鬼人事クマさんのブログ

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共通一次面接会を実施すればいいじゃん

工場の生産性を極限まで高めている日本企業にあっても、採用の生産性って最低の位置にあると思っているONIKUMAです。

年功序列の組織を維持する為に毎年新人を大量に一括採用する、中途はあくまで補助」という方針は効率良いと思いますが、その手段が全然効率的ではないですね。

新卒でも、中途でも、応募者が内定を取るまでに以下のような、面接2,3回の採用フローが設定されるのが普通です。

  1. 説明会
  2. 筆記テスト
  3. 一次面接
  4. 二次面接
  5. 最終面接

全ての段階でも言える事だと思いますが、説明会と一次面接が著~~~しく効率性が悪くないですか?と私は思うのです。

今回は一次面接の非効率性を説明し、その解決策として「共通一次面接」を記します。

一次面接が非効率なわけ

一次面接の効率性を考える為には一次面接が何のために行われるのか、その目的が明確でないといけません。

はて、一次面接を実施する(応募者にとっては受ける)目的とは何でしょうか?実は、企業によっては全く決まっていない場合があります。一応一次面接の目的としては以下のようなものが一般的に考えられます。

  1. 企業が、応募者の実務スキル有無を判断する
  2. 企業が、応募者の人物像の良しあしを判断する
  3. 企業が、応募者の考え方・思考法の適不適を判断する
  4. 企業が、応募者から質問に答える事でその知識を高める
  5. 企業が、応募者に企業の宣伝をする
  6. 応募者が、企業の雰囲気を知る
  7. 応募者が、WEBページ等から得られない企業情報を知る

この中で、一次面接でしかできないモノ(二次面接や最終面接ではできないモノ)とはなんでしょうか?それがあるから、わざわざ複数回に分けて面接を実施しているはずです。

それがなければ、最終面接一発勝負で全く構わないはずで、その方が一次二次の面接官の人件費は浮きますし、判断もスピーディになり、良い事尽くめです。

しかし、一次面接、二次面接、最終面接で毎回「IT詳しいの?」「なぜこの学部を選んだの?留学したの?」「なぜ当社に応募したの?」と聞かれた

という経験が多かった私からすると、いったい何のために一次面接・二次面接を設定しているのかよくわからない企業がいっぱいあるのではと勘ぐってしまいます。

一次面接の目的が、「一次面接じゃないとダメ!」という項目ではなく、単に「絞り込み」や、「応募者の雰囲気を見る」などの二次面接でも十分に測れる内容であれば、いっそのこと、「共通一次面接会」を実施すればいいんじゃない?と思います。

共通一次面接会とは

共通一次面接会とは

  • R社が応募者を面接し、その受け答えの様子を録画し
  • R社がその受け答えを書き起こし、テキスト化し
  • 録画とテキストをデータベース化し
  • 企業はそのデータベースから候補者をピックアップし、二次面接をオファーし
  • 応募者はそのオファーを受諾し、企業の二次面接に進む

というものです。R社というのは、まぁ、人材業界で有名なR社を想定していますが、どこでもいいです。企業と応募者の中間に立って、「面接だけを行う企業」の事です。

データベースには、面接での質問内容に対して、応募者が回答した内容がテキスト化され、動画と共に保存されています。

企業は、テキスト内容を検索し、ヒットした中から候補者を選抜します。例えば「あなたの強みは何ですか?」という質問に対して「スピード」という単語を言った応募者を抽出し、その中から面接動画やそれ以外のテキスト内容を精査し、二次面接のオファーを出すのです。

応募者は二次面接のオファーが各社から来ますので、気に入ったオファーを受諾し二次面接に進みます。

これ、メッチャ良いと思いませんか?

良い点1.スクリーニングが的確

大企業の場合、特に新卒採用においては、1万人の応募者に対して、面接官も含めて採用担当者十数人が選考を行うという状況は珍しくありません。

5対1の集団面接を実施したとしても、とても全員面接できるものではありませんので、面接の前段階でスクリーニング(候補者の絞り込み、足切り)が必要です。

新卒で採用する場合、スクリーニングする方法は「学歴」と「ペーパーテスト」に偏っています。中途でも「前職の社名・役職」「転職回数」と「ペーパーテスト」に偏っています。

これだと、確かに10名を1名に絞る事は可能ですが、「東大生」や「一回も転職経験のないNECの若手部長」を頂点として、いわゆるペーパーテスト優等生やその道一筋のエリートのみが応募者になります。

しかし実際は、東大生やNECのエリートでなくとも「自社に合う素養を持っている」とか「自社の雰囲気になじみそう」とか「伸びしろありそうな考え方をしている」とかの特徴がある方を、応募者として集めたいのです。

事実、東大卒でペーパーテスト満点だけど考え方が全く幼稚なA君と、無名大卒でペーパーテスト20点だけど考え方が優れたB君が居たら面接で合格になるのはB君です。*1

だから、考え方や雰囲気などの「人物ベース」でまず応募者を集め、その中から厳選していった方が効率的です。

しかし、考え方をはじめとした「人物ベース」で客観的に大量にスクリーニングする方法は現状ないため、「学歴」や「前職の格」、「ペーパーテスト」というスクリーニング方法に頼らざるを得ないのです。

これ、採用担当者共通のメッチャ深い悩みなんです。

そこで、共通一次面接会でどういう単語を何回言ったのか?をスクリーニングの対象としたら効果的です。

  • とにかく「スピード感を大事にする人」を採用したい→「スピード」という単語を面接で30回以上言った人
  • 「絶対に法令を順守する人」を採用したい→「ルールを守る」という単語を面接で30回以上言った人
  • 「ITスキルが高い人」を採用したい→最新のプログラム言語の独自関数名を面接で言った人

このように、「スピード」「ルールを守る」という単語でテキストデータベースを検索するスクリーニングであれば、一律にペーパーテストで足切りするより正確な適性判断が可能です。

なお、スピード感がある事を演出したいがために、面接中にやたらと「スピード」という単語を連呼する応募者も居ると思いますが、対話が不自然になりますし、対極の「慎重」という単語検索をする企業からはオファーは全く来なくなりますので、一長一短です。

良い点2.即「お帰りください」が可能

面接は最初の1分で合否が分かる、という面接官も居ますが、合格は分からずとも、最初の1分で“否”が分かる事は結構あります。

  • ノックせずいきなり入室して名乗りもしない応募者
  • スーツの着こなしがとにかくだらしない応募者
  • 恰好が奇抜すぎる応募者
  • 面接官の目を全く見ない応募者

こういった応募者は面接では即不採用ですが、自社会議室等で一次面接を行っているとすれば、数時間かけ安くない交通費を支払っている応募者に対して、面接が始まって1分で「お帰りください」とは言えません。そんな事言ってしまっては間違いなく応募者の企業に対する心証は悪くなりますし、応募者がネットに長けていれば自社WEBサイトや2chは大炎上必至なので、仕方なくいつもより10分短い15分ほどの笑顔満点の接待面接を施してお帰りいただくわけです。

実際の面接をしていると、面接時間が30分とすれば20分もあれば合否は大体決まっています。あとの10分は「合格(不合格)という判断は合っているか?」という補強の為の時間に充てます。また、30分以上合否が判断できない応募者は極まれですし、そういう応募者は大体不採用とします。

つまり、面接時間の2/3の時間が勝負で、残り1/3はロスタイムという場合が多いのです。そのロスタイムは前半2/3の勝負の時間に比べて非常に効率が悪いのです。

一方、共通一次面接会の面接動画であれば、閲覧者が「この応募者はダメだ!」「この応募者はOK!」と思った瞬間に遠慮なく動画を閉じられますので、ロスタイムは0です。

どうしても受け答えを全部見たければ、最初の3分だけ動画で「応募者の雰囲気」を掴み、あとはテキストデータで受け答えを確認すれば30分の面接でも、10分もかかりません。

良い点3.面接官教育が不要

面接を請け負うR社の面接官は、面接だけをその業務とするプロフェッショナルです。すなわち・・・

  • 特定業界の専門知識や実務経験を持ち
  • 毎日10名、年間で1千名単位で面接を実施し
  • 社会人経験が10年以上あり
  • 一般常識や面接マナーを研究し
  • 面接法やキャリアカウンセリング法を会得し
  • 面接にかかわる規制法を熟知している

ような者が、応募者の志望業界・職種に合わせて面接官としてあてがわれるわけです。

現状、各社でも一次面接担当者は抱えていますが、一部例外を除き、面接専門のプロフェッショナルではありません。通常、社内の面接官は面接以外の業務を抱えるので面接業務の優先度はそれ程高くなく、現場担当者であれば完全に「片手間」になります。

また、一次面接官を育てるのも大変で、日々の業務がある中で面接理論や評価法の研修を重ね、実際の面接において数々の失敗を経ながら、数年後にやっと一人前になるという感じです。

結果としてまだ未熟な面接官が面接を担当し、応募者の真意を測れず入社後ミスマッチを起こしたり、応募者から「圧迫面接だ!」と要らぬ不評を買ったりしているのです。

であれば、R社の面接プロフェッショナルが一次面接を担当すればより真意も測りやすいですし、たとえ応募者から「圧迫面接だ!」と思われたとしても、R社以外の社名は傷みません。

応募者にとっても、下手くそなインタビューアーから質問されるより、百戦錬磨のインタビューアーから質問された方が自分を出せるはず。

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以上、共通一次面接会の概要とメリットを説明したわけですが、これは企業側からの視点です。

実際は応募者からの視点が比較的重要で、応募者には更に大きなメリットがあります。

それは次回。

*1:普通の企業は…