鬼人事クマさんのブログ

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今の若い人は嫌いな人と関わらないから鬱になる

こんばんは!!やっとクーラー無くても快適に寝られる環境になりそうで、ウキウキの鬼熊です!


さて、今回は人事部長が来客者に対して言った一言を取り上げます。


「今の若い人は嫌いな人や価値観の違う人と関わらず交友範囲が狭いから
非常に打たれ弱くなってます。そして社会に出てそれを強いられると
対処できずすぐ鬱になるんですよ。」



■それがオジサマの本音
良いか悪いか、正しいか正しくないか、真実か誤解かは置いといて
それがオジサマの本音です。もちろん、中には違う価値観の人は
居るとは思いますが、大多数のオジサマ達は同じような意見を持っていると
考えるが正解です。


なぜなら来客含めて4,5名オジサマがいましたけれど
その一言で大いに盛り上がりましたから!!
※私だけポカンとしてましたけどw


「最近の若者は交友関係が狭い」
⇒「狭いのは嫌いな人を避けるから」
⇒「嫌いな人を避けるから対処できない」
⇒「しかし社会人はその対処を求められる」
⇒「求められるが若い人は対処できない」
⇒「対処できないが求められる」
⇒「求められるが対処できない」⇒鬱


これがオジサマの共通認識らしいです。


■若い人の交友関係は非常に広くなっている
「最近の若者は交友関係が狭いから鬱が増えている」
一見因果関係がありそうな共通認識ですけど
残念ながら、それは鬱病とあまり因果はなさそうです。


なぜならば、決して今の若者は交友関係が
狭いわけではないからです。


「ネット社会」はきわめて不特定多数の
ユーザーと交流をしますし、新聞よりも多様な
価値観を吸収できます。つまり触れようとすれば
“世界”と触れられるのです。


逆にオジサマの時代は「オフライン社会」です。
付き合いは物理的に接触可能な地域に終始し
情報源はマスメディアです。きわめて限定的な
交流および価値観にしか触れられませんでした。
つまり触れようと思っても“おらが村”と
“日の丸”しか触れられませんでした。


交流の広さから言えば、オジサマの方が狭く
むしろ若い人の方が広いです。


では、交流の密度はどうでしょうか。


確かにネット社会は交流の密度は低いと見られがちです。
そして実際に密度は低いのかもしれません。
しかし、だからといってオフライン社会は
交流の密度が濃かったのでしょうか。


オフライン社会の方がネット社会よりも
濃密な付き合いを要求される。

それを証明した人は居ますか??


「飲みニケーションが強制されるから?」
笑っちゃったんですけど、これは本当に
上司の口から出た言葉です。ビックリしました。


飲みニケーション=濃密な付き合いという方程式は
成り立ちません。なぜならその習慣の無い諸外国でも
立派に濃密な付き合いはあるからです。


「地域のコミュニティに強制参加されるから?」
それは今も一緒です。単身者ならともかく
親元に居れば家族ぐるみの付き合いを強要されます。


オフライン社会の方がネット社会よりも
濃密な付き合いを要求される。

これを立証しない限り、昔よりも今の若い人は
交流の密度が浅くなっているとは言えません。


わたしは今も昔も、密度は同じではないか?
それは今も昔も人によるのではないか?と考えます。
証明はできませんけれど・・・。


■根拠の怪しい仮説を妄信する危険
確かに今鬱病は増えています。しかし
原因は上記の方程式のように「嫌いな人に対応できない
軟弱な若い人が昔よりも増えた」から
とは到底言えません。


そういう根拠の怪しい仮説(=常識、一般に言われる事)
を基に対処しても、結局は良くなりません。



今日の出来事は根拠の怪しい仮説を妄信し、対処を誤る失敗を戒める
良い機会に感じました。


それでは!ごきげんよう!