

全然違いますよね?

実際は下に行けば行くほど良い結果に繋がるわけですが、合理的に行動して、かつ、その思考を利益からトップダウンで考えておかないと、良い仕事は出来ないわけです。

ちなみに
【合理的行動に依ってない人の行動】=何も考えていない人です。
【合理的だけど利益中心主義ではない人】=考えてるけどトンチンカンな人です。
【合理的で利益中心主義な人】=正しく考えて行動出来ている人です。
です。

採用の場面では「何も考えてない人」は即不採用です。「考えてるけどトンチンカンな人」は、程度に寄りますが採用の可能性はあります。

これは、考える事を教えるのは、考える方を変えるより難しいからです。勉強の習慣が全くない人に勉強を教えるより、勉強の習慣がある人の結果を向上させる方が簡単ですし、ボールを蹴った事もない人にサッカーを教える事よりも、蹴れてるけど上手くない人にサッカーを教えた方が可能性はあるからです。

大事なのは収益と費用の中身

では当期純利益を上げる、とは一体どういう事でしょうか。

当期純利益とは何か?については損益計算書を学べばよくわかりますが、ここで大事なのは、それを上げるにはどうしたらよいか、という事です。

当期純利益を上げるとは、収益(売上)を増やす、か、費用を減らす、しかありません。

  • 費用を減らす
  • 収益を増やす


これだけです。これだけが、株式会社に所属する人の全員が目指すべき、絶対的目標です。全ての仕事がこの二つのどちらかに帰結します。っていうか、帰結しない行動は罪です。非常にシンプルですね。

収益のほとんどは売上や利子、投資益なので、新人さんにはタッチ出来ません。なので、収益を増やす事、は誰でもほぼ0です。だれも新人さんが収益を増やす事を期待してませんし、新人さんが収益を増やすのを目標とするのもあまり賢いとは言えません。

一方で、費用を減らす事は新人さんにも十分できます。そして、逆に費用を増やす事もあっさり出来ますし、そこに抜群の個人差が出ます。

つまり、費用を増やす人なのか減らす人なのかは入社年数によらず思いっきり差が出てしまうのですね。*1

では、新人さんが費用を減らすにはどうしたら良いか、新人さんでも費用を増やしてしまう落とし穴は何かを次章で説明します。

費用を減らす、費用を増やす

まずは費用を縮小する方法です。費用の縮小の方法も多種多様で実に奥深く難しいので、ここの部分で活躍出来る余地は十分あります。

この部分で全力で取り組む新人さんは間違いなく10,000%出世します。っていうか、その会社では出世は出来なくても市場価値が極めて高い社員に育つので転職も容易です。

【費用を減らす】

  • 仕入れ単価 … ネットで、コネで、散歩がてらのウィンドショッピングで、もっと安い所を探してくる
  • 賃金 … サービス残業決しておススメ出来ませんが
  • 福利厚生費 … 社宅をもっと安い所に引っ越す。労災にメチャメチャ気を付ける
  • 光熱費 … PCの電源はこまめに落とす、電源ツールを使いこなす
  • 不良在庫 … 発注しすぎを指摘して、改善する。EXCELで在庫管理する
  • 旅費交通費 … 最安ルート/最短ルート/最安交通手段
  • 図書教育費 … 無駄な本を買わない、外部研修に行く時は事前に費用対効果を見る
  • 訴訟費 … お客様に対してのコンプライアンス違反は決してしない
  • 補償費 … お客様の物はメチャメチャ丁寧に扱う

そして以下の行動は費用を増やしてしまう行為です。株式会社の目標とは真逆のベクトルの行為、すなわち極悪*2です。やったら一発レッドで退場レベルなので、こういった行動は本当に気をつけましょう。

【費用を増やす】

  • 労働紛争 … 残業代勝ち取ったよ! → 部署の人件費が億単位で上がる
  • 昇給要求 … 昇給したよ! → 同期の人件費も上がる → 人件費が千万単位で上がる
  • 労働災害 … ドアで指挟んだ → 労災保険料のメリット制消失 → 大企業だと億単位の損失
  • 損害賠償 … USBで顧客データ持出 → 流出 → 億単位の損失

*1:もちろん基本的には入社年数を積めば積むほど、社員は費用を減らす方向に育つ傾向はあります

*2:社会的には正義かもしれませんが

語尾までしっかり伝えなさい

※会社の新人さんに伝えた話から抜粋です。
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話す時に語尾までしっかりと言わない社会人が結構います。

以下の会話で、“・・・”で終わってしまい、“( )”の中を言わない事ですね。

「携帯電話の使用はここではちょっと・・・(ご遠慮頂けますと幸いでございます)」
「今日、ちょっと体調が悪くて・・・(お休みを頂きたいのですがよろしいでしょうか)」
「トイレに行きたいのですが・・・(行ってもよろしいでしょうか)」
「書類はそこに・・・(置かせて頂きました)」
「明日には必ず・・・(仕上げて参ります)」

このような、語尾を省略して相手にそれを補完させる言い方は良い所が一つもありません。すぐにでも改善するべきところです。事実、転職していく中で様々な社会人を、上司として、同僚として、部下として見てきましたが、こういう会話がクセになっている人で出世したり、オフィスで尊敬されてたり、信頼を勝ち得ている人は一人も出会った事ありません。

逆に、万年平社員的な人でこういう言い方をする人はたくさん見てきました。あ、もちろん、中年だけではなく、これからずっと出世も向上もしなさそうな若い人も含みますよ。

ではなぜこういう言い方が出世を阻むのでしょうか。尊敬を勝ち得ないのでしょうか。それを以下に記します。

語尾を省略すると、敬語が使えなくなる

これが最悪です。語尾省略君や語尾省略ちゃんは、敬語をしゃべらせるとほとんどメチャクチャ、いまだに例外はありません。

敬語は、“各位”などそれ自体敬語である単語を除くと、ほとんど文末にくるべき動詞や語尾が変化します。つまり、敬語のエッセンスは文末にあるのです。

  • 携帯電話の使用はここではちょっと、ご遠慮頂けますと幸いでございます
  • 今日ちょっと体調が悪くて、お休みを頂きたいのですがよろしいでしょうか
  • トイレに行きたいのですが、行ってもよろしいでしょうか
  • 書類はそこに、置かせて頂きました
  • 明日には必ず、仕上げて参ります

語尾に含まれるこれらの敬語をバッサリ省略して、「トイレに行きたいのですが」で終わってしまうと、文末の「~よろしいでしょうか?」などが分からなくなったり、口馴染まなくなってしまい、大事な場面でとっさに使えなくなります。

大事な場面でとっさに敬語が出てこないという人に、大事な場面を任せようと思う人はいません

語尾を省略すると、圧倒的に立場が弱くなる

私自身が経験があるのですが、怖い上司やビビッてしまう相手に対しては、なぜか語尾までハッキリ伝えられず、尻つぼみになってしまいます。逆に堂々と語尾まで伝えるように強いて意識すると、自然とビビりも少なくなります。

語尾の省略は自信の無さから来るものだと思いますが、これによって相手は「この人は自分に自信が無いな」と感づいてしまいます。その瞬間、相手に心理的に優位に立たれるのです。

また、交渉において立場を強くする為には、相手に会話の主導権を与えない事が重要ですが、語尾を省略する事によって、相手に発話の機会を与えてしまいます。そしてその後の話の流れは相手に委ねられてしまうのです。そうしてまた、相手優位になってしまいます。

語尾を省略すると、言いにくい事をズパッと言えなくなる

語尾を省略する動機は「角が立たない様に」「敬語が話せないのを隠す為」「会話が短くなり、自分が楽」など、たいていは自分の利益優先なのです。「相手と言い争いになってめんどくさくなりそう」「自分が敬語を話せないのを相手に気が付かれてしまう」「語尾まで会話を考えるのがめんどうくさい」、これらを避けようという心理が働いている訳です。

しかし仕事は他者利益で考えられなければなりません。仕事では自分の都合、自分の評価なんてどうでも良い。相手に嫌われようとも、自分が苦労や被害を被ろうとも、相手の利益になる事を選択しなければならないのです。その為、時には相手を怒らせるリスクを承知で、ズバッと言わなければならないのです。

自分の利益優先で考える癖がついていると、いざという時、言いにくい事をズバッと言えなくなります。ズバッと言えば一発で済むところを、「嫌われない様に」とか「自分がもっと楽な方法は?」とか、逃げる方法をまず考えてしまうわけです。

他者利益を第一に考えられない人に、お客様の相手を任せようと思う人はいません

更に悪い事に、どうしてもズバッと言わざるを得ない逃げられない状況の時、それを言い慣れていないと、表現がどうしても稚拙になり結果的に相手を必要以上に不快にさせます。

仕事大好き大賞?どうやってそれ選ぶの?

watashigo.org


「私はテレビゲームが大好き大賞」
「私は女が(男が)大好き大賞」
「私はお金が大好き大賞」

とは言わない。

何故なら、その本質は「好きであって当然」だからだ。


「私は仕事が大好き大賞」
「私は上司が大好き大賞」
「私は業務改善が大好き大賞(まぁ、ちょっとは好きですが笑)」
は成り立つ。

何故ならその本質は「好きじゃなくて当然」だからだ。

資産だけで食ってけて、天涯孤独で養う人も居らず、誰からも賞賛も注目もされないけど、それをする!であれば確かに「大好き」なのだろう。

テレビゲームやセックス、喫煙や飲酒は「大好き」な人も多いだろう。大富豪の子どももやるからね。

しかし、生活や名誉、扶養のため、少しでも自分が「仕事をする必要がある」立場にいるのであれば、そこに「仕事大好き」があるのかは甚だ疑問。

純粋な「好き」を測るのは、そういった「必要性」を全て排除してからでないと、とても測れない。少なくとも検証は相当困難になる。

「その仕事が本質的に好きなのか」
「その仕事ではなく、それから副次的に得られるもの(金や地位)が好きなのか」

仕事へのモチベーションが高い=仕事が本質的に大好き、ではない。給与もなく、スキルも向上せず、誰からも賞賛も注目もされないけれど、モチベーション高く保てるならその仕事は「好き」なのだ。

しかし、どうやってそれを測るのか?

「仕事が大好き」なのか、
「仕事から得る報酬によって得られる安心が好き」なのか。

家族や自分の時間を犠牲にしてまで仕事はしないけど、「仕事は好き」というのは
家族や自分の時間を犠牲にしてまで打ち込む「テレビゲームが好き」と「好き」のレベルが違う。

この大賞を選ぶのは相当難しいはずだ。

www.youtube.com

ポケモンは全然問題なかったという事です

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時事ドットコムニュースによると「交通事故79件、摘発1140件=「ポケモンGO」1カ月-警察庁」らしいです。

スマートフォン用ゲームアプリ「ポケモンGO(ゴー)」の国内配信が始まった先月22日から今月21日までの1カ月間に、車や自転車を運転中にポケモンGOで遊んでいたことが原因とみられる交通事故が79件あり、交通違反の摘発が1140件に上ったことが23日、警察庁の集計で分かった。死亡事故はなかったが、愛知で重傷事故が1件あった。
(中略)
このほか、道路標識などの見落としによる一時不停止や信号無視、ポケモンを探しに出るため車を道路上に放置した駐車違反もあった

http://www.jiji.com/jc/article?k=2016082300563&g=soc


これを見て「ポケモン危な!」と思う人がいるかもしれませんが、私は「事故すくな!!ポケモンユーザー、すげーマナー良いじゃん!!」と感じました。


交通違反の摘発が1,140件ってどうなんでしょう?

多い?
少ない?

それを裏付ける資料を探していると、内閣府にデータがありました。平成25年のデータですが、当該データによると、「携帯電話使用等違反による検挙者数は1,163,453人」です。
第5節 道路交通秩序の維持|平成26年交通安全白書(全文) - 内閣府


ポケモンGO使用による検挙者数は1カ月辺り1,140件
携帯電話使用等違反による検挙者数は1カ月当たり96,954件
つまり、ポケモンGO利用による違反者の全体に占める割合はたった1.1%です。


このデータからは「ポケモンが携帯電話使用違反者数に影響を与える事はなかった」と言わざるをえません。社会現象ともなったポケモンに対して気合を入れた警察が、見せしめ注意喚起のため特にポケモンユーザーの検挙に熱心に取り組んだ結果で、これです。


ちなみに、上記はざっくりとしたデータ比較なので以下の事を加味する必要があります。しかし、「ポケモンユーザーによる検挙率は全体の1%程度」という総論は変わらないでしょう。


ポケモンユーザーの交通違反検挙数1140件には「駐停車違反」も含まれる
ポケモンユーザーと非ポケモンユーザーとの違反率比較はしていない
・警視庁の啓発によりポケモンユーザーがことさらマナーに気を付けていた、という環境要因があった
・平成25年と平成28年とのデータ比較である


平成28年度7月度も、平成25年度と同様の交通違反状況だとすると、100人居たら98人はポケモンとは別の目的で携帯電話を使用していて検挙されています。

って事はポケモンGOは「大騒ぎするほど、危険運転との関連はない」と言えます。もちろん、危険運転を誘発する可能性を否定はできませんが、大騒ぎするほどではない、という事です。


わたしはむしろ、98人は携帯電話で何をしていて検挙されたのかが気になります。大騒ぎするほど危険運転との関連があるのはむしろポケモンじゃなくてこちらでは??と思うわけです。


私自身に照らし合わせて考えると、おそらく、「業務連絡」とか「私用電話」、「LINE」とか「WEB閲覧」が携帯電話使用等違反の理由の大半を占めるんじゃないでしょうか??

であれば、運転中の「業務連絡」や「LINE使用」をポケモン以上に厳しく規制し、啓発する事にお金と労力を掛け、違反者を0人にすればもっと携帯電話使用違反者数の激減につながるはずです。


ポケモンGOは危険運転に繋がるとは言えない」という結論が(恐らく)出たのですから、今後は、今までのポケモンGOへの取り組みと同じ熱意を持って「運転中に業務連絡を止めよう!!」とか「運転中に業務連絡をして携帯電話使用等違反で取り締まられた社員がいる企業には罰則!」とか「道路を高速移動中にはWEB閲覧制御」という展開をするべきです。

しかし、このポケモン情報を伝える各紙が何に遠慮してかそういう論調にならないのが不思議でなりません。

なぜ肘掛椅子を平社員に与えないの?

※ここで言う社員とは、オフィス内勤事務職(営業含む)を指します。
 立ち仕事や野外で作業する方は除きます。

利益は毎日使う物に大きく左右される

社員が毎日必ず使い続ける物は限られています。

  • パソコン
  • サーバ
  • デスク(椅子)
  • ホワイトボード
  • 建物(空調・エレベータ・階段・ドア…等)

会社の利益の源泉は、社員の知識・知恵です。

その知識・知恵の質と量は、環境によって大きく左右されます。

その環境は社員が毎日使い続ける物の質によって大きく変わってきます。

つまり、会社の利益は社員が毎日使い続ける物の質に大きく左右されるという事です。

たとえば、パソコンの性能が悪ければ労働環境の悪化につながり、それが社員の知恵・知識の生産を阻害します。

エクセルブックをダブルクリックしたものの、開くのに数十秒かかれば、社員はイライラしますし、その間に思考が停止します。

それが毎日数十回繰り返されるわけです。いかに環境が悪くなっているか想像できると思います。

また、空調が壊れた自社オフィスを訪ねた事があるんですが、案の定、殺気立ってました。あの状況では仕事どころではなかったと思います。

よって、社員が毎日必ず使い続ける物の品質はメチャメチャ高めた方が良いわけです。

2万円の肘掛付の椅子を平社員に与えよ

社員が毎日使う物の中で、特に私は「椅子」の品質を大きく向上させる事を提案します。

自宅で私は以下のような椅子を使用しているのですが会社で使用している物と使用感がまるで違います。

以前は会社で使ってたような椅子を使っていたのですが、これに替えてからはもう戻れません。それくらい座り心地が全然違う。

↓↓自宅

↓↓会社

まだ、こういった“良い”椅子を持っていない方は是非試してみてください。

ブログや書類作成、プログラミングなど知的作業の効率が圧倒的に変わります

何より、劇的に疲れにくくなります。身体を無理なく椅子に預けられるので、長時間姿勢が一定に保たれます。普通の椅子は10分毎に姿勢をずらすと思いますが、2時間同じ姿勢とかでも全然平気です。

肘掛付き椅子を平社員に与えない理由って何??

2万円も出せば肘掛付き椅子が手に入るという現実があるのに、なぜかどの企業も、それ以下の質の低い椅子を社員に貸与しています。


なぜでしょうか??


多分、「肘掛付き椅子は管理職から。革張りは取締役から。」みたいな意味不明なしきたりが日本(世界??)の99%の会社にあるからという理由が上げられるからでしょう。

しかし、それはとても合理的とは言えません。なぜなら、社員が快適に作業できる=会社の利益の源泉が増える事を上回る効果が、それにあるとは思えないからです。

「肘掛付き椅子は管理職から。革張りは取締役から。」の効果ってなんでしょう??

「肘掛付き椅子に座ってるオレは偉いんだぞ!わっはっは!」と威張れる?権威?格式?

それ、全く分かりません。

座っている椅子の質で「オレは偉いんだ!」を実感しちゃう管理職や、相手が座っている椅子を見て「はは~!!管理職様!!」と従っちゃう平社員からは、仕事ができるというイメージを私は持てません。

もしくは、椅子なんかで上下関係を明示しないとやっていけない組織なんでしょうか??

「肘掛付き椅子」は高いからコスト的な問題??でも、肘掛付き椅子も無しの椅子も、数千円の差と、実はそんなに価格は変わりませんよ??

それでもコストが問題!なら、1人1回5千円の会社飲み会等を4回程我慢すればコストは捻出出来るはずです。

「飲み会4回開くか、お前の椅子を2万円の代物にするか、どっちか選べ」と言われたら、私は0.2秒の脊髄反射で後者を選びますし(笑)飲み会を止めた理由が「社員の椅子を新調」なら「飲み会減った!」と怒る人もいないでしょう。

それとも、格式・コストとは違う、もっと別の理由があるんでしょうか??私は全く分かりませんが・・・。

椅子の質で仕事の成果は全然変わるんじゃない?

「肘掛付き椅子は管理職から。革張りは取締役から。」は、言い換えると「管理職未満は座り心地よろしくない椅子で我慢」です。

それを圧してまで、良い椅子を取締役にしか貸与しない理由は??

「管理職未満は座り心地よろしくない椅子で我慢」は管理職になるまで数年間、200日/年・8時間/日の出勤で、8,000時間位は我慢をさせられるわけです。

「8,000時間、座り心地よろしくない椅子で我慢」する価値が「肘掛付き椅子は管理職から。革張りは取締役から。」にあるんでしょうか?

社員は8時間の労働の中でほとんどを椅子に座って作業をしています。

  • メチャメチャ座り心地の良い椅子に座って8,000時間費やした作業
  • とりあえず座る事に苦痛は無い程度の椅子に8,000時間費やした作業

生み出される知恵・知識に着目した場合、効果にどれほど差があるか、冷静に考えた方が良いと私は思うのです。

椅子ならば、5年間2万円で投資できる

椅子は5年位(耐用年数)に2万円出せば非常に優れた物を購入できます。効果の割に非常に安価です。

100万円で50人にメチャメチャ座り心地の良い椅子を貸与できます。

その平社員50人が管理職になるまでの一人当たり平均4,000時間かかったとします。

すると200,000時間の質を高める事になるわけです。

そう考えると5年で100万円の投資回収効果は非常に高いと思うわけです。