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鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

定期代を時間で変動させれば残業が減る

人事 仕事

ちきりんさんのブログに「価値に応じたプライシングの重要さ」という記事がありました。
d.hatena.ne.jp

問題提起として

  • なんで新幹線の料金って、年末年始など超繁忙期でも平常時とほとんど変わらないんだろう?
  • 飛行機チケットの実勢価格は、閑散期と繁忙期で大きく違いますよね?閑散期には様々な割引きが使えて安くなるけど、お盆や正月、GWの料金はかなり高い
  • 相当に柔軟なプライシングが行われている飛行機に対し、新幹線は受給による価格変動がものすごく小さい

だから

  • 繁忙期のチケット価格は、通常期の 2倍程度まで引き上げる
  • 繁忙期は自由席を廃止し、すべて指定席にする
  • 指定席チケットの他、格安の「立ち乗りチケット」を売る

のはどうか。

これが要旨ですが、一歩進んで私は「定期代も時間で変動させたらどうか」と考えます。

定期代を乗車時間単位で買える

「定期代も時間で変動させたらどうか」というのはつまり使用する時間帯によって価格を変えるという事です。

具体的には、1時間毎に定期時間を区切り、乗客は1時間単位で定期を買えたらどうかなーと。

つまりJRなり私鉄なりは

  • 4:30-5:30(始発) 2,000円
  • 5:30-6:30 2,500円
  • ・・・
  • 7:30-8:30 6,500円
  • ・・・
  • 17:30-18:30 4,500円
  • ・・・
  • 20:30-21:30 2,000円
  • ・・・
  • 23:30-24:30(終電) 3,000円

という売り出し方をして、それに対し乗客は

  • 7:30-8:30 6,500円
  • 8:30-9:30 3,500円
  • 17:30-18:30 4,500円
  • 18:30-19:30 3,500円
  • 合計:18,000円

という定期券を購入するわけです。

ちなみに、上記時間は「改札を通る時間」を考えていますので、大宮~池袋~新宿だったら、大宮と池袋と新宿の改札を通った時間が計測されます。

これ、メッチャ良いと思います。

一番分かりやすいメリットは車両混雑緩和で、それに伴う痴漢犯罪の減少、暴力行為の減少、乗客の疲労の軽減、遅延リスクの減少などメリットは大きいですが、私は鬼人事*1なので、人事的にどうかを考えます。

良い点1.始業、就業時間のフレックスが進む

日本の就業時間はほとんど9:00~17:00ですが、なぜそうなっているのか、毎日9時に来ないといけない理由、17時に一斉に帰らないといけない理由はなんでしょうか。

わたしは全く分かりません。雇用契約上そうなっているから、が理由だとするならば、そもそも雇用契約上の就業時間をなぜ9時~17時までにしているのか、がわかりません。

また、なぜ毎日同じオフィスに行かなければならないのか、もわかりません。そして、全員同じ時間に出退勤、も分かりません。

「毎日同じ場所に、全員、同じ時間に出社して、同じ時間に帰る」という、この“当たり前”をもう一度本質から考えなおしてみる契機になるのが、この時間単位定期券です。

私案では、始業・終業を1時間後ろ倒しにすれば定期代が4,000円減ります。仮にラッシュ時の時間定期が他より50%高くなってしまう場合、私の定期代は年間60,000円が年間90,000円になり、50人も居れば、年間150万円の経費増になります。

一方で、10時~19時就業になれば、仮に私の定期代は年間60,000円が年間45,000円になり、50人も居れば、年間75万円の経費減になります。

企業にとって定期代として消える人件費は全くと言っていいほど企業価値を創造しない、無駄な出費の最たるものですので、少なければ少ないほど良いです。

全員は無理でも、一人だけ、二人だけでも、どんどん不要な経費が減るのです。そもそも、毎日8時間、キッチリとオフィスも居なくていいんじゃないの?と考えて、時短勤務や自宅勤務も増えるかもしれません。

今は時短勤務やフレックス勤務に対して、それほど大きなインセンティブはありませんが、これがひとつのインセンティブになります。

良い点2.残業抑止

定期で買った時間以外の時間に乗ると、定期外になるので、普通乗車券を買わないとなりません。

例えば、8:30-9:30の定期券を買った場合、8:05や9:40に改札を通過出来ないので、どうしてもその時間に乗車したい場合は乗車券を買うか、ICカードから乗車券分の残高が引き落とされます。

つまり、毎日決まった時間に乗車するインセンティブが働き、違う時間に乗車する負のインセンティブが働きます。

サラリーマンが違う時間に乗車する理由として多いと考えられるのは早出や残業、休日出勤です。残業をすれば帰りの乗車時間が変わり、早出をすれば行きの乗車時間が変わり、定期が使えなくなります。

また、平日限定(土日祝日除く)の定期券であれば、休日出勤すると定期が使えなくなります。

残業や早出、休日出勤は当然上司の命令で行われるものなので、定期時間外に都度購入する乗車券は会社負担になります。労働判例上、これを本人負担にするのはまず不可能です。

サービス残業をさせたとしても、電車代までサービスにできません。残業代を不正に抑えたとしても、電車代は掛かるので、残業を抑止しようという企業側・労働者双方のインセンティブにつながります。

どうしても残業しないといけない場合には「本当に残業しないとならないか」「明日でも出来ないか」を考えるきっかけになります。

良い点3.職場近隣居住者に手厚い住宅補助

通勤で30分しか掛からない者は基本的に1時間分だけ時間定期を買えば済みます。一方で、1時間30分掛かる者は最低で2時間分の時間定期を買う必要があります。単純に考えれば倍の費用がかかります。

今は区間と期間によって定期代が左右されますが、これが通勤時間によっても左右されるようになるわけです。そうなると、遠く住んでいる者・通勤時間が長い者の定期代が更に重く人件費にのしかかってくる事になります。

通勤時間は基本的に何も企業価値を産んでいない無駄な時間なわけですが、その対価が益々上がってしまうわけです。

であれば、職場近隣居住者への住宅補助を増額し、職場の近くに住んでもらう。そして残業代を払っても1時間早く出社してもらい価値の生産に努めてもらった方が、人件費増を考えてもトータル的には割に合うと考える企業も出てくるはずです。

今は労働者が職場近くに住んでいようとも、遠くに住んでいようとも、インセンティブがほとんど働いていない状況です。これを、遠くに住んでいる労働者を雇う事に対して負のインセンティブが増す事で、家賃が安い郊外に住む労働者の正のインセンティブと相殺させるのです。

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以上、時間単位で定期を売るということについて、人事的側面から考えてみました。

もちろん電車遅延した時のオペレーションが煩雑になる、とか、改札を出る時に時間超過した場合はどの区間分払うか、労働者に対しての不利益変更に当たらないか、など、私案に問題がある事は100も承知です。

ですが、人口減が加速する日本では労働者の生産性向上は喫緊の課題であって、勤務時間・勤務場所・通勤時間という暗部に本質レベルで考える為に、乗車時間で定期代を変えるというのは非常に効果的だと思ったのです。

*1:今は隣接部門ですが笑