鬼人事クマさんのブログ

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優れた面接官として心がける事

わたしは中途採用面接官として、年間200名程の面接を行っているわけですが、逆に中途採用応募者としても100社位面接を受け、人事担当に会っているわけです。

採用市場において、需給者両面をかなりの深度で知っていますから、好印象を受ける面接官の態度とガッカリされる面接官の態度の違いが良くわかります。

私なりにその解釈をして今の面接に応用している結果、内定辞退率はほぼ10%、10人に1人内定辞退される位の数字をたたき出しています。もちろん所属会社のブランドとか待遇により内定辞退されないのもありますけど、「面接官の印象が悪かった」というフィードバックはここ2年ほどは1個もありません。

今回は面接官の取るべき態度などをお伝えできればと思います。

1.絶対に否定をしない

志望動機と退職理由を聞く時に「絶対に否定しない」というスタンスで臨むようにしています。

理由は簡単。自分が候補者の時、これをやられて最高に腹が立ったからです。

例えば、以下の退職理由を聞いたとして人によっては「甘いなぁ~」と考えるかもしれません。

毎日2時間以上の残業がかさみ、家に帰り着くのが21頃になる。もっと自分の時間を持ちたい

どうでしょうか。 おそらくこれ以上の状況で働いている方もたくさんいるでしょうし、毎日2時間の残業=月40時間程の残業に耐えられないと公然とアピールされるような方を採用は出来ないという判断をされるのは仕方ありません。

しかし、その自分の判断を本人にアウトプットする事は極めて慎重に行ってください。 例えば以下のような問いをかぶせるのはNGです。

  • 2時間の残業はどこの会社でも普通にあると思いますが、勤務は難しかったですか?
  • 残業を減らす努力はしなかったのですか?
  • 残業が多いだけで退職しようとは思えないのですが、ほかに理由は無いのですか?
  • その状況でも辞めてない人もいますよね?あなたとその方との違いはなんですか?
  • 上記のような質問は質問する事によって、相手に「否定」というメッセージを与えます。つまり、相手には以下のように伝わっているという事です。

  • 2時間の残業はどこの会社でも普通にあると思うので、あなたは考えが甘いと思います。
  • 残業する事態に甘んじていただけでしょう。
  • 残業が多いというのはそれほど大ごとだとは思えませんね。甘いですよ。
  • あなたがほかの人より頑張れていないのではと疑っています。
  • 実際にはこのような事を思っていなかったとしても、相手にかなりネガティブな印象を与えます。もちろん、思っていたとしてもそれが相手に伝わっています。

    ではなぜ「否定」を与えてはいけないのでしょうか。

    1)面接評価は相手に伝える必要はない

    面接の際に重要なのは、自社にとって候補者の考えが甘いかどうか・優れた人財かどうかを見る事であり、それを相手に伝える事ではないのです。

    確かに未熟な人に説教して論破したり、候補者が「自分は未熟なんじゃないか」と追いつめられる様を見るのは楽しい?かもしれませんが、その代償は大きなものになります。

    甘いと感じてそれが当社に合う人材でないと判断できるなら、落とせば良いだけです。質問をすることによって「甘い」というメッセージを相手に伝えてしてしまって、相手に不快感を与える必要は全くありません。

    2)間違いなく不快感を与えてしまう

    この不快感、SNSで拡散されると非常に怖いですし、転職エージェント様と契約している企業はことさら気を遣ってください。

    転職エージェント様での情報よりも、当然SNSで拡散される情報の方が信用が得やすいものとなります。 特に、同じ候補者の立場から書かれた情報を信用する候補者も多く、VOKERS等に書かれた悪評は信憑性を以て根強く残ります。 候補者も「エージェントや人事は良い事しか言わない。だからあら捜しをしよう」というスタンスで見ていますので、悪評が1つでもあると、かなり不安に思うはずです。

    また、転職エージェント様も客商売ですので候補者のモチベーションを下げるような要因は極限まで避けます。 「あの企業の面接はひどい!」と候補者に言われてしまうと、次から気兼ねなく紹介ができなくなります。 ※もちろん「あの企業の面接は素晴らしい!」と候補者に評判になれば、どんどん紹介してもらえるようになります。

    それゆえ、面接官たる者、相手に不快感を与えるような反応は限りなく0にする努力が必要です。

    3)全肯定でも同じ質問が出来る

    私は「甘いなぁ」と思う候補者に会ったとしても、以下のように深堀していきます。

  • それは大変ですね。体や生活サイクルにも不調をきたしていたんではないですか?(←勤務は難しかったですか?と同じ質問になる)
  • 当然、残業を減らす努力も精一杯されても上手くいかなかったですよね(←残業を減らす努力は?と同じ質問になる)
  • 残業だけでも結構大変だと思いますが、その他にもかなり負担もあったのではないですか?(←残業以外に理由は?と同じ質問になる)
  • その状況で続けると体壊す人もいると思いますが、ほかの人はどうでした?(←他の人は頑張れてるのでは?と同じ質問になる)
  • 相手が受ける印象が全く異なる事が見て取れると思います。

    質問力を上げる事によってほとんど同じ効果が得られるのに不快感を与えてしまう質問の仕方をするべきではありません。

    4)候補者が本音を閉ざしてしまう

    面接において大事なのはいかに候補者に本音(に近しい物)を語って頂けるかです。嘘で塗り固められた虚実で籠絡されてはいけません。 候補者が甘いのであれば、甘さを出してもらう必要があるのです。

    候補者は志望動機や退職理由を正論で論破されてしまうと途端に萎縮して声が小さくなり、良い物も悪い物も全く見えなくなります。 「良い物が見えないので不採用」としても良いですが、ストレス耐性の強弱で採用が決まってしまいます。

    ほとんどの社員は勤務中の95%の時間は強いストレスはなく、リラックスして良い物も悪い物もオフィス内でさらけ出しています。 ですので、面接ではこの状況でこそ如何にパフォーマンスを出せるかをまず見るべきで、ストレスが掛かり萎縮した状態でのみ判断するべきではありません。

    体育会系学生に多いですが、高ストレス耐性の方は高ストレス下では活躍できますが、普段の95%の時間では部下や同僚に不要なストレスを与え、パワハラや周りへの配慮を欠いた言動を取ってチームに負の影響を与える事もあるという点も見ていくべきです。

    ストレス耐性も大事ですが、協調性や慎重さも同時に大事なのです。それを測る前提として本音を伝えて頂ける場を用意する事が面接官には求められます。

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    ちょっと長くなりましたのでいったん切ります。続きは順次追記していきたいと思います。