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鬼人事クマさんのブログ

御社の社畜を探します!採ります!育てます!

ONIKUMAの叫び 〜本当の採用要件

さてみなさんこんにちは。


今日は就職活動においての採用側のお話をしてみようと思う。ちょっと長いので要旨

採用活動の目的は“自社に合う”人材を採用する事だが、どのような人材が自社に合うのか、“明文化”出来る企業はほとんどない。それ故、“上司の判断”や“経験則”に頼ってしまう傾向がある。経験則に頼る以上、個人差、特に携わる年齢が大きな要素を占める。その状況を打開する為に“明文化”出来るシステムが必要だが、今は解がない。

■採用活動の目的は“自社に合う”人材を採用する事
何を目的に企業は採用活動をしているかと言えば、“自社に合う”人材を採用し、ヒューマンリソースの面で企業の業績を上げ得る状況に持っていく事だ。“自社に合う”というのが曲者で、必ずしも“英語が出来る”“社交的である”を意味していない。例えば平均的なプログラマに求められるのは社交性ではなく、場合によっては過度の社交性は却って輪を乱す結果を招く。なぜなら、プログラマは長時間1人で作業を任される事もしばしばあるが、過度の社交性はそれを許しはしない。“英語がネイティブレベルで出来る”もそれはつまり“情報を過度に吸収する危険性がある”事を意味するので、場合によってはそれによって不採用の要因になる。“自社に合う”という言葉は非常に不安定で、それゆえそれを定義するのは非常に困難でファジーな作業なのだ。


■“明文化”出来る企業はほとんどない
就職活動をする学生さんは当社では“○○な人材”を求めていますといううたい文句をすべての企業で目の当たりにするだろう。それはつまり“自社に合う人材”なのだが、その文言を見てあなたはそれを備えている人間をイメージ出来るだろうか。


株式会社東芝 リクナビHPより引用

●チャレンジ精神と変革意欲に満ち、創造力に富んだ人。
●自分の考えを自分の言葉で論理的に相手に伝え、納得させられる人。
●将来のキャリアビジョンを描ける人。
●グローバル人材。

「こういうタイプの方だけ入社して欲しい」と限定するわけではありません。
できるだけ多くの個性を受け入れていく(多様性/ダイバシティ)のが当社の採用活動の基本方針です。

実際、みなさんが想像する以上に、事業領域は多岐にわたっています。
同じタイプの人ばかりで集結していては、多様な事業の継続や新規に事業を展開することはできません。
さまざまなタイプの個性が集ってこそ、新たなイノベーションや創造が起こるのです。

チャレンジ精神、変革意欲、創造力、論理的な思考をする能力と表現力に満ち、将来のビジョンがはっきりしている人。そしてグローバル人材。要約すればそういう人材を求めているという事だろうが、私はそのようの人間に出会った事は残念ながらないので、はっきりイメージ出来ない。


例えば、グローバル人材とはどういう性質の者なのか。英語が出来る事は必須条件だとしても、意外に“社会的弱者に配慮出来る(ノブレスオブリージュ)”“宗教や政治などタブーな話題を振られても華麗にかわす能力”などもグローバル人材たる者の資格だと思われるが、皆さんはいかがだろうか。


実は、問題はここにあるのだ。何を隠そう、おそらく人事採用担当者でも自社で活躍できる人物像や採りたい人物像が分かっていないか、共有出来ておらず“明文化”していない。それは求人要件を見てみれば分かる。つまり“グローバル人材”ならば


●外国人に会っても0.2秒で自分から話しかけられる
●TOEIC800点以上
●英字新聞を日ごろから購読し、「最近のアフガニスタン情勢」についてユーモアを交えながら、5分間、面接官とディベート出来る


が“明文化”の例であるが、新卒採用でこんな人材要件見た事あるだろうか。せいぜい“TOEIC800点以上”が関の山であろう。(※ここで言う明文化とは誰が見ても大体一通りの解釈やイメージが出来る文章にすること)

“グローバル人材求む”のような抽象的な要件であっては、例えば、TOEIC950点で英語筆記満点だけど無口で消極的、海外渡航経験皆無なA君とTOEIC550点で英語筆記ギリギリ、話せばブロークンイングリッシュだけど、とても人懐こく海外に友人も多いB君はどちらがグローバル人材なのか分からない。


■“経験則”や“上司の支配”が横行する
実際の現場でも、Aさんは点数は低いけれど人間性がよくて、Bさんは高得点で高学歴だけど嫌なタイプ、さてどっちが良い?という判断に迫られる場面は存在する。そうなった際に“明文化”された基準によって判断されるが、そもそも“明文化”がキチンと行われていなければ、それぞれが主観によって判断せざるを得ない。


“明文化”によって、主観を廃し、安定した判断が出来るのだが、それが出来なければ逆になる。つまり、主観が横行し、不安定な判断になってしまう。主観がモノを言う状態では、役職や経験による力の差が強烈に働いてしまうので、BOSSやその道何年のベテランの意見が判断を大きく左右してしまうのだ。就活生が「なんで落ちたか(受かったか)分からない」という場合は、たいてい力による主観によって合否が決められている。(多分w)


もちろん、すべてを客観によって判断する事は非常に難しいし、主観による採用が必ずしも悪いわけではない。しかし、面接という主観が支配する場においても、事前にある程度客観的な指標を出さなければ、受験者の資質が不安定極まりないものになり、無用なコストを増大させる。「英字新聞を常に読んでいる者を採用したいので、過去1年分の記事から質問をします」と事前に“明文化”している企業の面接と「グローバル人材を求めます」しか事前に示さなかった面接では、受験者の資質がガラッと変わってくるだろう。事前に“明文化”した基準を示し、それによってふるいにかけるやり方は極めて合理的なのだ。


■ではどうやって“自社に合う”人物像を探るのか
ではどうやって“明文化”するのか。これには、今をもって解がないわけだが、ひとつの手がかりは“自社の優秀な社員を探る事”である。2:6:2の法則などを考慮する必要があるが、優秀な社員を客観的に探る事で、優秀な社員に似た資質を持つ者を採用出来、結果として採用を満足させられるのではないか。


では探るとは一体どういう事か。何を考えて、どう行動し、どう反省したのかというPDCAを見る事だ。どうやって、見るのか。それには様々な解があるが、今現在一番信頼できるのは、どんな答えでも正解の質問を大量に投げかける事のように思われる。その答えを以って“どのようなPDCAを行っているのか”を図る事ができよう。


そしてその答えで顕著な偏りがある問題をピックアップし、受験者にぶつけ、受験者が同じような偏りを見せれば、同じような性向の持ち主、つまり同じPDCAを持つ者と判断できる。ちなみに以下は私が考えてた質問(実現できなかったがww)


【例】
次の4人のうち一番社交的と思われる人物はだれですか。
Aさん:BCDより一番多く話した
Bさん:ほとんどしゃべらなかったが、話題が逸れると常に修正した
Cさん:Aの次に多く話し、彼だけが他の者に話題を振る事があった
Dさん:彼だけがキチンと敬語で話し、時に建設的な反論も見えた


次のうちコミュニケーションに一番求められるものはなんですか
A.話題が次々と浮かび発言できる能力
B.質の高い内容を話す能力
C.質の高い内容を引き出す質問力
D.相手が話しやすくなるような柔和な態度


ABCDの括弧のうち、一番大きな失敗と思われる部分はどれですか
A「私は新人であったが、早く出世をしたかったので部長に頼み込んで、大きな仕事を割り当ててもらった。」しかし
B「その他の先輩社員への根回しをしなかった」ため、結果的に妬みを買う事になり、孤立無援の状況になった。そのような状況でも
C「自力で解決しようと、部長には相談しなかった。」自力で解決するためには
D「とにかく人より倍働く事が重要だと考え」実行したのだが、結果は上手くいかなかった。


以上を優秀と思われる社員20%全員に実施し、ついでに優秀でないと思われる社員20%にも実施し、答えの偏りを見れば、何らかの“自社に合う”“自社に合わない”要素が見つかるのではないか。さらには、全社員にも実施すれば、既存社員において優秀と思われる社員をピックアップすることができるかもしれないし、昇格選考にも応用できそうだ。


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“明文化”出来ない採用要件を続けている限り、“経験則”や“BOSSの主観”による採用は横行し、今までどおりの採用が延々と続くに違いない。