鬼人事クマさんのブログ

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ONIKUMAの叫び 〜就活の情報商材

皆さんこんばんは。


実は就活での成功体験、そして採用担当としてのキャリアを活かせば情報商材を売って不労所得が得られるのではないか?なんて考えていたんですが、もう既に出てるんですね!


驚きました。私に思いつくことは、誰かが思いついている。そして既に実行されている。改めてそんな事実を再認識しましたw


しかし、情報商材のうたい文句を改める中でちょっと許せなかったのが、さも低学歴でも遊んでても成績悪くても、就活は戦略次第で大手から内定をもらえる!みたいな論調で煽って、結果的に購買を促そうとする魂胆です。


ズバり言いましょう。


学歴も関係あるし、成績も大いに関係あります。


もう一度言います。


学歴も関係あるし、成績も大いに関係あります。


なぜそんな事を言いきれるのかを著します。きっとこれは大学のキャリアセンターの人や、現役の採用担当者は言わないと思います。なぜなら、就活生のやる気を削いでしまうので


なお、文中の高学歴大学とは明治、青山学院、立教、法政、中央、関西、関西学院同志社立命館以上の私立大学、および国立大と都立大など一部公立大で、それ未満はそれ未満の偏差値の大学、そして高校、中学です。高専はちょっと微妙な立ち位置なので除外します。


■人事は貴方を採用する理由を求めている
人事は貴方を採用する理由を求めています。例えば「英語が出来る」「ITに強い」「リーダーシップがある」などです。なぜ理由を欲するかといえば、このブログで何度も言ってますが、人事部がちょ〜〜〜保守的な部署だからです。チャレンジ??何それ??美味しいの?というスタンスなんですよ。


保守的になるには理由があります。チャレンジして、仮に優秀な社員を採っても、部署の成果にされるのがオチだから。しかし、チャレンジして、案の定労働問題を起こすような問題社員を採用すると、部署は人事部に問責しに来ます。「何であんな新人採ったんだ!!」と言われるんですよ。


だから、チャレンジなどせずに、客観的に見て「理由がある」社員を採る方向に傾くんです。つまり、問題がある社員を採用してしまって、問責を受けたとしても「○○という素質があったので・・・」というエクスキューズが成り立つような社員を採用します。そして、最も客観的なのが「数字」や「上級資格」、「成績」、そして「学歴」です。


「学歴」というのはつまり、人事部にとって大きなエクスキューズになるのです。例えば「失敗した」というフレーズと「東大卒が」というフレーズを一文で使う場合、どんな副詞が入りますか??きっと、「意外にも」という言葉が入るはずです。


一方で「失敗した」というフレーズと「○○大(明青未満)卒が」というフレーズがあった場合、「意外にも」という言葉は入りにくいです。つまり、仮に「東大卒」が「失敗した」としても、人事部は「東大卒なので仕事出来ると思ってました。出来ないとは「意外」です。」と公然と、論理的にエクスキューズ出来ます。配属される部署も「まぁ、俺が採用担当でも同じ意見だな」となり叱責が和らぐ可能性があります。


しかしながら、「○○大(明青未満)卒」が「失敗した」場合、人事部は「○○大(明青未満)卒なので仕事出来ると〜」という言い訳が出来ないんです。


つまり、高学歴者を差し置いてそれ以外のものを採用する事は、イコール、ひとつ論理的な言い訳を手放す行為を意味します。ちょ〜〜保守的な人事部がそんな事を容易くするでしょうか??「学歴なんて関係ないよ!」という文言で煽る人はそこら辺の認識が甘すぎると思います。


ちなみに、外資系や特異な企業であれば「なんで学歴で採用したんだ?」と人事が問責される可能性があるので、学歴に対するベクトルが逆に働く事もあるかもしれません。可能性は低いけど・・・。



■高学歴大学未満の期待値がヒドい
「学歴は人事の有力なエクスキューズである」以外にも、高学歴大学を採りたがる(それ未満を採りたがらない)理由があります。それは、「効率性」です。


「効率性」とは即ち「少ないインプット」で「最大のアウトプット」を得ることを意味します。大きな努力をして、10人採用するよりも、最小限の努力で10人採用した方が「効率性」に優れます。そしてこの「効率性」の追求は企業、利潤を求める組織にとって必要不可欠であり、賞賛されるべき対象です。


さて、高学歴大学とそれ未満の大学生の入社テストの平均点を比較すると、顕著な差が出てきます。これは採用担当者でなければ分からないと思いますが、ホント、外部の方々が思ってる以上に絶望的な差が付いてます。100点満点で10点20点の差ではありません。単純にボーダーラインを超える人間の数に圧倒的な差が出てくるんです。


そして採用活動の資源は有限です。採用担当が読める履歴書の数しかり、説明会に入れる人数しかり、面接に呼べる人数しかり、webテストですら1件4,000円程掛かってしまうので、その実施数も資金の面から有限と言わざるを得ません。有限である資源を1万人も居る志願者全員に平等に分配する余裕なんてないんです。


それゆえ、1万人の中から2,000人の高学歴者を抜粋し、彼らに対して「だけ」平等に資源を分配するんです。これが「効率性」を求める人事の基本的な姿勢です。


ここで勘違いして欲しくないのは、あくまでも高学歴者は「平均して高い」に過ぎないという事です。それ未満の大学卒でも平気で東大に勝つ教養の持ち主も居るだろうし、現に私は大学名を挙げれば「どこそれ?wwww」と噴飯されるような三流大学卒ですが、高学歴大学卒以上の成績(筆記・面接とも)を収めてました。


その意味では「効率性」を求める姿勢は正解ではないと思いますし、「非常にもったいない事をしている」という意見にも賛成です。実際に人事に携わる人間の多くは「もっと高学歴大卒以外の人とも会いたい」と思っているはずです。しかし、前述のように、「効率性」がそれを許してくれません。



■低学歴、遊んでた人間が内定を取るには?
さて、これで終了してしまっては「やる気を削いで終わり」という最悪な結果になってしまうので、一応わたしのようなそれ未満大学卒の方でも内定が取れる方法を教えます。


まずは「名前が知られているブランド企業に正攻法ではいる」という幻想を棄ててください。前述の理由から、既にきそれらのブランド企業はそれ未満の大学卒を除外してます。その認識を持っていてください。幻想に振り回されてはダメです。


「フザケんな!!そんな学歴なんかで人を差別すんな!」と思うかもしれませんが、私に言わせてもらうと人材の採用は企業活動の根幹であり、慈善活動ではないので、そこで「効率性」を追求するのは当然です。むしろ「効率性」を採用活動でさえ追求しないような企業は終わってます。もちろんそれが「優秀な人材を採用する」という目的を果たす上での万能解であるとは言えませんが、企業活動に於いては一番解に近いのです。


さて、「名前が知られているブランド企業に正攻法で入る」という幻想を棄てたのならば、次は「名前の知られていない一流企業に卑怯な方法で入る」という意志をもってください。


ここで質問です。企業が一番求めている「職種」と学生が一番嫌がる「職種」って何でしょうか?答えられますか?7年位前に私は就活を体験したので、その時の知識になるのですが、その時は「IT」と「新規営業」「成績連動型営業」が学生の嫌がる職種で企業が一番求めている職種でした。今はおそらく「介護・看護」が有力でしょう。これは学校の企業説明会や求人票を眺めて、その掲載割合を探ればおおよそ検討が付きます。不人気職種は外食や小売、卸、意外にも地方に本社のあるモノ作り系も入ってました。今はどうかしりません。


まずはそういった不人気職種や業界を目指してください。理由はライバルが薄いからです。ライバルが薄いという事はつまり、先の例の2,000人の中に入れる可能性があると言う事を意味します。とにかく、資源を分配される側に回らなければ意味がありません。100,000分の2,000に入るのは事実上不可能です。なぜならもう既に2,000以上の東大京大一橋海外大卒のエントリーがあるからです。いくら応募者が優秀であろうとも、まず土俵に上がれないんです。説明会エントリーのダイレクトメールが来ないんです。


一方で不人気業界、不人気職種は1,000分の2,000だったりします(笑)もう厚遇です。東証一部上場はおろか、開発する製品が世界シェア60%を超えているような途轍もない優秀な企業であっても、不人気企業・不人気職種ゆえにそんな状況だったりします。そういった企業でも土俵に上がれたりします。ここが狙い目です。


高学歴大卒は人気企業にしか目が行きません。最初は特にそうです。なぜなら、説明会とかダイレクトメールとか友人の就活の話とかで挙がる企業名はどこも人気企業ばかりだからです。そして当然友人、そして自身もそういった企業からチャンスをもらうので、益々人気企業にしか目が行かなくなります。仕方ないです。不人気業界、不人気職種、無名企業の情報など耳に入れる動機もチャンスもないんだから。5月以降にやっと内定が無い者が大慌てして初めてそれ以外の企業に目が向き始めるくらいです。


なので初めから人気企業を棄てましょう。エントリーするだけ無駄です。不人気企業、不人気職種を目指しましょう。「え〜!そんなの嫌だ!」と思った方、まだまだ視野が狭いです。不人気企業、不人気職種とは単純に「知られていない」だけで必ずしも「ブラック企業」「3K職種」を意味しません。


事実、「保育士は薄給で大変」とか「ITは休みが無くて大変」など聞いた事あると思いますが、ちゃんと調べたり、本人に聞いた人ってどれくらい居るんでしょうね?一方で「自分の興味ある職種」に対しては非常に良く調べたりします。つまり、人気職種は具に調べる一方で、不人気職種の事なんて端から調べておらず、伝聞だけで推量してるんです。実際はどうか、というのは詳しく調べないと分かりません。


人気企業とはいわゆるBtoC企業が多く、日本にはBtoBの世界的に有名な不人気企業がたくさんあります。例えば日本碍子や荏原工業、トピー工業などは、おそらく学生さんはハテナだと思いますが、市場では抜群の存在感と名声です。しかも日本だけでなく、海外との取引も盛んな為、グローバルな活躍をしたい求職者にもうってつけです。もちろん、給与待遇面でも人気企業に比肩します。私はこういった企業を中心として就活してました。


不人気職種では「需給バランス」が崩れているので、待遇の改善を要求しやすく、転職も容易です。「嫌なら転職すればいい」という発想は不人気職種では当たり前に実行できますが、人気職種ではほぼ不可能です。いったん人気職種に就いてしまうと、どんな理不尽な扱いを受けようとも、容易に転職できない現実が待っています。理由はその人が辞めたとしても次の要員が容易に得られるからです。その点、不人気職種は転職しやすいという大きなメリットがあります。


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最後に、気分を害された方もたくさん(でも無いか??)居ると思いますが、わたしは「真実を伝えずに玉砕する」事の方が余程気分を害すと思います。ですので敢えて批判覚悟で書きました。もちろん「低学歴&遊んでても人気企業から内定!!」という言葉を信じ、それを実践する事を否定しませんし、実際に内定を取る方も居ると思います。


そして確かに「情報商材を買うという目先の投資を惜しんで、内定が取れないという後の利益を失う」という点は大いに説得力があります。消費と投資の違いを知り、試しにダメ元で投資してみるという姿勢は、ある意味、内定を取るためにも必要ですからね。いや、内定はおろか、人生の勝利者になれるでしょう。


しかしながら、「学歴は関係ある」「成績も関係ある」という事実はキッチリ知って欲しいと思います。