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鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

共通一次面接会を受ければ良いじゃん

前回お伝えした通り、共通一次面接会とは

  • R社が応募者を面接し、その受け答えの様子を録画し
  • R社がその受け答えを書き起こし、テキスト化し
  • 録画とテキストをデータベース化し
  • 企業はそのデータベースから候補者をピックアップし、二次面接をオファーし
  • 応募者はそのオファーを受諾し、企業の二次面接に進む

というものです。

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それにより、「企業にとって」は以下の通りメリットが生じ、生産性の向上が図れます。

  1. スクリーニングが的確
  2. 即「お帰りください」が可能
  3. 面接官教育が不要

今回は「受験者にとって」はどのようなメリットがあるかを説明します。

良い点1.一次面接のコストが大幅に減る

一番分かりやすいのが、コスト圧縮です。コストには「時間」「お金」があります。

まず、時間的なコストがメチャ圧縮できますね。共通一次面接会では「共通」なので、業界問わず広く問われる事が質問されます。

例えば「10年後どうなりたいか」とか「学業で何を達成したか」とか「リーダー経験はあるか」などです。そこには「どうして当社を受けようと思ったのか?」「当社のコアバリューはなにか?」などは入ってきません。それらは二次面接で問われます。

そうすれば、二次面接を受けるまでに個別企業研究に割く時間は皆無となります。今は最低でも一次面接の段階で個別企業研究をしなければならないので、一時期に10社も一次面接が入ってしまうと、どうしても1社あたりにかける時間が足らなくなってしまうのです。

「個別企業研究しなければならない項目は二次面接から問われる」ならば、二次面接まで進めない企業の研究に割く時間は圧縮され、就活に割くトータルの時間は大幅に減るはず。

あと、移動時間もバカになりません。東京に住んでいれば想像は難しいと思いますが、地方出身者が東京本社の大企業を受けようとすると

  • 今日の一次面接は金沢営業所で、
  • 来週の二次面接は大阪支社で、
  • 再来週の最終面接も東京本社で、

となりかねません。

そして、それが複数社、一時期に固まるのです。移動時間だけでも相当な時間です。

一方で、それら大量に投入される時間は「お祈りメール」で全てが消えるわけです。全国の専門学校生・大学生*1全体で考えると、毎年大勢の若者の貴重な時間が大量に消えています。これは国家して決して無視できない大きな損失ではないでしょうか

さて、時間の次はお金です。私が就活していた時期はもう10年も前ですが、交通費だけでも20万円は飛びました。神奈川在住で、神奈川・さいたま・東京を就活圏にしており、就活期間は半年位でしたが、それでもこれだけ大きな額になるのです。

地方出身者が東京の企業を受けるとなると、交通費だけでもその数倍、プラス滞在費が掛かるので、ある程度の貯蓄がなければまともな就活ができるはずもありません。

「第二志望の企業から一次面接のオファー受けたけど、第二志望だし、東京往復のお金ないから、諦めよう」と考えてしまった優秀な地方の学生はかなり居ると思います。

共通一次面接会では、全国展開するR社の最寄り営業所まで移動し、そこで面接を受ければ良いので、交通費も少なくて済みますし滞在費もおそらく必要ありません。

そして、一回面接動画を撮れば、後は「動画があなたに代わって全国の企業にアピールする」ので、あなたがいちいち東京に赴いて、時間を割いてアピールする必要もありません。圧倒的に高パフォーマンスです。

良い点2.2~3回のやり直しが出来る(場合によっては無限回?)

面接は基本的に一発勝負です。しかし、よく考えるとこの一発勝負は誰も幸せにしていません

仮に応募者が大失敗と思えるような面接をした場合、企業側は応募者の本質をより低く判断してしまうミスを誘発してしまうし、もちろん応募者にとっても「私を全て出せなかった」と悔います。

一方で、応募者が大成功と思えるような面接をした場合、企業側は応募者の本質を正当に判断できますし、応募者にとっても「これで落ちたら仕方ない」と諦めもつきます。

つまり、応募者が面接大成功!と言える面接をすればするほど、企業・応募者双方にメリットがあるのです。一発勝負はその可能性を著しく削いでいると言えます。

そこで、共通一次面接会の動画データは一発勝負ではなく、2~3回と撮れるとしたらどうでしょう??その動画データの中から一番良い物をピックアップして、それをデータベース化する。これは少なくとも一発勝負の一次面接会を多数重ねるよりも、余程良いシステムだと思いませんか?

さて、そもそも「R社面接官が」「R社オフィス内で」という面接制限も無くせば、実質回数無制限の面接も可能です。

面接という形態を保持する為に「30分」「1対1の対話形式」という制限は残すものの、「いつ」「どこで」「誰が面接官で」「どのように」面接するかを自由にすれば、学校のキャリアセンターでキャリアカウンセラー相手に面接を受けまくって、一番良い物を抽出する事も出来ます。*2

前述したとおり、「応募者が大成功と感じる面接」は企業も応募者本人も不幸にしません。であれば、応募者が何回も面接にトライ出来た方が企業と応募者、お互いにメリットがあるはずです。

良い点3.自分の面接の振り返りが出来る

面接の難しさは、「採用」「不採用」という結果しか返ってこない事にあります。*3それ故「なぜ不採用になったのか?」はどうしても自己分析せざるをえませんが、それには、本番でガチガチに緊張した面接の内容を詳細に記憶している必要があります。

つまり、なぜ不採用になったのかを分析する為には、面接の場での自分の振る舞いを客観視し、自分の言った事を面接後でも忠実に覚えている事が必要なのですが、それには性格的なもの、および、結構な経験と訓練が必要です。

一方で、本番の面接を動画で撮っていれば、面接の自己分析は飛躍的にやりやすくなりますし、何より他者からの評価が可能になります

私が人事部時代、学生から面接アドバイスを求められる事が結構あったのですが、肝になる情報は、「何を」言ったのかではなく、意外にも「どのように」(「どのような話の流れで」)言ったのかです。一番禁句とされる「御社は第一志望ではありません」というフレーズも、「どのように」言ったかで効果は180度変わります。

学校には元面接官の方がたくさんいます。模擬面接会も頻繁に行っています。しかし、それが中々内定率向上に結びついていないとすれば、「どのように」という部分が模擬面接では得られないからです。

しかし共通一次面接の動画を見れば「どのように」は一発で判断できるでしょう。自己分析でももちろん「本番の面接動画」は役に立ちますが、それよりも他者からの的確な面接評価を受けられるのは大きなメリットです。

プロのスポーツ選手は自分のフォームを必ず録画し、プロのコーチが分析します。現状での就活は、言ってしまえばプロのスポーツ選手が自分のフォームを録画もせず、試合の後に一人で振り返りをするのみなのです。これでは面接力も向上しないのは当たり前です。

良い点4.就活がプッシュ型からプル型に変わる

就活の本質は応募者は店員、企業はお客さんです。一見すると、ブースを構える各企業は店員で、訪問する応募者がお客さんと誤解するかもしれませんが、違います。

採用・不採用という圧倒的に強い最終決定権を持っている以上、企業はお客さんなのです。*4応募者は店員さんのように、お客さんに自分と言う品物を買ってもらわないといけません。

応募者は店員、企業はお客さん。この関係は覚えておいてください。

さて、現状の就活はいわば、各家庭で待っているお客さんに、店員さんが戸別訪問販売するスタイルです。

この世にデパートやスーバーがなく、お客さんが部屋に引きこもっている世界を想像して下さい。そこで店員さんは各戸訪問販売をせざるを得ませんが、千人単位の多くの店員さんが一時期、一斉に各戸突撃訪問するわけです。そしてお客さんは、スーツを着て似たり寄ったりの商品アピールをする突撃訪問店員さんの中から自分の買う商品を選んでます。

これ、メチャクチャ効率悪いでしょ?

効率悪い理由は、店員さんがお客さんに対してプッシュ型の営業をしているからです。だから現実には、プル型の営業である「デパート」や「スーパーマーケット」があるんです。お客さんは自分の欲しい物を買いに行きます。そこで店員さんは欲しい物を差し出します。そっちの方が店員もお客さんも双方効率的。

プッシュとは押す、つまり、押し売りです。プルとは引く、つまり、店舗販売です。

現状では新卒就活生は「各企業戸別訪問」というメチャクチャ効率の悪いプッシュ型を中心に就活しているわけです。そりゃー新卒の就活が大変なのは当然です*5

訪問販売では100戸訪問して10戸契約は難しいと思いますが、店舗販売では100人の来店者に対して50人に販売する事も可能です。同様に100社適当にエントリーして10社内定を得るのは難しいと思いますが、共通一次面接動画に興味を持った100社にエントリーして10社内定を得るのは比較的楽でしょう。

また、1人が1日で100戸訪問するのは難しいですが、デパートの店舗に1日100人に来店頂くのは十分可能です。同様に半年で100回、個別面接を受ける事は難しいですが、面接動画を100社に見てもらうのは1時間で可能かもしれません。

このように、プッシュ型からプル型の就活にと変更する事は応募者にとって非常にメリットがあるのです。もちろん、リクナビから自分から気に入った企業にアプローチをする、従来のプッシュ型の就活を一部就活に取り入れるハイブリッド式就活もあり得ます。

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以上、「共通一次面接」の概念を説明しましたが、これを今書いた理由は「将来R社さんやKR省がサービスを提供する時には、すでにONIKUMAさんが思いついていた」という証拠を残す為です。

「ホントに共通一次面接会なんてあり得るのか??」って?

十分、あり得ます!その理由は一次面接の生産性が著しく悪いから。企業がもっと人手不足になり、資本もなくなると、真剣にホワイトカラー生産性の向上を図るようになります。

で、目を付けられるのは間違いなく採用業務。その中でも「説明会」と「一次面接」がツートップです。ここは確実に目を付けられると思います。

いつか、説明会の生産性向上案も説明したいと思います。

*1:高校生は原則自由応募でないので除きます

*2:「どのように面接するか」を自由にすれば、ユーチューバーのような、面白く、大胆な面接動画を挙げる個性的な応募者も出てくるかもしれません

*3:なぜ不採用になったのか?という質問を人事部にしても、「その理由で落とすのは差別だ!差別だ!」と騒ぐ人たちを警戒する為、まともな採用担当からは決して教えてもらえません

*4:日本全国のあらゆる企業から内定を得られ、その中から自由に内定承諾・内定辞退出来る最優秀者は別ですが

*5:企業からのアプローチから入る中途の就活が応募者にとって比較的楽なのは、プル型である事が理由です