鬼人事クマさんのブログ

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語尾までしっかり伝えなさい

※会社の新人さんに伝えた話から抜粋です。
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話す時に語尾までしっかりと言わない社会人が結構います。

以下の会話で、“・・・”で終わってしまい、“( )”の中を言わない事ですね。

「携帯電話の使用はここではちょっと・・・(ご遠慮頂けますと幸いでございます)」
「今日、ちょっと体調が悪くて・・・(お休みを頂きたいのですがよろしいでしょうか)」
「トイレに行きたいのですが・・・(行ってもよろしいでしょうか)」
「書類はそこに・・・(置かせて頂きました)」
「明日には必ず・・・(仕上げて参ります)」

このような、語尾を省略して相手にそれを補完させる言い方は良い所が一つもありません。すぐにでも改善するべきところです。事実、転職していく中で様々な社会人を、上司として、同僚として、部下として見てきましたが、こういう会話がクセになっている人で出世したり、オフィスで尊敬されてたり、信頼を勝ち得ている人は一人も出会った事ありません。

逆に、万年平社員的な人でこういう言い方をする人はたくさん見てきました。あ、もちろん、中年だけではなく、これからずっと出世も向上もしなさそうな若い人も含みますよ。

ではなぜこういう言い方が出世を阻むのでしょうか。尊敬を勝ち得ないのでしょうか。それを以下に記します。

語尾を省略すると、敬語が使えなくなる

これが最悪です。語尾省略君や語尾省略ちゃんは、敬語をしゃべらせるとほとんどメチャクチャ、いまだに例外はありません。

敬語は、“各位”などそれ自体敬語である単語を除くと、ほとんど文末にくるべき動詞や語尾が変化します。つまり、敬語のエッセンスは文末にあるのです。

  • 携帯電話の使用はここではちょっと、ご遠慮頂けますと幸いでございます
  • 今日ちょっと体調が悪くて、お休みを頂きたいのですがよろしいでしょうか
  • トイレに行きたいのですが、行ってもよろしいでしょうか
  • 書類はそこに、置かせて頂きました
  • 明日には必ず、仕上げて参ります

語尾に含まれるこれらの敬語をバッサリ省略して、「トイレに行きたいのですが」で終わってしまうと、文末の「~よろしいでしょうか?」などが分からなくなったり、口馴染まなくなってしまい、大事な場面でとっさに使えなくなります。

大事な場面でとっさに敬語が出てこないという人に、大事な場面を任せようと思う人はいません

語尾を省略すると、圧倒的に立場が弱くなる

私自身が経験があるのですが、怖い上司やビビッてしまう相手に対しては、なぜか語尾までハッキリ伝えられず、尻つぼみになってしまいます。逆に堂々と語尾まで伝えるように強いて意識すると、自然とビビりも少なくなります。

語尾の省略は自信の無さから来るものだと思いますが、これによって相手は「この人は自分に自信が無いな」と感づいてしまいます。その瞬間、相手に心理的に優位に立たれるのです。

また、交渉において立場を強くする為には、相手に会話の主導権を与えない事が重要ですが、語尾を省略する事によって、相手に発話の機会を与えてしまいます。そしてその後の話の流れは相手に委ねられてしまうのです。そうしてまた、相手優位になってしまいます。

語尾を省略すると、言いにくい事をズパッと言えなくなる

語尾を省略する動機は「角が立たない様に」「敬語が話せないのを隠す為」「会話が短くなり、自分が楽」など、たいていは自分の利益優先なのです。「相手と言い争いになってめんどくさくなりそう」「自分が敬語を話せないのを相手に気が付かれてしまう」「語尾まで会話を考えるのがめんどうくさい」、これらを避けようという心理が働いている訳です。

しかし仕事は他者利益で考えられなければなりません。仕事では自分の都合、自分の評価なんてどうでも良い。相手に嫌われようとも、自分が苦労や被害を被ろうとも、相手の利益になる事を選択しなければならないのです。その為、時には相手を怒らせるリスクを承知で、ズバッと言わなければならないのです。

自分の利益優先で考える癖がついていると、いざという時、言いにくい事をズバッと言えなくなります。ズバッと言えば一発で済むところを、「嫌われない様に」とか「自分がもっと楽な方法は?」とか、逃げる方法をまず考えてしまうわけです。

他者利益を第一に考えられない人に、お客様の相手を任せようと思う人はいません

更に悪い事に、どうしてもズバッと言わざるを得ない逃げられない状況の時、それを言い慣れていないと、表現がどうしても稚拙になり結果的に相手を必要以上に不快にさせます。